2015年8月15日土曜日

コード(和音)の話II

  時々書いているけど,私達の研究室では毎年,夏の学校と称して合宿を行っている。
4年生は4月から勉強してきた卒業研究に向けた成果を,院生とスタッフは何か科学に関するネタを話すことになっている。今年の開催地は,久しぶりに,大山にある中国・四国国立大学共同研修所だった。
 毎年何かネタを考えなければならないので,この時期になると頭を悩ませる。学生さんの手前あまりいい加減なことはできないし,,,ちなみに昨年は「野球の打順について考えてみた」だった。今年は,どうしようか迷ったが一昨年考えて中途半端だった音楽のコード(和音)の話題に再挑戦することにした。 結論から言うと,今年もやっぱりなんだか分からないということなので,この先を読んでいただける方は予めご了承願いたい。それと途中で数式とかグラフとかがでてくるので,慣れていない方には難解かも知れない。コードの表し方,A,B,C,,,I, II, III ,,なども説明なしにでてくるのでご容赦願いたい。また,文中にリンクしている音声ファイルはwavである。


本題。
皆さん,この曲名を見て共通点が思い浮かぶだろうか。

 負けないで  ZARD)
 少年時代  (井上陽水)   
 真夏の果実  (サザンオールスターズ)
 翼をください  (赤い鳥)
 さくら   (森山直太朗)
  .。。。。。

最初の3つの一部(と最後におまけ)を聞くとこんな感じだ。(分かりやすいようにみなC(ハ長調)に移調している。) すべてベースの音がド,シ,ラ,ソ,,,と下がっているのが分かるだろうか。
聞いてもらった部分はすべてコードの進み方,つまり,コード進行が同じ;

C->G->Am->Em->F->G (I->V->VIm->IIIm->IV->V)

となっている。(曲によってはアレンジあり)
4番目の曲は,実はパッハルベルのカノン,1680年代に作られたバロックの有名な曲だ。これにちなんで,このコード進行はカノン進行と名前がついている。300年以上経た今でもJ-POPで多用されているなど人気のコード進行だ。

もう一つの有名な例;

 会いたかった AKB48
 フライングゲット AKB48)
 残酷な天使のテーゼ (高橋洋子)
 RUNNER (爆風スランプ
 言葉にできない (小田和正)
 。。。。。


このコード進行は

  Am->F->G->C  (VIm->IV->V->I)

小室哲哉さんの曲によく現れるということで,小室進行とも言われているようだ。マキタスポーツさんの著書「すべてのJ-POPはパクリである」のなかではドラマチックマイナーと名付けられている。もっとも,このコード進行も最近できたもではない。筆者は数十年前に音楽教室に通っていたが,そこでも VIm->IV->V->I (ろくよんごーいち)と,呪文のように習っていた。
他にも王道進行(IV7->V7->IIIm7->VIm )と呼ばれるような有名なコード進行もあるし,我が研究室(の一部?)で大人気のPerfumeは(IVM7->IIIm7->IIm9->IIIm7)をよく使うということだ。

 
さて,ここからが本当の本題

このようなコード進行に何か法則を見いだすことができるだろうか。人の主観に科学的な法則を探すという無謀なことなのだが,夏の学校のネタということでとにかく挑戦したのだ。

コード進行の話をするためには,まずコードの成り立ちを考えなければならない。2年前はこの話をしたのだった。再考してみよう。以下簡単な復習も兼ねるが,詳細はそちらを参照してほしい。そこにも書いているが,現在広く使われている音階は平均律と言い,1オクターブ(周波数が2倍)を12の均等な比に分割している。
式で書くと


f0は基準の周波数。通常は真ん中のラ(A)の音を440Hzとすることが多い。
すると(イ長調の)ドレミファソラシドは,
i = 0, 2, 4, 5, 7, 9, 11, 12
Aメジャーコードの周波数(純正率)
それらしくみえるようにわざと
幅を持たせている。
となる。だが,2年前にも議論したように,平均律を使うと,音と音の高さ(周波数)の比が単純な整数にならない。和音の響きは結局のところ音の周波数の関係に帰着できると考えられるが,この議論は平均律では難しい。たとえば,Aメジャーコードのド,ミ,ソの周波数は,440Hz,554Hz, 659Hzとなって,その関係が分かりにくい。そこで,音と音の周波数比をもとの音階を定めたものとして,純正律が知られている。平均律を使うとAメジャーコードの周波数は440Hz, 550Hz, 660Hzときっちりと4:5:6の関係になる。[1]
ちょっと面倒な計算が入るがこれを考えてみよう。(以下の話は2年前の考察には無かった。)
ある音の周波数をfと書くと,その音の振動は

だ。

なのでAの音(440Hz)の周波数をfAと書くと,Aメジャーコードの振動は

となる。

 
周波数の様子をみると,真ん中の音Df(ディーフラット)を中心に左右に等間隔に周波数が並んでいる。これを意識して上の式をこれを書き換えるとこうなる。

慣れた人には直ぐ分かると思うが,一番下の行は,は周波数fdをその1/5の周波数(110Hz)で振幅変調したことになっている。音の振動の様子をが下上,fd(業界はキャリアとか搬送波と言う。)と変調周波数に分けて書いたのが下図だ。これをみると,音の振動に110Hzの構造があるのが理解できる。

メジャコードの音振動(上)
下は振幅変調の表した時の
キャリアと変調周波数を
重ねたもの
メジャーコードは,3つの音の周波数構成から理解できることが分かった。3つの真ん中の高さの音(III)を,その1/5の周波数で振幅変調している。それがきれいな響きのもとになっていると考えられる。それでは,真ん中の音の1/4や1/3の周波数で振幅変調したらどうなるのだろうか。計算すると,1/4で変調した場合は,別のメジャーコード(今の場合は,D♭),1/3で変調すると,上下の周波数比が丁度2倍(1オクターブ)となるので,3音のコードができないことがわかる。

 ではマイナーコードはどうなっているのだろう。これはメジャーコードように3音の間に明確な周波数の関係をつけることができない。一番低い音(I)と,高い音(V){の周波数比はメジャーコードと同じく,1:1.5になっているが,Iと真ん中(IIIm)とは1:1.2(メジャーコードは1:1.25)。したがってメジャーコードと同じような解釈はできないのだが,ここは大胆に仮定してみる。マイナーコードについても,メジャーコードと同じような計算をすると,





第1項はDfの音にその1/5の周波数の振動をかけた形をしている。第2項はメジャーコードではfdだったが,少しずれた音だ。とにかく,上図と同じように振動の様子を見てみよう。

マイナーコードの音振動(上)
下図はメジャーコードの図と同じ
この図の下の部分はメジャーコード図と同じものだ。これをみると,マイナーコードもDfの振動にその0.2倍の周波数の振幅変調をしているが,周波数の関係がメジャーコードの場合のようにちゃんとした比になっていないことを反映して,波形がひずんでいると考えることができると考えることができそうだ。
かなり大胆な仮定だが。。









コード進行の考察

いままで話したコードの考察から,コード進行について以下の仮定をしてみた。

  • メジャーコードは真ん中(III)の音をその1/5倍の周波数で振幅変調したものである。IIIの音がそのコードの性質を代表する。他のコードへのつながりを考える時は,IIIのからのつながりを考る。
  • マイナーコードもその構造はメジャーコードと同じだが,周波数比が単純な整数でないため,音がひずんでいる。しかし,IIIの音がそれを代表することはメジャーコードと同じ。

さて,これから,コード進行,即ち,音と音のつながりを考えるのだが,これに明確な指針はない。
とりあえず,3音からなるコードを1音で表すところまで簡略化したので,コード進行もその音と音の関係,つまり不協和音の度合いをから考えてみよう。
よく言われることがだ,人が二つの高さの音を聞いた時に,そのを不協と感じかどうかは,二つの音の周波数比が指標となる。一般に,周波数比が簡単な整数の時は協和,複雑な時は不協と言われる。これは人主観を数値で表したものなので,演繹的に導出できるものではない。仮定としていけいれよう。(実は,前項のメジャーコードとマイナーコードの考察もこれを暗黙に仮定している。)

例えば,AとDfの音の周波数比は5/4(純正率長3度)。
同時に聞くとこんな音だ。
一方もっとも,不協といわれているAとDf,周波数比は64/45
こんな音だ

すると,コード進行も協和音にそって進行するのではないか?と考えて,各コードのIII音の比を表にした。

     I    IIm    IIIm     IV     V     VIm    VIIm
I   1/1  256/225  32/25   4/3    3/2    5/3   48/25
IIm 225/256   1/1    9/8   75/64 675/512 375/256  27/16
IIIm  25/32   8/9    1/1   25/24  75/64 125/96   3/2 
IV   3/4   64/75  24/25   1/1    9/8    5/4   36/25
V   2/3  512/675  64/75   8/9    1/1   10/9   32/25
VIm   3/5  256/375  96/125   4/5    9/10   1/1  125/144
VIIm  25/48  16/27   2/3   25/36  25/32 125/144   1/1 

これをみると,255/225など大きな整数比,3/2などの小さな整数比の組がある。これにそって,たとえば,大きな整数比にそってコードを進めるとあまり気持ちよくなく,小さな整数比だと心地よいのだろうか。ものは試しだ。


5つのコード進行を並べている。

それぞれのコード進行は,

 1 表から組み合わせが良くないと考えられる進行 (IIm->V->IIIm->VIm->IIm)
 2 表から組み合わせが良くないと考えられる進行   (I->IIm->VIm->VIIm)
 3 表から組み合わせが良いと考えられる進行        (I->VIm->IV->V)
 4 最も基本的な I->IV->V->V7->I 進行 
 5 いわゆる小室進行 VIm->IV->V->I

聞いた印象はどうだろうか


ということで,コードについて再考してみた。メジャーコードを振幅変調という観点から理解できたのは良かったかな。音楽理論などは全く調査していないので,これが何を意味するのかまでは考察に至っていないが,面白そうなのでしらべてみようか?
コード進行については,ますます人の主観に関することなので,そもそもどのように考察すべきかも定かではない。やっみた以上のことはなかったが,いわゆる音楽理論なるもので言われているコード進行と比較してみるのもの一興だろうが,来年の夏かな。。。。


[1]12音階の平均律と純正律のずれを改善した,53音階純正律というのもある。
例えが,木村俊一著 「連分数の不思議」に考察がある。

[2]この考察をするにあたって,
マキタスポーツ 著 「すべてのJ-POPはパクリである」
を参考にしました。








2015年7月29日水曜日

グラフ電卓に将来はあるか?

ひょんなことからグラフ電卓を試用する機会があった。グラフ電卓を見たこと,使ったことがあるだろうか?普通の関数電卓よりも大きめのディスプレイに,数式やデータのグラフを表示することができる。もちろん関数電卓としても高機能だ。カシオのfx-CG20や,テキサスインスツルメントのTI-Nspire CX CASなどが代表的なところか。


Ti-Nspire CX CAS
fx-CG20
fx-CG20

 使ってみると,それなり便利だ,式を入れるとたちどころにグラフにできる。新しいものは図の解像度も高く,視認性もよい。しかし,今では,iPadやAndoroidタブレットで同じことができるではないか。それも,MathematicaAlphaのような信じられないくらいの高機能ソフトが数百円で手に入る。グラフ電卓に需要はあるのだろうか。

そんなことを考えていると,すでに2011年に同様の考察(英語)をされた方がいた。それによると,

  • グラフ電卓の目的は数学や理工学の教育である。
  • アメリカでは以前からグラフ電卓を学校導入しており,メーカと教員がタイアップして授業に役立ててきた土壌がある。
  • iPadやアンドロイドタブレットは高価。
  • いろいろアプリはあるがこれ一つでOKというものはなかなか見つからない。
  • (アメリカのSATなどでは)試験にグラフ電卓は持ち込み可能だが,タブレットがいつ許可されるか分からない。
など,まだまだグラフ電卓の需要は高いとの見ている(見ていた)ようだ。

 だが,この記事の作者もiPadなどの将来性は期待しているし,公共の試験がそれを認める日が来るのを願っているようだ。それに,この記事は2011年。今では,十分に高機能のタブレットが2万円以下で手に入る。グラフ電卓とあまり変わらない。値段の問題はそのうちなくなるだろう。アプリについてもMathmaticaAlphaはもとより,グラフ電卓の大手テキサスインスツルメントもグラフ電卓アプリをだしている。

どうだろう,テキサスインスツルメント社が新しいグラフ電卓を発売していることからも,まだ米国では需要があると考えているのだろう。しかし,そもそもグラフ電卓などの高機能電卓を教育現場で活用する土壌のない日本で,これから普及するだろうか?もし普及するまたはさせるとしてら,タブレットとは違う”電卓”が強みを発揮できるようなビジネスモデルが必要ではないだろうか。

電卓の強みは??
  • 余計な機能を排して電卓に特化したところ。。とはいっても使い方は単純ではないが,,,
  • 携帯性。
  • ハードキーボード。。。タブレットのソフトキーボードは使いにくい。しかしタブレットもbluetoothで外付けキーボードやテンキーは接続できるけとね。
  • 教育現場にメーカーが食い込んで共同作業(教材開発)ができる。。これはタブレットも同じか?
う~む。。。携帯性と単機能を逆手にとった使いやすさを追求するのかな。。。たしかに,低学年(高校生以下?)では,余計なことができすぎるタブレットよりこちらの方が良いかも。
授業への導入方法の具体化が鍵か。。(この手の教材は,高機能化よりも,現場の教師が負担無く使えるようにするのが大変)

余談
 アメリカに代表されるように,グラフ電卓などの高機能電卓を数学や理工学の教育に積極的に導入している国がある。それに比べて,日本はそのような傾向が全く無い。これは日本の教育の改善点と認識すべきだろうか。ちなみに,OECDが定期的に行っている,15歳児の学力調査PISAの2012年の結果は,65か国・地域中,日本は7位,アメリカは36位。(要因はいろいろあるだろうから電卓の効用と関係づけるのは無理すじだと思うけど。)

2015年7月17日金曜日

PCを高速化(爆速化)

まず,デスクトップDEL T3500

仕事にも私用にもパソコンは欠かせない。(最近,新入社員に全くパソコンを使えない人が増えていると話題もあったっけ?)
気がつくと,今仕事でメインに使っているDELLのデスクトップは,買ってから5年が経とうとしている。それなりに速いCPUを載せているし,常時CPUパワーが必要な仕事をしているのではないので,そこそこ使える。しかし,HDDはいつクラッシュしてもおかしくない年齢だ。そろそろ何とかしなければ。最近はSSDも安くなってきた。

というわけで,HDDからSSDへ換装することにした。
仕事用なので,SSDも大きめの1TB。約5万円。出入りの業者に探してもらったら,CrucialBX100を持ってきた。
早速ディスクのコピーを始める。EaseUS Todo Backup Free」というフリーのソフトで,デスクトップのHDDの中身をまるごとSSDにコピー。いわゆる,ディスクのクローンだ。
デスクトップはDELLのT3500。ふた空けると,SATAケーブルのコネクタが余っている。そこに差し込んでスイッチをいれた。初めて使うコネクタなので,そのままでは認識しない。BIOSの設定でコネクタに対応するSATA2をON。次に,システムからディスクの管理をえらんで初期化。これでディスクを認識するようになった。
つぎは,EaseUS ToDo...でディスクのクローン。SSDのパーティションを変更することもできるのだが,容量に余裕があったので,すべて初期設定のままにした。
クローンが終わるのにだいたい1.5時間くらいだった(HDDは1TBだけど使っているのは280GBくらい)。

あとは,HDDの繋がっていたコネクターにSSDを付け替えて再起動。何事もなく一発でたちあがった。Webで検索すると,少し設定が必要という話もあったのだが,全く何もなく,肩すかし。。。

結果は,,,,

まさに 爆速。。

体感10倍か?とにかく,立ち上げとかログインの時間が圧倒的に短い。
PDFファイルをクリックしても直ぐに表示される。

CrystalDiskMarkという定番ソフトで読み書きの速さを比べると,,,


HDDの測定結果
SSDの測定

体感に近いと思われる,4KランダムNCQ(上から2番目)の読み取りで,約140倍,書き込みは何と290倍の差が出た。本当かな,というくらいだ。


ノートPC ダイナブックT551

気をよくして,こんどは自宅で使っているノートPCもSSDに。
こちらは私物なので,節約,,でもないが,258GBで我慢。購入したのはTOSHIBAのSSDを使っているというこれ。それに,SSDをUSB経由で接続するためのアダプタも購入。密林で合計約1.7万円。

ダイナブックHDD
このパソコン。とにかく遅かった。何をするにも数分またなければならない。CPUはそこそこだし,メモリーも8GBなのでやはりディスクかな。ためしに読み書く速度をはかると。。

これはだめでしょ。という結果だ。4KBのランダムは0.4MB/s。書き込み0.3MB/S。連続読み書きも100GB/Sに遠く及ばない。遅くて当たり前だ。

さっそく届いたSSDに換装。手順はデスクトップと全くおなじ。ところで,最初接続したときには,検索画面で「ハードディスク」といいえて,ディスク管理設定に行く。
(いちいちコンパネから探さなくてよいので楽)

 クローンをつくるときは,パーティションをいじって,ユーザー領域を少しひろげた。まあこれは好みかな。
SSDの読み書き速度
今度も,SSDにもとのHDDクローンをつくって,ディスクをいれかえると,何事もなく起動。

いや,何事もなくではない。これまで5分とか10分近く待っていたのが,10秒もかからずに起動した。すごい。。。。
どれだけ速くなったのか,測ってみると。。

4Kランダム読み取りはなんと760
倍,書き込みも720倍。これはかわるはずだ。連続読み書きは500MB/sを超えている。SATA3の上限が600MB/sなので,何かの間違いかというくらい速い。
これなら,1.7万円投資しても家人はゆるしてくれる。。と思う。。。







2015年5月9日土曜日

自動化ゲートで出入国?

l ご存じの方も多いと思うが,羽田や成田などの大きな空港には自動化ゲートが設置されている。予め登録しておくと,出入国は機械によるパスポートと指紋認証でOKだ。私も数年前に登録して使っていた。比較的空いているので,混んでいると時期は便利だった。
だが,この指紋認証が鬼門だ。私の指紋は機械による読み取りに向いていないらしく,以前から一回で読み取れないことがあった。それでも1~2回で何とかなっていたので,良しとしていた。

 ところが,昨年(2014年)12月に羽田で出入国とも全く指紋が全く読み取れなかった。
帰国の時に係の人に話をすると,,
「指を見せていただけますか,,,指紋が薄いですね。鼻の辺りをこすって油をつけると良いですよ」
しかしどうしてもだめ。係の人曰く,
「機械が新しくなっんたです」
私,「新しくなってトラブルでは困りますね,,,」
係官の方は,とても親切で私が何度もトライするのにつきあってくれたが,やっぱりだめだった。

 さて今回(2015年4月),今度は成田空港から出国。何度も試したが,やはり指紋を読み取れない。時間があったので再登録しようと登録の列(こちらは5人くらい並んでいた)に並んだ。「指紋が読み取れないので再登録したい」と言うと,
係の方曰く,
「再登録してもだめだと思いますよ」
ちょっとむっとして,不親切だな,,と思ったのだが,それは全くの勘違い。
直ぐに「一緒にやってみましょう」と言って,一緒に自動化ゲートへ。
そこでいろいろと説明してくれた。
分かったことは,
昨年の10月に機械が新しくなってからトラブルが増えた。
指を置くところに段差あって,指紋が読み取り面に密着しにくい。

係の方はいろいろと対処方法を言ってくれる。
指を強く押しつける。
読み取り不可のメッセージがでたら直ぐに指を一度離してやり直す。。
等々,
でも全くだめ。

その方のアドバイスは,

  • 指紋の登録の機械と自動化ゲートの機械は同じものなので,今再登録をすると指紋が読み取れずに登録できない可能性が高い(登録抹消となる)。それの方が不利益が大きい。
  • 法務省にも情報はあげているので,今はそのままにしておいて,機械が改良されるのを待つ方が良い。
  • 自動化ゲートで読み取れないときは,その横にいる係官のところに行けば,入国手続きをしてくれるので,混んでいるときも結果的にあまり並ばなくて良い(早く通過できるという利益は得られる。)
ということだ。

さて,帰国時。自動化ゲートに行ったが,予想通り全く指紋は読み取れない。直ぐにあきらめた,横の窓口で指紋が読み取れないことを伝えると,「指を見せてもらえますか」。見せると直ぐに覚ったようで,「パスポートに入国のハンを押しますけど良いですか」とのことと。私「全く問題ありません」ということで,無事に入国。

しばらくはこれが続くのかな。。。
それにしても,羽田,成田でいままで3人の入国係官の方と話をしたが,皆とても親切でしかも対応になれていらっしゃる。トラブルの多さが推察できるというものだ。

念のため追記。
私の指紋が機械泣かせなのは確か。他の機械でも経験あり。問題なく通過できる人が多数です。







2015年5月3日日曜日

ワシントンでsimフリー携帯を使った話

Ready simのパッケージ(左)とsim(右).
標準simとマイクロsimに対応。
先日,simフリー携帯を買った話をしたとき,アメリカ用のpre-paid simに触れた。今回使ったのは,Ready Sim。日本でも例えばここから購入できる。購入したのは,アメリカ国内電話,SMS,データ1.5GB付き,21日間有効というものだ。どのくらいデータを使うかよく分からなかったので,ちょっと多めにした。

 ワシントンへ向かう機内で,携帯にsimを挿して,説明にしたがって,APNをセット。あとは現地についてアクティべーとすれば良いはずだ。Dual Simの携帯なので,日本で通話用に使っているsimはそのまま挿しておける。(ready simで通話もするので,同時使用はできないが。)
アクティベートのために最初に送った
SMSとその返事。
  ワシントン空港に到着して早速,ready simで携帯をON。説明書の通りに7350へテキスト(SMS)で,zip codeを送る。すると直ぐに返事が来た。電話番号も決まっている。APNの設定方法も知らせてくれるらしいので,早速apnと返信する。そしたらandroidやiphoneを選択するメールが来たので,androidを要求すると。設定方法が送られてきた。
ここでちょっと戸惑う。APNの名前が,説明書と違う。説明書ではAPNは
  roam
となっていたが,送られてきたテキストには
  wholesale
にせよと書いている。確かroamでは繋がらない。指示通りすると,無事に繋がった。さっそくgoogle mapを見てみると,地図も表示されるし,自分の居場所も分かる。よしよし。。。
しかし,通信速度はあまり早くないようだ。3Gでは繋がると思っていたが,,,これは最後までわからなかった。
無事に開通したので,電話番号を同行者全員に連絡。
これで,滞在中の米国内電話は無料だ。。

使いかってはどうだったか。最初,1.5GBがどの程度か分からなかったので,節約しながら使っていたが,通信速度があまり出ないこともあって,ほとんどデータ量は増えない。1日10MBとか20MB。1.5GBは多すぎたか。。ホテルも滞在中の仕事場所もネットが完備しているので,携帯のローミングをする必要はほとんどなかった。最終日,帰国直前にワシントン空港で見ると,データ使用料は120MB。購入量の10分の1も使わなかった。ちょっともったいなかったな。。。
APN設定のやり方のメッセージ。説明書
とちがって,APN名はwholesaleだった

それでも,ワシントン市内を歩いて移動しなければならないこともあり,google mapが使えるのはとても便利だ。,タクシーに住所を伝える必要があるときも直ぐに検索できる。今回は仕事でメールのやりとりがとても多かったので,いつでも送受信できるのはやはり助かった。回数は多くなかったが,アメリカの電話番号があるのはやはり便利。着信もアメリカの番号だけにしておいたので,日本から電話がかかってこないこのも良かった。(これまで何度か,海外の夜中に日本から電話がかかってきたことがあった。日本からの電話を日本の携帯で着信すると,国際電話料金が受けた方にかかる。)

総じて,それなりに便利だった。アクティベーションが直ぐにできるのは良い。しかし,データ通信の速度が予想外に遅かった。3Gで繋がると思っていたのがだが,2Gだったのか?これは携帯の周波数対応かもしれない。後で調べてみることにしよう。

ワシントンDCから遠隔授業

 先週 4月25日~5月2日までワシントンに行ってきた。国際リニアコライダー(ILC)の日米協力についての打合せなどが目的だ。ただ,今の時期は新学期が始まってようやく軌道に乗り始めた頃。授業を休むのは避けたい。そこで,ワシントンからweb会議システムを使ってリモートで授業をすることにした。ワシントンと日本の時差は11時間。午前中の授業だったのでワシントン時間でも丁度良かった。
 web会議システムはfuzeというリモートミーティングや研究会でよく使っているもの。広島の講義室にパソコンを置いて,そのパソコンにワシントンからインターネットで接続してホテルから自分のパソコンの映像を講義室に映すという段取りだ。

授業をするほうはこんな感じ。
左にあるのがスピーカフォン。
このPCはペンで画面に直接文字
を書けるので便利だ。
まず,出張前にテストをやった。講義室に持ち込んだパソコンの音声出力を講義室のスピーカへ,映像出力をプロジェクターへ。そのパソコンに,(隣の廊下からだが)web会議システムで接続して,音声と映像のテスト。これはうまくいった。ただ,パソコンの内蔵マイクではやはり感度が悪い。ワシントンにもスピーカフォンを持っ行く方が良さそうだ。(ヘッドセットでも良いだろうが,スピーカフォンの方が自分が楽)。後はワシントンのホテルのネットワーク事情さえ良ければ何とかなるだろう。
 ワシントンのホテルに到着後広島との接続テストを行った。広島側では学生さんに手伝ってもらい,ワシントンのホテルと接続。ホテルのネットワークはあまり速くないのだが,音声,画像ともに明瞭とのこと,これだったらなんとかなりそうだ。後は授業の準備だ。そもそも出張に来た目的もあるので,あまり暇ではない。前の週は東京での研究会とイベンドで準備をする時間がなかった。ワシントンで何とか時間を見つけて準備。授業はパワーポイントを使うことにした。しかし,パワポで次々にスライドを見せながら話すと授業としては速すぎる。一行一行表示するようにアニメーションをセットして,ペン機能を使って書き込みをするようにしよう。それでも,板書でやっている授業一コマ分をパワポにすると10ページにも満たない。雑談をいれるにしても早めに終わりそうだ。

 さて本番,現場の学生さんには余裕をもって30分早く講義室にいってもらってセットアップ。音声も画像も良好とのこと。fuzeは動画も送ることができるので,講義室の様子を覗いてみる。リモートで授業をすることは予告しておいてので,もしからしたら誰もいない?と心配していたのだが,みな来ているようだ。感心感心。本当は,ずっと講義室の様子を見ながら話たかったが,ホテルのネットワークへの負荷を考えて念のためオフにすることにした。
授業に中に使ったスライドの1ページ。
手書きで書き込みながら説明。
スライドに間違いが合っても訂正できる
ので便利?
さて授業開始,始めに今どこにいるか簡単に紹介して(10,000km離れたところから授業をしているのは実感してくれたかな),内容に入る。できるだけゆっくりと,書き込みを多めにしたつもりだが,1時間少しで予定のところまで進んだ。予めパワポはwebにアップしておいたので,ダウンロードが間に合った学生諸君はそれを見ながら聞くことができただろうが,スクリーンをだけを見ながら聞くのはやはり難しいかな??感想をきいてみよう。

 感想は,「思ったより簡単にできた」 だ。しかし,ネットワークの様子が出張先に行ってみないと分からないので,リスクはある。昨年の12月もリモート授業をやることを考えていたのだが,準備の都合で取りやめた。実際に現地(ミュンヘン)のホテルにつくと,ネットワークが遅くて,たぶん授業はできなかっただろう。それに時差関係で現地で仕事をしているときとか,ホテルにいても深夜とか明け方でもつらい。今回は丁度よかった。まあ,これができるからと行って,いつでも大学を留守できるというわけにはいかないな。。。

2015年4月23日木曜日

simフリー携帯購入の巻き


先日,ガジェット遍歴のことを書いたとき,最後のところで,simフリースマホのことに触れた。
その時は,携帯を変えるのはもう少し後と思っていた。ところが東京で久しぶりに秋葉原を歩く時間があったので,いろいろみていたら,simフリースマホも販売コーナーでができていて,かなりの人が興味深そうに見ていた。
私もその中に混じっていろいろ見ていたのだが,,,,
結局見ているだけに終わらず,,,,

ということで,dual sim携帯 Plaroid Lienageを9,800円で購入。この携帯,発売当初は2万円台だったのだが,最近は値が下がっている。一抹の不安もあったが,この値段なら外れても許される(誰に?)ということで購入。

simが2枚ささるので,1枚は大手キャリアのsimを通話専用にして,もう1枚をIIJmioのデータ通信専用にした。データは3GB/付きで月額900円。ただし,simが2枚といっても,この組み合わせで両方を同時にONすることはできない。これはこの携帯だけでなく,3G通信の同時待ち受けができる携帯は発売されていないとようだ。ということで,データと通話で切り替えが必要なのだが,値段が安いので良いとしよう。
 早速各種設定と必要なソフトのインストール。何年かアンドロイド携帯を使っていることもあって,難なく準備できたが,まっさらのアンドロイド携帯を使えるようにするのは,初めての人にはハードル高いかな?という気もする。(大手キャリアは値段相応のアフターサービスをしているということなのだろうね)

この携帯,RAM1GB/FlashROM 4GBという仕様。Flash4GBとといっても,実際にアプリのインストールなどに使えるのは半分くらいだろうか。ちょっと不安だったが,私が普段使っているアプリは問題無くインストールできた。
実際に使ってみると,まずまず問題ない。でもちょっと音が変かな?これはネットでも言われているようだ。特に音楽はだめ。携帯で音楽を聞くことはないので,別によいのだが。それと付属のイヤフォンをつないでも,スピーカの音が切れない??そのイヤフォンは他の機器ではちゃんと働くし,他のイヤホンをLineageにつけてもちゃんと動く(スピーカはオフになる)
とても不思議だ。そんなこんなで,基本的にはちゃんと動くし,使えるのだが,なんか不安が残る。。

ということで,ネットで調べてみると,同じ値段のものではfreetelのPriori2が比較的評判が良いようだ。こちらはFlashが8GBあるのでアプリも余裕をもっていれることができそうだ。迷ったが,結局こちらもポチ。もう一度最初からアプリのインストールをして今はこれを使っている。これもdual sim仕様。 まだ使いはじめて2週間程度だが,普段使いには十分だろう。細かいところで,値段相応かなというところはあるが。。

9,800円スマホでも,凝った(負荷のかかる)使い方をしなければ十分使える。
最初に買ったpolaroid lineageも使えないということではない。好みの問題。(実はこちらの方が大きくて,画面も美しくてかっこいい)。今はsimを挿さずに,無線LANだけを使って家族がおもちゃにしている。(要は掌サイズのパソコンなので,結構遊べるのだ)

おまけ,
来週米国に行くのだが,米国で使えるプリペイドsimを購入した。米国は2Gの電波が飛んでいるので,sim2枚の同時使用ができるはず。それができれば日本で使っている電話番号も活かしながら,アメリカの国内通話とデータ通信が現地の値段でできるはずだ。どうなるかな




2015年3月17日火曜日

LHC再稼働!!

CERNのLHC実験から、ヒッグス粒子の発見が報告されたのが、2012年7月。早いものでそれから3年近く経とうとしている。LHCはその後、エネルギー増強のために、2年間運転を停止していた。2年間は長いな〜と思っていたのだが、運転再開が目前に迫っているというニュースが入ってきた。


実験再開も目前だ。
エネルギーは13TeV。2012年の1.5倍以上になった。何ができるのだろう?
今よりはるかにたくさんのヒッグス粒子を観測して、その性質を調べることは必須。ヒッグス粒子の本質にどこまで迫ることが出来るのか楽しみだ。
でも、多くの人が期待しているのは、新たな粒子や現象の発見だ。もし何か見つかれば、初めて素粒子の標準理論を超えた現象を地上で観測できたことになる。(標準理論を超えた何かがあるのは、暗黒物質や暗黒エネルギーなど、宇宙の観測から分かっている。)
超対称性粒子?暗黒物質?余剰次元?いろいろな可能性が考えられているが、こればかりはやってみないと分からない。

さて、私が携わっている、国際リニアコライダー(ILC)とLHCはどう関係するだろう。

LHCで新現象が見つかるか、そのヒントが見えたら。
その正体をめぐって、山のような予想がでることは間違いない。それが何ナニだったら、ILCではこうなる。ヒッグス粒子の性質にはこんな影響がある。などなど、ILCでできること、できそうなことに具体的な予想ができる。新現象の正体を完全に解明するには、ILCによる精密な測定とそこでの新現象の探索がとても重要になる。エキサイティングなことこの上ない。

LHCで新しいことが全く見つからなかったら。
ヒッグス粒子やトップクォークという、あまり分かっていない粒子の性質に標準理論を超えた「何か」のヒントが隠れている可能性は高い。ILCの精密な検証能力が存分に発揮される場面だ。
(ヒッグス粒子やトップクォークをILCで必ず調べることができるといのが,とても重要なのだ。)
もちろん、LHCでは見えなかった、新現象を直接見つける可能性も決して低くない。これもワクワクの3乗?くらい。

LHCで新しいことが見つかったときと見つからなかったとき、どちらがILCにとって面白いか? 面白いというのは主観なので、人それぞれだけど、、、
私は、、、、どちらも面白いが、強いて言えば、LHCで何も見つからず、ILCで全く未知のことを探求する方が楽しいのかな。。。。。

兎にも角にも、今から1年後、2年後、LHCは我々に何を見せてくれるのだろうか?
これを書いているだけで、なんだかワクワク、興奮してきた。
(〜〜〜当事者でないのが悔やまれる。。。)


2015年3月15日日曜日

僕のガジェット遍歴


最近,facebookの方で,Apple Watchは売れるかという話題をふったら,結構コメントがあった。
私はあまり売れないという予想なのだ。その理由はを挙げれば
ガジェットとして新しくない。
必ず必要な実用品ではない。
と思うからだけど,
実は,理由よりも,経験からくる感覚の方が大きい。
 以前からいろいろなおもちゃを使ってきたのだが,何を使っていたのかだいぶ忘れてきた。そこで忘れてしまう前に,まとめておこうと思う。




電子手帳(PDA)の時代

イメージ
ザウルスPI3000

まず電子手帳(PDA: Personal Data Asistanceと言っていた)
電子手帳のようなものを初めて使ったのはいつかは覚えていないが,記憶に残っているのは,シャープのザウルスだ。
たぶん,PI3000だと思う。

 「液晶ペンコム」というキャッチフレーズだった。1993年のことだ。ザウルスはかなり気に入っていてその後もいくつかつかった。たぶんカラーザーウルスMI-504は持っていたと思うのだが,当時(1997年)11万円??もしかしたら安価なモノクロ版(MI-100)だったかな? 最後に買ったザウスルはSL-A300 「私はこれ1枚。紙の資料はもう要らない。必要な資料を選んで持ち歩く」というコピーが懐かしい。(今みたいに,資料を何でも入れる容量はなかったのね。。)2002年ころの話だ。
Chrono bit .PCと接続する
クレードルが就いていた。
充電もこれでする。

そのころもう一つもっていたのが,腕時計型のPDA。最初に買ったのはカシオのデータバンク。これはいまでも,時計ショップで見ることができる。どれを持っていたのか正確なところは記憶にないけど,たぶんHotbizだったと思う。そのつぎに,結構使いこんでいたのは,エプソンのChrono Bit。2000年ころかな?これはOutlookと同期できるのがよくて,気に入っていた。スケジュールを入れておくと,バイブで知らせてくれる。腕時計だと気づかないことがないので助かる。これで命拾い?したことが数回あったような。こちらの方が懐かしい解説をされています。

話がPDAに戻るが,ザウルスの後は,CLIEを使っていた。これはアメリカでかなりはやっていたPalm PilotというPDAをソニーが日本向けに売りだしたもの。なんと言っても軽く小さくて,レスポンスが良かった。かなり長く使っていた。もっていたのはPEG-TJ25というモデル。これまで使っていた中でも,最良の一つだった。2003年発売。

このころになると,もう携帯電話を持つのが普通になってくる。するとPDAに携帯の機能がつけばどんなに便利だろうずっと思っていた。今で言うスマートフォンだが,まだそんな言葉もなく。せめてPCのメールが読める携帯はないものかと思っていた。そんなとき目に入ったのが,今はなきASLTEのAJ-51というPHS。これはPOPに対応していたので,大学のサーバにアクセスしてメールを読める。とても重宝していた。発売は2000年。ザウルスと同じころに使っていたのだね。
でも,ハードの能力が低くて,レスポンスなど,基本的機能が不足しているに耐えられず。普通の携帯(今で言うガラケー)に変えた。
その後しばらくは,普通の携帯+Chrono bitやCLIEという組み合わせですごしていた。


スマホ前時代


そううしているうちに,海外でスマホのような携帯が出始めた。でも日本に入ってくる様子はなく,指をくわえて見ているしかなかったが,ついに,ソフトバンク(その頃はvodafone)がノキアの取り扱いを始めた。これは飛びつくしかない。。ということで,702NKを購入。2004年のことだ。私にとってはやっと,だがたぶん国内でスマホ(のようなもの)を使っていたのはごく少数だろう。その後Sofbankになって705NKに機種変更。スイッチを入れたときの独特の動作音も気に入っていた。(日本で聞くことはまず無かったけど,海外出張の際にはちょくちょく耳にしていた)

Vodafone 702NK (ボルドールージュ)
702NK
SoftBank 705NK (Nokia N73) ライトサンド
705NKII
Docomobold.jpg
ブラックベリーボールド

 ノキアの携帯もなかな気に入っていて,PCと同期するためのクレードルも手に入れて,実用品として十分になじんでいた。
しかし,,,そこに,ドコモがブラックベリーの取り扱いを始めるというニュースが入ってきた。,,,オバマ大統領も使う,当時世界でも最も売れているスマホだ。どうしてもほしい。。。ということで,ドコモに機種変(2009年)。あこがれのブラックベリーボールドだった。qwertのキーボード搭載。gmailもプッシュで届くし,メールを書くのも十分に実用的という,当時としては画期的な携帯だった。だた,これを使うにはBlackBerry Internet Serviceという独自のサービスを使う必要があって,これとの接続がうまくいかないことがときどきあるのが,不満だった。

ついにスマホ,その次は?

そしてついに,スマホの時。ブラックベリーは良かったが,iPhone, Androidとタッチ操作の携帯が一気に普及。ブラックベリーはRIMという弱小会社のため,AppleやGoogleには太刀打ちできない。OSや製品の開発スピードが圧倒的にちがう。ブラックベリーも新製品がでていたので,そちらにするかどうか考えたが,当たらしもの好きが勝って,Android携帯(Galaxy)を選んで,今にいたっている。

さあ,次はなんだろう。私は実用重視なので,携帯に機能を詰め込むのは興味が無い。(iPad miniも持ち歩いている)それに,メジャー携帯会社の料金は高すぎるとおもっている。すると,安価な,スマフォ+MVNOのSIMかな,,,
でも考えてみると,常時携帯がネットにつながっている必要がどれほどあるかも疑問ではある。町中のWiFiが充実してきたので,それで十分かも知れない。
wifiにつながる何か(iPodとかタブレットの小さいのとか)と電話(とSMS)だけができるフィーチャーフォンはありかな。今,目をつけているのはこんなの,なのだが,日本国内に対応していないので,断念。どこかが,かっこよくて機能を絞ったフィーチャーフォンを販売してくれないだろうか(もちろんSIMフリーで)

そうだ、一言追記。
SIMフリー携帯の中には、二つのSIMをさせるものがあるのだけど、今のところ国内で2枚同時に使える携帯は無い。(正確には、3G通信の同時に待ち受けができない) これができると、通話専用のSIMとデータ専用のSIMを別々に選んで不自由無く使える。でも今は、2枚さすことはできるけど、いちいち使うSIMを切り替えないといけない。ネットサーフィン中は電話を受けられないわけだ。
ちなみに、3Gと2Gは同時に使える。海外で現地の2SIMを買って入れておくと、海外と日本両用にできる。
携帯の次のトレンドは3G(LTEも)+3G同時利用のdual simだと思うがどうだろう。



2015年3月8日日曜日

未来エネルギーフォーラムシンポジウム

3月2日に早稲田大学で
第11回未来エネルギーフォーラムシンポジウム
 ― 国際リニアコライダー(ILC)計画のもたらすもの ― 
が開催されました。
このフォーラムはその名の通り、未来のエネルギーについてのフォーラムで、開催11回を数えるというとても活発な活動です。
今回はILCに焦点を当てるという、未来エネルギーという観点からは少し異色とも思える題目ですが、中身を見ると決してそうではありません。ILCという基礎物理学の研究計画と産業界や社会の関わりを再認識する機会となりました。産業との関係ということで、先端加速器科学技術推進協議会(AAA)と共催する事になり、私はAAAの広報部会員の立場で企画に関わりました。
 当日は前日までの曇天とうって変わって好天に恵まれ、春を実感する気候でした。それは良いのですが、花粉の季節の始まりでもあります。会う人毎にその話題。花粉はすっかり季節の挨拶になりましたね。

シンポジウムの前半は講演が3つ。
 まず東京大学の駒宮幸男さんによるILCの物理と計画の状況の話。駒宮さんは前日の夜にアメリカ(ILCの重要な会議)から戻られたばかりでしたが、その疲れも感じさせず、いつものように歯切れの良い話を聞かせてくれました。

 その次は、日本創生会議の増田寛也さんによる、ILCと地方創生の関わりについての講演でした。このような話題は知識として聞いたことがあっても、具体的な話を聞く機会はあまりません。ましてやそれがILCとどうかかわるか,地域創生や少子化との関連についてなどなど,私にとってはとても新鮮なお話でした。
 東京は他の地域に比べて出生率が低く,日本の人口の減少傾向をくいとめるには,地方を元気にすることが大切なこと。そのために,学校や病院など新しい施設を核とした地方都市の創成が重要だと言うことです。ILCができたら国際研究都市としてその核となることができるでしょう。基礎科学の研究がこんな形でも社会の役に立つことができる。ILCはそんな大きな構想だと言うことを改めて考えされされました。

 3番目は日本アイソトープ協会の柴田德思さんによる,加速器(放射線)が生活に果す役割についてでした。実は柴田さんは私が担当している授業に来ていただいてお話をして頂いたことがあります。その時のお話がとても興味深く,今回の計画を考えているときに直ぐにお名前が浮かびました。お話の内容は,工業,農業,医療の分野でその様に加速器,放射線が浸透しているかについて実例や経済規模も交えてお話下さいました。街を走っている車のタイヤの多くが放射線処理で強化されているって,ご存じでしたか?



 後半は,産業界と加速器や検出器の関わりを,実際に業務携わっている方からその最前線のことを話していただきました。私は司会を務めました。ILCと深く関わる超伝導加速器や電子管の開発,MRI設備として医療現場には欠かせない超伝導電磁石の話,そして私のような素粒子実験に携わるものにとっては加速器以上に身近な測定器開発のこと。短い時間でしたが,どの講演もとても興味深いものでした。私は加速器科学の技術が実生活にも深く関わっていることをよく講義や講演会で紹介します。今回そのお話を現場の方から直接聞くことができて,次に話をする機会にはもっともっと力強く話すことができそうです。

夕刻からは懇親会。シンポジウムに参加された250人のほとんどが出席され,とても賑やかに会になりました。このような場での情報交換もとても有益ですね。予定の2時間があっという間にすぎました。


 ILCの講演会というと物理や加速器,測定器に関することが多いのですが,今回は産業や地方創生という社会との関わりに焦点を当てたものでした。その広がりの大きさを改めて実感するよい機会でした。ある方は,(もちろん冗談だと思いますが)ILCの意義というのは物理とかとんな些末な(??)ものではなく,実社会に多く換言する実産業なのだと言っています。
あながち冗談でもないかも。。。