2013年6月13日木曜日

今日はしびれた~ILCセレモニー本番編~

 いよいよ,ILCセレモニー本番の開始,準備は整ったはず。18時, 本番だ。
まずネット会議の接続を確認。中国を呼んでみる。「ハロー」返事が無い,,,,何か言っているのは分かるけど,音が悪い。チャットで確かめるとこちらの音声は伝わっているみたい。後回しだ。インドを呼んでみる。数回練習した成果もあって,スムースに音声が伝わる。映像はまだ来ていない。

見切り発車のような形でセレモニーの開始。

この後,国外のネット接続仲間とチャットを通して怒濤のやりとが続く。( )はチャットのやりとり。実際は英語でした。

まずは,主催者の挨拶。KEKの野崎さん。日本語で挨拶。

(中国: 日本語音声しか聞こえないよ)
(インド: こちらも日本語だけだよ)
(私: 調べるから待って)

ぎょっとして,接続と設定をチェック。何もおかしくない。(今考えると,点滅すべきランプがしていなかったけど)。通訳席に行って,
「英語の音声きてますか?」 
「はい,先ほどうまくいった時から変えていません」
「カメラの入力をチェックしてみましょう」
カメラには確かに英語音声が入っている。私のパソコンの問題だ。

そうしているうちに,野崎さんの挨拶は終わってしまった。次は,東大の駒宮さんの講演。

(中国: まだ日本語だよ。 音声の再接続しようか)
(私: こちらの問題だらから待って)
(中国: 了解)

パソコンの設定をチェックしても何もおかしくない。ソフトの設定を認識できていないようだ。音声を最初からリセットしてもだめ。。。試しに,音声機器をいったん別のものに切り替えて,戻したらうまくいった。
これで英語が海外に伝わった。(野崎さんと駒宮さんの講演は日本語がそのまま海外へ、ごめんなさい)

(私: 英語!!)
(中国,インド: 英語が聞こえてる)

ふ~  

リニアコライダーディレクターのリン エバンスさんと,副ディレクターの村山さんの講演は,無事に終了。村山さんの早口の日本語は相変わらず,通訳泣かせだが,今回の通訳さんはうまい。ちゃんと訳せている。

さて,いよいよ,海外からネット会議を通してのメッセージ。最初は中国。
向こうの映像はよく見えている。。

こちらから
「こんにちは,お願いします」
「,,,,,」
返事がない。。

(私: 聞こえる?)
(中国: 日本からは聞こえてる)
(私: そちら聞こえないよ)

司会者さんも困ったようす。
「こんな時はどうすれば良いのでしょう」

横にいた関係者の機転でプログラムの変更。日本会場に来ている韓国代表の挨拶を先にしよう。

(私: 次の(日本会場の)の韓国の挨拶先にやるよ)
(中国: 了解。音声つなぎなおしてみる)

「予定変更  韓国(日本会場)->中国(ネット)->インド(ネット)」

(インド:結局順番は)
(私: 韓国(日本会場)->中国(ネット)->インド(ネット))
(インド:了解)

韓国の方の挨拶終了。中国だ

(私: 次は中国だよ)

「中国からのメッセージお願いします」

聞こえた! 

(私: とても良く聞こえる)

(私: では次はインド、準備して)
(インド: OK)

「次はインドからお願いします」

インドは音声,映像とも完璧

(私: すばらしい)
(私: どうもありがとう)

最後は山下さんによる日本からのメッセージ。同時通訳音声も問題なく。

(私: 次はヨーロッパだよ)
(欧: OK 準備できてるよ)
(欧: 映像 送ろうか?)
(私: OK)

ヨーロッパの担当者は手慣れている。。

さて,いよいよヨーロッパへのリレー。 スクリーンにはヨーロッパ会場にリーダーのフォスターさんをはじめ、関係者が映っている。
日本から,カメラに向かってバトンを投げる。アジアの主催者,山本さんが
「いくよ~~~」
バトンをそれ~~~日本からの映像にはバトンがとんで消えたように映る。
ヨーロッパの映像,フォスターさんに向かってバトンが飛んでくる。見事にキャッチ。
練習より100倍うまくいった。盛大な拍手!!

これにて終了。

シンポジウムとか,セレモニーとかなんどかやったけど,当日にこんなに緊張したのは初めてだ。

トラブルもあったけど,全体としてはまあなんとか,やりきったか。。。

 4時間後,ヨーロッパでセレモニーが始まった。
じつは,その4時間の間に,東京会場の様子を5分のビデオにまとめてヨーロッパに送るという,大作業があったのだ。Sさん始め関係者の見事な腕前と連携ですばらしダイジェストビデオができた。
日本時間深夜。ヨーロッパの開始を見届けて,お役御免。
ホテルに帰ってばったり。。


追伸: ここには,私の周りに起こったことだけを書いている。今回のセレモニー。準備段階から,ものすごく沢山の人が,とっても頑張ってやり遂げた。書けなかったけど。いっぱいドラマがあったのだ。。皆さんご苦労さまでした。

今日はしびれた~ILCセレモニー準備編~

今日(2013年6月12日)は国際リニアコライダー(ILC)のワールドワイドイベントだった。
以前、準備の様子を伝えた、この話の本番。
ILCの技術設計書の完成と,設計から実現に向けた始動を記念して,アジア,ヨーロッパ,アメリカで同じ日にセレモニーを行う。アジアでは,中国,インドと東京をネットでつないで,リアルタイムでメッセージのやりとりをした。言葉も,日本語は英語へ,英語は日本語への同時通訳。
問題は,ネット会議システムと同時通訳をどうやって両立させるかだ,,,,

一月くらい前に,中国,インドと東京を結んでリハーサルを行った。中国はOK。インドは音声はやり取りできたけど、相手の顔は見えない。こちらの映像は届いているようだ。その後、インドとは2回ほどテストを繰り返して、音声、映像とも確認。できることはやったつもり。
しかし、同時通訳の音声と会場に流れる音声とネットワークに流す音声をどうやって両立させるか?案は考えたが、同時通訳を交えてテストできるのは、当日の開始2時間前だ。(実際は1時間30分前だった) セレモニーは、当初の予想をはるかに超えて、40人以上の報道関係者、研究者、一般の方合わせて100名近い盛況だった。この状況で、「海外とはうまく行きませんでした」とは言えない。関係者一同緊張のうちに当日を迎えた。(もちろん事前準備も怒涛の忙しさだったが、それを書いていると終わらない。)

 さて当日、関係者は開演5時間前に集合、椅子の配置、指定席の設定、受付の準備などいつもの作業に、ネットワークの設定が加わる。
USTREAMを使った実況中継の準備、これも日英2チャンネル。経験があるので比較的順調。(でも一度なぜか配信が止まって、ちょっと手こずった。)

懸案のネット会議システムの設定だ。

1)会場のメインスクリーンに映像を投影するパソコン,
2)ネット会議の音声出力を会場のスピーカに送るパソコン,
3)会場の様子を海外に送るためのWebカメラ用パソコン,
4)ネット会議の映像を会場のサブスクリーンに投影するパソコン,
5)ネット会議のホストと通訳からの音声をネット会議へ送るパソコン,

合計5台をネット会議システムに接続。

ここで,ヨーロッパの仲間がつないできた。音声と映像のチェック。ヨーロッパとは,東京のセレモニーのあと,ヨーロッパへ引き渡す儀式行う。担当のTさんとBさん(ヨーロッパの方)の粋なアイディア。東京からバトン(かわりにポスターを丸めたもの)をカメラ向かって投げて,ヨーロッパ側で日本から飛んできたように受け取ろう。早速練習。こちらで投げるタイミングとヨーロッパ側で受け取るタイミングが難しい。なんどか練習して,まあちょっとずれても良いことにした。

後は同時通訳の音声の入出力テストだ。
開演1.5時間前,同時通訳からの音声のテスト。まずUstreamだ,日本語用カメラに音声入力。あれ?うまくいかない。入力レベルがおかしいのかな?何度やってもうまくいかないと思ったら,コネクタの接触不良だった。。これでOK。英語用のカメラは最初からしっかりコネクタを差し込んでOK。視聴テストもOKだ。
次は,ネット会議。パソコン5)に通訳からの英語音声を接続。2)のスピーカをON。すごいエコーだ!!ネット会議からの音声が会場のスピーカーを通して,5)へ,それから2)->5)->2),,,のループ。開演20分前。。。さあ困った。。。。これでは海外と接続できない。ここでSさんの助け船。このネット会議システムは,音声の出力と入力を別のパソコンでやるとうまくいかないらしい。そこで,2)の音声出力5)のパソコンへ移動。5)1台でネット会議音声の入出力をやっていみる。
うまくいったぞ。エコーが消えた。これでOKか?
と思ったのもつかの間。通訳さんは海外からの英語を日本語にするときは,5)->会場音声->通訳という経路で音を聞くことになるが,この音質が悪くてまともに通訳できそうにないとのこと。。。急遽通訳ブースにもパソコンを1台セットして,通訳さんもネット会議から直接音声を取ることにした。
これでOK。
開演10分前,,準備がととのった。

->本番編へ続く。


2013年6月2日日曜日

何とかまにあった

5月27日から31日までドイツ ハンブルグでリニアコライダー研究会が開催された。リニアコライダー の実現に向けた 新組織、LCCが発足して最初の大きな研究会ということで注目度は高いが、今日は別の話題。

この研究会、前期の真っ最中だ。授業のあい間を縫っての出席となる。5月31日(金曜日)午前10時30分からの授業に間に合うためにはどうすればよいか?よく使うヨーロッパを夕刻に出て、翌日の夕刻に日本に到着するスケジュールでは、ハンブルグを29日(水曜日)の午後に出発しなければならない。研究会は27日(月曜日)から。初日は全体会合だけなので、実質の議論は翌28日(火曜日)からだ。水曜日午後出発ではあまりにも寂しい。そこで;
30日(木曜日)午前9時30分ハンブルグ発。フランンクフルト乗継で31日(金曜日)午前6時20分羽田着という計画をたてた。これだと、7時55分羽田空港発、9時20分広島空港着。広島空港から大学まで車で30分なので、家人に迎えに来てもらえば、荷物の受け取り時間を考えてもギリギリ間に合いそうだ。

さて当日 。あっけないほど何事もなく成功。一昔前は、 何度か乗り継ぐと必ずなにかトラブルがあったものだが、信頼性の向上 素晴らしい。目には見えないけどこれも技術革新。
(ところで、このフランクフルトー羽田のANA便は、ボーイング787で運航していた路線。代替の777だったが、2日後だったら787の復帰 第1便だった。)

広島空港到着後は、髭を剃る時間も、シャワーを浴びる時間もなく授業へ。予習だけは羽田へ向かう機内で何とかやったが、実はこの回、昨年の卒業研究の学生くんの力作をお披露目する回だった。これは来週に持ち越しとなった。
授業後は、帰って寝たいところだったが、午後いっぱいWeb会議。翌土曜日も朝から県内出張。午後はまたWeb会議。そのせいか、今日(日曜日)は1日中寝ていた。
明日からまたいつもの一週間だ。早く寝よう(昼間寝ていたせいで眠くない。。。)