2013年10月9日水曜日

キカイオンチ?

 今、KEKから広島に戻る機中。何気なく手に取った機内誌の、吉田修一さんという方の書かれた、空の冒険第49回キカイオンチ、と言う文章に目が止まった。この方,機械に弱いそうだ。それにまつわる経験が3つ紹介されている。
 一つは, ワイヤレスの扇風機のバッテリー充電スタンドに置きっ放しで,本体が動かなかった話。充電スタンドを電力をワイヤレスで送る装置と思い込んでいたとのことだ。2番目はプリンターのケーブルの差し込み不良に気づかず、本体を修理に出した例。3番目は、携帯の機内モードというのが何故あるのかつい最近までご存知なかったとのことだ。
 読み始めた時は、機械に弱いと言われる方が、どのよう体験をしているのか,それを通じて機械に弱い方が何故弱いか,その理由の一端が分かるかもしれないと思っていた。しかし,読み終えて考え込んでしまった。分からない。
 私は機械に弱い方ではない。自分で言うのもなんだが、どちらかと言うと強い方だと思う。でも、機械の用途や性能を勝手に決めつけて上手くいかなかったことは多々ある。扇風機の電力をワイヤレスで転送する装置は現実的でないとは思っていても,機械の機能や性能について勘違いすることはある。ケーブルの差し込みについても,つい最近カメラに入力した音がおかしいと業者の方に言ったらマイクジャックの差し込みが不十分で,業者の方から睨まれた。機内モードは知っているが、パソコンにしても何にしても知らない機能はいくらでもある。
  機会に弱い人と、(たぶん)そうでもない私は何が違うのだろう? 著者の吉田さんによると、機械のを信じ切っているがために、その精密な内部で何か計り知れないことが起こっていると考えるのだそうだ。それに上手くいかないとすぐに諦めて,修理センターに送ればいいと考えられるとのことだ。
2番目は確かに私の対応とは違うようだ。私の場合、まず自分でなんとかしようとする。取扱説明書をみたり、webで同じようなことが起きていないか調べたりすることをあまり苦にしない。でも精密な機会の内部で何が起こっているのか分からないことは別に珍しいことではない。
 なんだか,機会いに弱いと言われる方と,そうでもないと考えている私に本質的な違いは無いように思えてくる。ただ,私の場合,機械の動作がほぼ正しい(つまりうまく動かない時は自分が間違っている)と考える一方で,所詮は人が作ったものだから完璧であるはずはない,とも考える。そのバランスの問題なのだろうか?そのバランス感覚はどうやって養われてきたか。いろいろな機械いじりやコンピュータプログラミングなどの経験を通うじて身につけたと思う。先ほどの扇風機にしても,将来それが実現しても不思議ではない。ただ私は経験的に今は無い,というのを知っているだけだ。機械をいじることや,取り扱い説明書を苦にしないのも,経験の積み重ねが大きい。

結局このような経験をするしない,という分かれ道はどこなのか?分からない。。