2014年10月11日土曜日

国際リニアコライダー研究会(LSWS 2014)

2014年10月6日から10日まで,セルビアの首都ベオグラードで国際リニアコライダー研究科LCWS2014が開催された。この研究会はリニアコライダーのついての最も大きな研究会で,毎年アジア,欧州,北米の持ち回りで開催されている。今回は昨年の東京に続くものだ。
参加者は約200名。昨年の350名に比べて少ないのは,ベオグラードという場所の関係も影響しただろうか。事実,ここに来る前は少し緊張していた。空港をおりたら白タクに気をつけるようにとか,町中はスリが多いとか,いろいろと気になったのも事実だ。
私は,週初めに授業があったので,遅れて参加となった。ベオグラード空港につくと,早速タクシーの呼び込みが来たが,白タクと分かっていたので無視。直ぐに市内行きのバスが見つかった。それに乗って市内まで300ディナール(約350円)。
まだ午後だったが,24時間近い移動で疲れていたのと,翌日の話のスライドがまだできていなかったので,開場には行かず,ホテルで過ごすことにした。

数は少ないがこんな新型も
トラム,これは旧式

研究会は新市街のHyatt RegencyとCronwe Plazaという高級ホテルで開催されている。市内の物価は日本比べると大分安いのだが,ここは別世界。
研究会の会場はホテルからトラムで10分くらい。べーグラードの市内交通は,バスやトラムが充実していて便利だ。治安も心配するほどのことはなく,快適にすごしている。

研究会のポスター。LCWS14 の文字も
アルファベットとキリルアルファベットで
研究会は,現在のILCの状況を反映して,ILC実現へ向けた努力が大きなテーマとなっている。物理は,LHCとILCの相乗効果について,加速器はその建設に向けた工学設計が大きなテーマだ。特にILCの研究者間で候補地を日本の北上に絞ったのを受け,Conventional Facilityと呼ばれる,現地に合わせた施設設計の議論が非常に活発になっている。私は今やっている陽電子源についてのシミュレーションの状況を報告した。実は,このシミュレーション,結構手間取って,羽田ーフランクフルトの機内でも,パソコンで走らせていた。(かなり大きなプログラムだが,ノートパソコンでもそれほどの不自由なくできる時代になった)
 
今回は,私にはもう一つ大きな仕事があった。ILCの実現に向けた努力の一環として,
「多くの科学者がILCを必要と考えて,実際に日本にできたらそこで研究したいと考えている。」
ことを目見える様に示そうというプロジェクトが立ち上がった。
国立劇場の内部
そのために,研究会の参加者ひとりひとりからビデオメッセージをもらうことを計画した。これは結構大変。ILCをつくりたい,物理は重要と考えていても,カメラに向かってメッセージというと二の足を踏む人が多い。
KEKのOさんとヨーロッパのILCコミュニケータのBさんと協力して,後半の1.5日,呼びかけて回った。まだまだメッセージはほしかったがBさんのスケジュールの関係で撮影時間が短かったのが影響した。それでも多くの研究者が,カメラの前で話すのは苦手と言いながらも(実際にやると分かるが本当に難しい),ILCのためにと頑張ってくれた。まだ,これからだ。。


中を見渡したところ,2階席から見ようとしたら,制止されてしまった
研究会の最終日は旧市街にある国立劇場で開催。由緒ある美しいたてものだった。

 最終日は午前だけだったので,午後は旧市街を散策。セルビアといえば,磁束密度の単位に名を残す,ニコラ・テスラ。市内に博物館がある。電磁気学を担当している教員としては是非行かなくては。昼食後KさんとOさんと向かう。こじんまりした博物館だったが,モーターや変圧器など,テスラの発明品が展示されていた。あまり知られていないが,偉大な科学者だったことを実感した。ところで,博物館には知った顔が沢山。加速器の研究者としは,テスラに敬意を表さない分けにはいかないというところだろう。

右は,博物館をでて,ホテルに向かう途中の建物の写真だ。
NATO軍による爆撃のあと。
コソボ紛争のとき,NATO軍の空爆を受けた建物をそのまま残している。交通量の大きな交差点で,この建物(とその向かい)だけがピンポイント爆撃を受けたのがよく分かる。戦争の跡を目の当たりにしたのは初めてかもしれない。いまでも,ここから遠くない場所で紛争がある。昨日も頭上を戦闘機が飛んでいた。このような場所が世界に実在するのを実感した。

 ところで,ベオグラードの町は,トラムやバスが発達していて,移動はとても便利。値段も1乗車」100円くらい。10回分のプリペイドカードを町中にあるキオスクで買うことができた。旧市街を歩いていても特に問題なく,市内散策を楽しむことができた。でも,これを書いているのはベオグラードのホテル,20分後に日本に向けて出発だ。まだ旅は終わっていない。油断しないようにしなければ,,,

2014年10月9日木曜日

simを買ってみたーセルビア編

少し前になるが,イギリスとフランスでsimを買って,Pocket Wifiに挿して使った話をした。
「イギリスとフランスでsimを買ってみた。準備編実践編
今回出張でセルビアのベオグラードに来たので,ここでも挑戦。

(ところで,来た理由は国際リニアコライダー研究会LCWS2014に出席するためです。その話はまた後ほど。。)

さて,前もって調べて見ると,ベオグラードでも比較的簡単にsimが手に入るらしい。
3G 2100MHzとHSDPAに対応している。こらなGL01Pが使えそうだ。

セルビアの通信会社と設定は,

Telenor
   APN:internet
   ID:telenor
   Password:gprs

MT:S(Telecom Serbia)
   APN:gprsinternet
   ID:mts
   Password:064
   (こちらは,今回使わなかったので,設定情報は確認していない)

という二つが見つかった。(もう一つVipというのもあるようだ)

これが今回のsim
ベオグラードについてホテルの周りを歩いていると,KIOSKでMT:Sのカードを売っていた。しかし,通話用のものばかり。ネットで検索するとTelenorの支店は沢山あるが,ホテル直ぐ近くにはない。あきらめようかなっ,,と思ったが,研究会会場(Hyatto Regency)の直ぐ近くのショッピングセンターにあった。これならお昼休みに行けそうだ。当日になってみると何のことはない,お昼ごはんはそのショッピングセンターに食べに行くのが定番。

Telenorのショップに行って,モバイルルータのsimがほしいと言うと,店員さんから即答。1GBのデータ量で500ディナール(約580円)。十分だ。activateも店員のおねーさんがその場でやってくれた。1GBを使い尽くして追加したいときはショップに持って行けばOKらしい。

追加料金は,
300MB 300ディナール
1GB  800ディナール
2GB  1300ディナール

最初の購入時は500ディナールで1GBなので,1GB以下なら買い直した方が割安だが。。
ちなみに,データの使用量はsimを入れた状態でwww.telenor.rs/internetから確認できる。

simをいれて起動。
キャリアがTelenorになっている。
あとは,simをいれて(今度はイギリスの時のように失敗しなかった。) ,プロファイルは予め設定していたので,それに切り替えたら,直ぐにつながった。

実は今回,ホテル,研究会会場もWifi完備なので,それほど使うことはないのだけど,,,まあ良いか。。。