数日前、ソニーがPC部門を売却するというニュースを聞いた。2代続けてノートPCはVAIOだったが、次に買い換える時は違うのを選ぶことになるのだろうか。
このニュースを聞いて思ったのだが、以前からPCに限らずソニーの製品には「?」のつくところが目についていた。なんだかんだ言いながら、私はソニーの製品を結構使っている。その経験をまとめてみる。
最初に、?と思ったのは電子書籍端末リブリエだった。ソニーはアマゾンより数年早く、電子書籍端末を売り出し、電子書籍ストアも作った。ところが、その端末はBBeB というソニー独自のファイル形式を採用し、それしか読めなかった。時はまだ、電子書籍の黎明期。PDFやテキストくらいは対応するべきでなかったか?もっとびっくりしたのは、書籍ストアのやり方。60日(だったかな)限定のレンタルのみだった。これから電子書籍を広めて行く時に、このビジネスモデルは適切だったか。私はそれだけで買う気を失い、リブリエを買わなかった。
次の?は、ヘッドホンやブルーツースなのどの小物。ヘッドホンをブルーツースで聴きたくて(今とちがってこれも出始めた頃)ブルーツースの受信機を買った。これにヘッドフォンをさすとケーブルから解放される。本体は小型でかわいく、気に入ったのだが、付属のACアダプターがなんとも大きくて不細工。同じ頃
デジタルノイズキャンセリングヘッドフォンを買った。当時で4万円くらいした。これも本体の性能はなかなか良い。いまはQC15を使っているが、性能だけならば遜色ないだろうか。ところがこれも付属品が不細工。びっくりするくらい大きくてプラグが折りたためもしないACアダプター、なぜと言うくらい大きなキャリングケース。結局2年くらい使って今のQC15に乗り換えた。
その次は?カメラとビデオカメラ。カメラはいわゆるコンデジだ。これも本体の性能に不満はない。しかし、どうして充電・データ転送ケーブルが独自仕様なのだろう。ケーブルの一方はUSBで汎用のACアダプターに接続できるが、カメラ側はマイクロUSBに似ているが違う。ソニーの独自仕様なのだ。USBだったらどこでも買えて便利なのに。
ビデオカメラはシューアダプター。カメラにフラッシュなどを取り付けるアダプターのことだが、これもソニー専用の物しか使えない。こんなもの汎用仕様でなんの問題も無いだろうに。
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VAIO-Zのタッチパッドの位置。パソコンの中央だが,
キーボードから見ると右にずれている。キーボーのホーム
ポジションに手をのせると,タッチバッドの右に大きく掌が
被さる。 |
最後はノートパソコン。ずっと富士通のレッツノートだったが、かわいさに惹かれて
PCG-C1を購入。1998年にも関わらず,外部IOはUSBだけという割り切った設計だった。その次は
VAIO type Tが軽くて良さそうだったので購入。これは気に入っていた。でもちょっと小さすぎたので、キーボードが標準に近いVAIO-Zにした。そしたら、キーボードは大きいけど打ちやすくなったとは言えない。びっくりしたのは、タッチパッドが明らかに悪くなっていること。キーボードを打っていると、いつの間にかカーソルがどこかに飛んでいる。Webで検索すると、困っていたのは私だけではなかった。皆さんタッチパッドの感度設定の工夫をされている。ディフォルトの設定で使い物にならないというのはどういうことだろう。それだけではなかった。タッチパッドの中心がキーボードの中心(GとJの間)から右にずれている。パソコンの中心なのだ。これではどうしてもキーボードを打つ時に手があたる。タッチパッドの有感領域をずらしたり、いろいろ工夫したが、結局外付けマウスは必須という状況だ。
VAIOーZにはまだある。今回ACアダプターを追加で一つ購入した。ACアダプターにUSB充電端子がついているという優れもの。これがあれば、携帯とかiPadの充電ができるので、出張にはとても便利だ。ところが、惜しいことに電源ケーブルを出す方向がUSB端子側なのだ。USBケーブルと電源ケーブルがかち合ってイマイチ美しくない。これを使うたびに残念な気持ちになる。
いろいろと書いてきたが、いつも本体の性能やアイディアは良いのだ。しかし、付属品や入力機器なのどの周りが良くない。総合的な製品としての試験が不十分なのだろう。社内の部署が縦割りで総合試験ができないのか? 画竜点睛を欠いている。これが最近のソニーの不調の原因とまでは言えないだろうが、ひとりのソニーユーザー(これだけ使っているのだからファンと言っても良い?)としての感想である。