tag:blogger.com,1999:blog-90724976338187381352024-03-14T19:07:27.080+09:00タイマー3分素粒子物理を研究しています。ツイッター(@tohru_takahs)では日常のもろもろをつぶやいています。Facebookページは http://www.facebook.com/tohru.takahs 以前のブログがノートになっています。
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ブログのタイトルは,最近スマートスピーカによく言ってる言葉です。「OK Google タイマー3分」高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.comBlogger135125tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-21844272030584930542023-08-17T16:26:00.004+09:002023-08-17T16:31:52.548+09:002023年8月16日新幹線大混乱体験記<p> <span style="background-color: white; color: #050505; font-family: inherit; font-size: 15px; white-space-collapse: preserve;">今日(2023年8月17日)も新幹線はダイヤが乱れているけど、昨日(2023年8月16日)帰省の記録。長い駄文です。。。</span></p><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">9時59分発、東広島から広島乗り継ぎで小倉へ向かう。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">東広島発のこだまが5分遅れ。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">広島でのぞみへ5分の乗り継ぎ、、どうなるかな?</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;"><span style="font-family: inherit;"><a style="color: #385898; cursor: pointer; font-family: inherit;" tabindex="-1"></a></span>広島駅でこだま下車、東広島方面をみると、後続(乗り継ぎ予定)ののぞみが本線上で停止して入線をまっている。珍しい光景だ、、、</div></div><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">5分遅れののぞみに乗車。つぎは新山口、、とおもってたら徳山で停車。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">静岡地区大雨で運行停止。博多折り返しの上り列車が出発できず。博多駅、博多車両基地が満杯で下りも運行できなくなった。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">JRサイバーステーションでみるとほぼすべての列車が駅に停車中</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">しばらくして山陽新幹線は博多ー新大阪で運転を再開</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">乗車のぞみもまず徳山から新山口まで移動。そこでしばらく停車のあと、新下関まで動いて再び停車。2時間おくれて小倉へ到着</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">(特急券払い戻し対象だ。。)</div></div><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">夜帰るために</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">小倉駅へいってみると、みどりの窓口長蛇の列、ツイッタでは博多駅が大混雑のツイート多数。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">博多へ帰る娘は在来線を選択、ソニックで博多へ向かった。</div></div><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">さて東広島に帰る私と家内は、、、</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">新幹線改札口付近にいくと数時間遅れたこだまの表示。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">EX予約にアクセス(混雑のため数分まって)すると、遅れた列車の予想時刻がでている。定刻をすぎていても予測時刻が表示されている列車のチケットは購入できる。素晴らしい。。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">のぞみで広島へいってもそこでこだまに乗り換えできるか不明。小倉ー東広島のこだまのチケット購入とおもったら指定席がほぼ満席、なんとか席を離して予約した。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">乗車すると指定席はがらがら。この日はもともと予約でいっぱいだったけど、ダイヤが乱れた(このこだまは4時間遅れ)のでみな別の列車に乗ったのだね。</div></div><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">定刻小倉発16:12、4時間遅れの予想発車時刻20:19</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">こだま860に乗車</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">これで途中多少おくれても帰れるつもりだったが、、</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">広島の手前で信号停止。広島駅に入線停車した後に</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">「広島で運行打ち切り」のアナウンス。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">下車するとホームにはマツダスタジアム帰りの赤い人多数。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">ホームでは、次のこだま862も広島で打ち切り、その後のこだま864が岡山まで運行するのでそれに乗り換えろとのこと。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">しかし、私たちの降りた列車がホームに止まったまま動かない。それだと後続のこだまが入線できない。。。。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">広島車両基地が満杯なのか、、、</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">しばらく待っていると、広島始発のこだまが入線。これに乗ってなんとか午後11時ころ帰着</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">小倉から東広島まで2時間30分くらいかかった。まあ予定より1時間くらいおくれただけなのでまあ良いか</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;"><br /></div></div><div class="x11i5rnm xat24cr x1mh8g0r x1vvkbs xtlvy1s x126k92a" style="background-color: white; color: #050505; font-family: "Segoe UI Historic", "Segoe UI", Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 15px; margin: 0.5em 0px 0px; overflow-wrap: break-word; white-space-collapse: preserve;"><div dir="auto" style="font-family: inherit;">感想</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">行きも帰りも、車掌さん駅員さん頑張ってたなあ。おかげでそれほど不安も感じずすごせた。現場の危機管理はよくできていたと思う。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">JRサイバーステーションですべての列車の運行状況がモニターできりのは便利。</div><div dir="auto" style="font-family: inherit;">EX予約で遅れた列車の予約ができるのは知らなかった。これも良かった。おかげで窓口の列を回避できた。</div></div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-82992276765228176732023-08-15T20:08:00.005+09:002023-08-17T15:55:28.959+09:00核なき世界についてChatGPTに聞いてみた<p> 今日は2023年8月15日終戦の日。授業の関係もあって毎年この時期になると戦争や平和,核兵器について考える。</p><p>今年の8月6日の広島平和近年式典では広島市長が核抑止論は破綻していると語った。核抑止論について意見はいろいろあるが、現在社会に核兵器があるのは事実だ。第2次世界大戦後の社会の形成に核兵器が影響したのも事実だろう。現在の世界に核兵器があることを踏まえて,それが無い世界とはどのようなものか考える必要があると思う。その考察は多義に渡るが,昨年末から世間を騒がしている生成AIに入力したらどのような回答が返ってくるだろう。これは昨年まではできなかったことだ。やってみよう。</p><p>以下<span style="color: #b45f06;"><b>オレンジ</b></span>は私がChatGPTに入力したプロンプト,黒がChatGPTの回答。なおChatGPTはGPT-4を使っている。</p><p><span style="color: #b45f06;"><b>あなたは安全保障の専門家です。軍事技術と国際関係のエキスパートです。</b></span></p><p>はい、私は幅広いトピックに関する知識を持っており、安全保障、軍事技術、国際関係に関する質問に答えることができます。どのようにお手伝いできますか?</p><p><span style="color: #b45f06;"><b>核兵器を廃絶した場合、核抑止がなくなります。核なき世界はどの様な世界か、軍事、国際関係の観点から述べて下さい。</b></span></p><p>核兵器を廃絶するという考えは、理論的には理想的に見えるかもしれませんが、実際には多くの複雑な問題や課題を持っています。核兵器の廃絶がもたらすであろう影響について、軍事・国際関係の観点から考察します。</p><p><b>軍事的なバランスの変動:</b> 現代の大国間の戦略的バランスは、核抑止に基づいています。核兵器の廃絶はこのバランスを崩し、従来の軍事力が再び重要になる可能性があります。</p><p><b>再軍備競争:</b> 一部の国家は、核抑止力がなくなったことで他国に対する脅威を感じるかもしれません。その結果、非核兵器による再軍備競争が起こる可能性があります。</p><p><b>局地的な紛争の増加:</b> 核抑止のおかげで、大国間の全面戦争は抑止されてきました。核抑止がなくなれば、局地的な紛争や大国間の直接的な衝突が増加するリスクがあるかもしれません。</p><p><b>安全保障の保証: </b>核兵器廃絶後、国際的な安全保障のメカニズムが新たに必要となるでしょう。これには多国間の合意や新たな国際的な取り決めが求められる可能性があります。</p><p><b>不正確な核廃絶: </b>完全な核兵器の廃絶を確認するのは困難です。一部の国が秘密裏に核兵器を保持している可能性が常に考えられるため、信頼性の高い検証機構が必要です。</p><p><b>非国家主体の脅威:</b> 核廃絶の過程で、核材料や技術が不正確なルートで流出するリスクが考えられます。非国家主体やテロ組織がこれらを入手することは大きな脅威となるでしょう。</p><p></p><p>総じて、核なき世界は一見平和的に見えるかもしれませんが、それには多くの課題や新たな脅威が伴います。そのため、核兵器の廃絶を目指す際は、これらの問題を真剣に考慮する必要があります。</p><p><span style="color: #b45f06;"><b>上述の観点を踏まえて、今より紛争が増えない、紛争による犠牲者が今より増えない核なき世界はどの様な世界と考えられますか。</b></span></p><p>紛争が増えない、かつ紛争による犠牲者が増えない核なき世界を実現するためには、以下の要素が考えられる世界像が必要です。</p><p><b>強固な国際協力体制: </b>国家間の信頼を基盤とした、効果的で強固な多国間の協力体制が存在すること。これには、国際的な安全保障の機構や紛争解決の仕組みの強化が必要です。</p><p><b>透明性と説明責任: </b>国家の軍事活動や兵器の開発に関して、透明性を持ち、国際的な監視や検証機構に従事する姿勢が必要です。</p><p><b>教育と文化交流: </b>紛争の原因となる誤解や偏見を減少させるために、教育や文化交流が積極的に行われ、国際的な相互理解が深まる環境が形成されていること。</p><p><b>経済的繁栄と公平性: </b>資源や経済的利益を巡る競争や対立が減少するため、公平な貿易体制や資源の共有、経済的な協力が行われていること。</p><p><b>技術の発展: </b>高度な監視技術や防御技術が普及しており、潜在的な脅威を事前に検知・回避する能力が向上していること。</p><p><b>非暴力の原則: </b>紛争解決の手段として、非暴力の原則が広く受け入れられ、実践されていること。</p><p><b>地域的な安定性: </b>地域的な安定を保持するための協力機構や同盟関係が強固で、地域的な対立や緊張を未然に防ぐ取り決めや仕組みが整っていること。</p><p></p><p>このような条件が満たされた状態で、核兵器が廃絶されることで、紛争が増えず、紛争による犠牲者が増えない核なき世界が実現すると考えられます。ただし、これらの条件を整えるためには、国際的な取り組みや長期的な努力が必要です。</p><p><span style="color: #b45f06;"><b>紛争を増やさない為の、核に変わる抑止力の可能性の観点から述べて下さい。</b></span></p><div><div>核抑止力の代わりとなる抑止力を確立するためには、以下のような手段や戦略を考えることができます。</div><div><br /></div><div><b>先進的な防衛技術: </b>ミサイル防衛システムのような、敵の攻撃を中和する技術の開発と配備は、侵略のリスクを下げる可能性があります。</div><div><br /></div><div><b>強固な同盟関係: </b>複数の国家が同盟関係を強化し、相互の安全を保証することで、外部の脅威に対する抑止力として機能することができます。</div><div><br /></div><div><b>経済制裁の脅威: </b>経済制裁は、物理的な攻撃を伴わない抑止力の一つとして機能します。国際的な経済的関係の深化が進む中、重大な制裁は大きなダメージを与えることができる。</div><div><br /></div><div><b>情報戦略: </b>高度なサイバー能力や情報戦略を持つことで、敵の脅威に対して先手を打つことができる。サイバー攻撃の脅威も新たな形の抑止力として働くことが考えられます。</div><div><br /></div><div><b>国際的な紛争解決機関: </b>紛争が発生する前に、中立的な立場から紛争解決を行う機関が存在することで、実際の衝突のリスクを下げることができます。</div><div><br /></div><div><b>軍事的な能力の透明化: </b>各国が自国の軍事的な能力や戦略を透明化することで、誤解や不信感を減少させ、不必要な武力競争のリスクを下げることができます。</div><div><br /></div><div><b>非核の戦略兵器: </b>伝統的な兵器や新たな技術を組み合わせて、核兵器と同等の戦略的価値を持つ兵器の開発も一つの選択肢となるかもしれません。</div><div><br /></div><div>これらの抑止力を核の代わりとして採用する際、それぞれの手段や戦略がもたらす可能性のあるリスクや課題も慎重に評価する必要があります。核に代わる抑止力の実現には、国際的な協力や取り決めが不可欠であると考えられます。</div><div><br /></div></div><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-1036749226101805442023-05-09T15:07:00.008+09:002023-05-09T15:10:50.605+09:00新型コロナから3年。教員の視点,親の視点<p> </p><p class="MsoNormal"><span lang="EN-US">2023</span>年<span lang="EN-US">5</span>月<span lang="EN-US">8</span>日,新型コロナウイルスが第<span lang="EN-US">5</span>類となりました。インフルエンザなど同じ扱いになったのです。
新型コロナウイルスの流行の始まりから約<span lang="EN-US">3</span>年が過ぎました。この機会に当時,<span lang="EN-US">2020</span>年春のことを書いておこうと思います。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><o:p> </o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"> 新型コロナウイルスのことが気になり始めたのは<span lang="EN-US">2020</span>年明けてすぐのことでした<span lang="EN-US"> 1</span>月は ニュースを聞きながらもまだそれほど大きな影響を及ぼすとは思えず,まさか<span lang="EN-US">4</span>月以降の生活が一変するとは思ってもいませんでした。
でも<span lang="EN-US">2</span>月になるとなんとなく様子が決まって違ってきました。当時の<span lang="EN-US">Facebook</span>を「ぞくぞくと研究会中止の連絡が入ってくる」と投稿しています。もしかしたら<span lang="EN-US">4</span>月から大学の授業が大きく変わるかもしれないと考え始めたのもこのころです。 <span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">しかしそのころは,新年度のことを検討しておかなければならないと思いながらも一方で「影響があるにしても<span lang="EN-US">4</span>月になると大学には新入生が入学し研究室には新しい<span lang="EN-US">4</span>年生が来て,ほぼ通常通りの活動ができるのではないか」そんなことを考えてみました。」<span lang="EN-US"> <o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><o:p> </o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span> 一方私生活ではちょうど
娘が大学入学の年でした。<span lang="EN-US"> 3</span>月の初めに幸運なことに合格通知を受け,新しい生活の準備をしていました。<span lang="EN-US"> 2020</span>年の<span lang="EN-US">3</span>月の初めの頃のことです。近くの家具屋さん電気屋さんに行って新しい家具や電気製品の購入,その配送の手配をしていました。
その頃はすでに<span lang="EN-US">4</span>月から本当に新しい場所での生活ができるかどうか疑問も浮かんでいたのですが,手配はしておかなければいけない。
まあ結局引っ越しはすることになるのだろう,,そう考えていたのも事実です。</p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span>大学の話に戻ります<span lang="EN-US"> 2</span>月の下旬になってくると<span lang="EN-US">Facebook</span>の投稿にもコロナのことが突然増えています。出席を予定していた<span lang="EN-US">5</span>月のフランスでの研究会からも中止の連絡が来ました。<span lang="EN-US">4</span>月からは学生が通学しての授業ができなくなる可能性も考え始めました。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span>もしそうなった時にどうなるのか
それについて検討を始めなければいけない頃ではないか?周りの人と そろそろ 検討しなければいけないねということをやり取りしていました。</p>
<p class="MsoNormal">大学の教育情報化推進会議の方に検討の提案をしてみたりもしました。しかし私から見ると十分な検討が始まっていると思えず。いらいらしながら大学の状況を見ていました。数年前までは<span lang="EN-US">e</span>ラーニング推進会議という大学の中<span lang="EN-US">ICT</span>の活用を考える会議の議長をしていたので,もしその会議が続いたら何かそこで提案できたのに,,,なんて考えていました。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US">2020</span>年<span lang="EN-US">3</span>月<span lang="EN-US">12</span>日の<span lang="EN-US">Facebook</span>投稿です,<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">「<span lang="EN-US">4</span>月からの授業形式がまだ決まっていない。特に自宅外の新入生は引っ越してきたが良いが,授業は無い,あってもオンラインのみ,サークルもないでは,精神的に持たない。対面で授業ができない時は,自宅などこれまでの環境を維持するように通達しないと,大変なことになるのではないか」<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">「一昨年の水害の対応。<span lang="EN-US">H</span>大学はかなり素早くて評価していたのだが,,,」<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">かなりいらいらしていますね。。</p>
<p class="MsoNormal">そうこうするうちに<span lang="EN-US">3</span>月中旬になってようやく新型コロナウイルスの中での授業を検討する学内のタスクフォースが立ち上がりわたくしもそのメンバーとして終わることになりました。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">当初大学はリモート出身の授業するにしても<span lang="EN-US">1</span>週間くらい遅れて授業医を始められるそのようなことを考えていたようです。しかし実際のところはそんな簡単ではありません。遠隔授業を行うには学生に学生の下宿アパートまた自宅インターネットの充分な環境が整っているかそのようなことも考えなければいけません。
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"> それよりも何よりも教員がそのやり方を知らないのです。もちろん遠隔会議システムだけではできません。いわゆる<span lang="EN-US">Learning Management System (LMS)</span>という,教材を置いて受講生と共有したり,小テストのようなことを行ったり,成績を集計したりするシステムを使わないと遠隔だけの授業はできません。率直なところそのシステムを使ったことがある教員非常に少数だったのです。
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal">広島大学では<span lang="EN-US">Bb9</span>という<span lang="EN-US">LMS</span>を使っていたのですが,その使いかたを教員に学んでもらわなければなりません。<span lang="EN-US">4</span>月に入ってようなく理学部の教員向けの講習会が開催されました。 でも,その時に来てくれた講師の人は,いきなり「こういう機能ある」とか,「練習問題こういうふうにつくる」とか,そのようなことを話し始めました
。ところがそれを聞いてる教員はチンプンカンプンです。そもそも<span lang="EN-US">LMS</span>が何なのか全く知らない。ログインしたらどんな画面が出てくるのか?その出てくる画面の意味はそもそも何なのか?そんなことをまったく知らないのですから,中身の説明なんて理解できるはずがありません。
その会合が終わった後,慌てて物理学科の教員の方々にもう一度集まっていただいて,<span lang="EN-US">Bb9</span>基本の基から説明をしたのを覚えています。</p>
<p class="MsoNormal"> 本学ではマイクロソフトの<span lang="EN-US">teams</span>と言うアプリを使っています。これはウェブ会議をしたり,授業の情報交換のための投稿をしたり,ファイルを置いたりと,さまざまな機能を持ったシステムです。それまではほとんど使われていなかったものなのですが,みなが使えるようにならなければいけない状況に追い込まれたわけです。そこで理学部で遠隔授業やコロナ対応の情報交換をするための理学部の教員向けチームをつくってそこで情報交換をすることにしました。<span lang="EN-US">Bb9</span>の使い方,チームの作り方,録画の<span lang="EN-US">LMS</span>のアップロード仕方などなど,いろいろな情報交換をして少しでも教員の授業の役に立つそういうことをやってみました。</p>
<p class="MsoNormal"> 一方で<span lang="EN-US">2</span>月,<span lang="EN-US">3</span>月ころ,日本語を解さない外国から来た教員の皆さんへの情報が全く不足していることを伝え聞きました。<span lang="EN-US">3</span>月の<span lang="EN-US">Facebook</span>投稿に「ここは<span lang="EN-US">SGU</span>ではなかったのか」というのがありました(<span lang="EN-US">^^</span>。コロナの影響で授業がどのようになるのか,どうすればいいのか,そのような情報がほとんど外国人教員の方には伝わっていないということがわかりました。そこで外国人教員の皆さんを対象にした情報交換のチームを立ち上げて,大学から日本語で出ているいろいろなアナウンスメントの説明をしたり,遠隔授業の情報を伝えたりしました。少しは皆さんの役に立てたのではないかと思っています。大学からの情報が英語で提供されるようになり、情報提供という役目はほぼ終了しましたが、そのチームは現在でも情報交換を行っていいます。</p>
<p class="MsoNormal"> 新入生を迎えるのも大変でした。新入生がネット環境で授業を受けるためには大学のアカウントを取得して,そこにアクセスできるようにしなければなりません。本学では必携パソコンといって,学生全員が自分のパソコンを持つことになっているのですが,そのパソコンをまず入手しセットアップしてネットから学内のリソースにアクセスできるようできるようにしなければなりません。それをどうするのか大きな課題でした
。幸運なことにたった一日ですが,<span lang="EN-US">4</span>月に入って新入生向けのガイダンスを対面で行うことができました。その一日を使って新入生の皆さんにこれからの授業のこと,遠隔授業のこと,などの説明をおこないました。いまでもそのときのことをよく覚えています。
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"> 私自身も大学の新入生の保護者でした。新入生の抱く不安,その保護者が持っている不安,とてもよくわかりました。新入生ガイダンスで「皆さんが最も安心して安全で完全に授業を受けられる場所から授業を受けてください」そう強く言ったのを覚えています</p><p class="MsoNormal">個人的は,遠隔授業や<span lang="EN-US">Bb9</span>を使った授業をずいぶん前から行っていたので,実は遠隔授業の実施にそれほどの負担はなかったのです。率直に言うとやり方はよく知っていました。でも大半の教員はそうではありません。「授業を録画してそれを<span lang="EN-US">Bb9</span>にアップロードして見ることができるようにせよ」そう言われても大変なのです。皆さん大変苦労したと思います・なんとか乗り切らなければいけない。その思いで授業を始めたのはもう<span lang="EN-US">5</span>月連休が過ぎていたでしょうか。 <span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p><table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><tbody><tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhoOuD2LnNNGF7nSx7r1jcprizploCNrmr4Bb0I2eA1Wsx6DCXsiKghYm9jfZRRleTf1DfJ6JIH42xQvaoBXhYvrlBbIuhglvZLkaCLf7jLQ8dRndLC8yaFvW3haWJpJHVYd8BFTxfh2LnZNRsU3BjZJ4Fjjul0sh7hOCC1eL7geqLwi3EIJ3P40outeg/s843/96756057_2993484430737094_5764904434123407360_n.jpg" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" data-original-height="523" data-original-width="843" height="199" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhoOuD2LnNNGF7nSx7r1jcprizploCNrmr4Bb0I2eA1Wsx6DCXsiKghYm9jfZRRleTf1DfJ6JIH42xQvaoBXhYvrlBbIuhglvZLkaCLf7jLQ8dRndLC8yaFvW3haWJpJHVYd8BFTxfh2LnZNRsU3BjZJ4Fjjul0sh7hOCC1eL7geqLwi3EIJ3P40outeg/s320/96756057_2993484430737094_5764904434123407360_n.jpg" width="320" /></a></td></tr><tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">筆者の居室からの遠隔授業のセット</td></tr></tbody></table><p></p>
<p class="MsoNormal"> 個人的な面をお話しましょう。娘が大学一年生になりました。でも対面授業は全くありません。アパートを借りたものの引っ越しは延期。家財道具一式は電気屋さんや家具屋さんの倉庫に一時取り置きになってしまいました。娘は大学から遠隔授業の受け方や大学のアカウントの取得方法,ログインの仕方などを大学からの情報で習得する必要がありました。入学してから半年間,一度も大学に行きませんでした。アパートを決めるときに大学の近くまで行ったのですが,その時にはもうキャンパスは立ち入り禁止。大学に行ったのは入学試験の時だけという状況でした。
入学後半年間,自宅から遠隔授業を受け続けるということになりました。おかげで私も少しだけ他大学の遠隔授業の様子を見ることができました。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p class="MsoNormal"> 想像していたことですが,遠隔授業のやり方は教員によって大きく違います。慣れている人,慣れていなくてもこういうものに強い人,一方で<span lang="EN-US">IT</span>系には全く弱い人,いろいろな教員がいます。他人事ではありません。本学も似たり寄ったりのはずです。提供する授業の質の担保ということ考え続けることになりました。結局娘は,入学後半年経ってから大学近くのアパートに引越しました。半年間家賃だけを払い続けていたのです。でも授業の大半は遠隔授業,実験などどうしても対面で必要なときだけ,たぶん週に一日通学する程度。そのようなことが続いていたようです。サークル活動もほとんどできません。なんとかリモートでサークルに参加しミーティングだけ行われていたようです。でもサークルやクラブ活動というのは対面でみんなが集まってやることが基本。それが楽しいわけです。それができない学生は全国(いや全世界)にいる。授業だけでなく,影響は非常に大きいことを実感していました。</p><p class="MsoNormal"> 教員としてはできることはやっている。そのために大きな努力を払ってそのことは知っていました。一方で保護者としては,「それ以前の授業とは違う」「大学生活ができることが全く違っている」というのが率直な思いでした。保護者の立場から言えば授業料を返してほしいと言いたくなるような気持ちが無かったとは言えません。</p>
<p class="MsoNormal"> その後,今に至るまでいろんなことがありました。<span lang="EN-US">2023</span>年の<span lang="EN-US">5</span>月,ほぼ通常の社会生活となって大学もほぼ通常の授業の体制に戻りました。<span lang="EN-US">2020</span>年の<span lang="EN-US">4</span>月に入学した新入生はもう<span lang="EN-US">4</span>年生になっています。最終年度です。この<span lang="EN-US">3</span>年間かどういう学生生活だったのかとても気になります。最後の学年,大学生として充実した活動をして,少しでも有意義な大学生生活だったと感じて卒業してもらいたいと思っています。
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-29948949454839340152023-04-29T17:17:00.004+09:002023-04-29T17:17:28.100+09:00AI技術の進化 - GPT-4による驚きの可能性と懸念<p>この記事はChatGPT(GPT-4)に以下のプロンプトを入力して出てきた結果です。そのまま掲載します。</p><p><b>****ここがChatGPTに入力した文章***</b></p><div class="w-[30px] flex flex-col relative items-end" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; align-items: flex-end; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; color: #343541; display: flex; flex-direction: column; font-family: Söhne, ui-sans-serif, system-ui, -apple-system, "Segoe UI", Roboto, Ubuntu, Cantarell, "Noto Sans", sans-serif, "Helvetica Neue", Arial, "Apple Color Emoji", "Segoe UI Emoji", "Segoe UI Symbol", "Noto Color Emoji"; font-size: 16px; position: relative; width: 30px;"><div class="relative flex" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; display: flex; position: relative;"><span style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; background-attachment: initial; background-clip: initial; background-image: none; background-origin: initial; background-position: initial; background-repeat: initial; background-size: initial; border: 0px; box-sizing: border-box; display: inline-block; height: initial; margin: 0px; max-width: 100%; opacity: 1; overflow: hidden; padding: 0px; position: relative; width: initial;"><img alt="User" class="rounded-sm" data-nimg="intrinsic" decoding="async" src="https://chat.openai.com/_next/image?url=https%3A%2F%2Flh3.googleusercontent.com%2Fa%2FAGNmyxaufVHiW0h3qpjIrUtl6_smaULszppeNurMqD74%3Ds96-c&w=96&q=75" srcset="/_next/image?url=https%3A%2F%2Flh3.googleusercontent.com%2Fa%2FAGNmyxaufVHiW0h3qpjIrUtl6_smaULszppeNurMqD74%3Ds96-c&w=48&q=75 1x, /_next/image?url=https%3A%2F%2Flh3.googleusercontent.com%2Fa%2FAGNmyxaufVHiW0h3qpjIrUtl6_smaULszppeNurMqD74%3Ds96-c&w=96&q=75 2x" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; border-radius: 0.125rem; border: none; box-sizing: border-box; display: block; height: 0px; inset: 0px; margin: auto; max-height: 100%; max-width: 100%; min-height: 100%; min-width: 100%; padding: 0px; position: absolute; vertical-align: middle; width: 0px;" /></span></div><div class="text-xs flex items-center justify-center gap-1 invisible absolute left-0 top-2 -ml-4 -translate-x-full group-hover:visible !invisible" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; 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--tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; align-items: flex-start; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; color: #343541; display: flex; flex-direction: column; font-family: Söhne, ui-sans-serif, system-ui, -apple-system, "Segoe UI", Roboto, Ubuntu, Cantarell, "Noto Sans", sans-serif, "Helvetica Neue", Arial, "Apple Color Emoji", "Segoe UI Emoji", "Segoe UI Symbol", "Noto Color Emoji"; font-size: 16px; gap: 1rem; min-height: 20px; overflow-wrap: break-word; white-space: pre-wrap;">以下のことは現時点での私がChatGPTを使って思ったことです。これを元にブログ記事を作成してください。
"非常に自然な言語で応答する。
特にGPT-4になってから性能が向上した
計算問題を含む物理の問題についてもかなり正確に答えを返し,試験問題として採点すると物理学科の学生の平均以上の得点をだたす。
歴史的事実関係や地名などはとんでもない間違いを返すことがある。
情報のとりまとめの,会合の進行次第の提案にはかなり役に立つ。
文章の添削や翻訳も得意。
学生が課題や作文へ利用することに懸念がある。しかしChatGPTを有効につかって
文章をよくすることができる。とくにCHatGPTと
やりとりを繰り返すことによって答えを洗練することができるがこの場合,学生個人とChatGPTの役割を分離することが難しくなってくる。”
<b>*****ここからがChatGPTの出力,そのまま修正無しで掲載****</b><b><br /></b></div><div class="min-h-[20px] flex flex-col items-start gap-4 whitespace-pre-wrap break-words" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; align-items: flex-start; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; display: flex; flex-direction: column; gap: 1rem; min-height: 20px; overflow-wrap: break-word;"><span style="color: #343541; font-family: Söhne, ui-sans-serif, system-ui, -apple-system, Segoe UI, Roboto, Ubuntu, Cantarell, Noto Sans, sans-serif, Helvetica Neue, Arial, Apple Color Emoji, Segoe UI Emoji, Segoe UI Symbol, Noto Color Emoji;"><span style="white-space: pre-wrap;"><b><span style="font-size: medium;">ブログ記事タイトル: AI技術の進化 - GPT-4による驚きの可能性と懸念</span></b>
最近のAI技術の進化は目を見張るものがあります。特に、OpenAIの大規模な言語モデル「ChatGPT」が非常に自然な言語で応答することから、多くの人々が注目しています。特に、GPT-4へのアップデート以降、その性能は飛躍的に向上しました。この記事では、ChatGPTの驚くべき機能や懸念点について紹介します。
<b>1. 高度な問題解決能力</b>
GPT-4は計算問題を含む物理の問題についても、かなり正確に答えを返します。試験問題として採点すると、物理学科の学生の平均以上の得点を出すことができるほどです。
<b>2. 情報の整理・まとめ</b>
ChatGPTは会合の進行次第の提案など、情報のとりまとめにも非常に役立ちます。これにより、効率的な議論や意思決定が可能になります。
<b>3. 文章の添削や翻訳</b>
文章の添削や翻訳も得意な分野であり、一般の人々から専門家まで幅広く活用されています。
<b>4. 歴史的事実や地名の誤り</b>
一方で、歴史的事実や地名に関しては、とんでもない間違いを返すことがあります。これは、ChatGPTがデータセットに含まれる情報のみをもとに回答を生成するため、情報の正確性には注意が必要です。
<b>5. 学生への影響</b>
学生が課題や作文にChatGPTを利用することに対しては、懸念があります。しかし、ChatGPTを有効に使って文章を改善することは可能です。特に、ChatGPTとやりとりを繰り返すことで、答えを洗練することができます。ただし、この場合、学生個人とChatGPTの役割を分離することが難しくなります。
<b>まとめ</b>
ChatGPTは、非常に自然な言語で応答し、物理の問題解決能力や情報の整理・まとめ、文章の添削や翻訳など、多岐にわたる分野で驚く
べき性能を発揮しています。しかし、歴史的事実や地名に関する誤りや、学生が課題や作文に利用する際の懸念も存在します。このような問題に対処しつつ、ChatGPTの持つ潜在的な力を最大限に活用することが、AI技術の発展において重要な課題となります。
AI技術は日々進化しており、その可能性は広がり続けています。しかし、その一方で潜在的なリスクや課題も存在するため、適切な利用や教育、情報の正確性への理解が必要とされます。今後のChatGPTやAI技術の発展に期待しつつ、それぞれの役割や限界を理解し、適切に活用していくことが求められるでしょう。</span></span><br /></div><div class="min-h-[20px] flex flex-col items-start gap-4 whitespace-pre-wrap break-words" style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; align-items: flex-start; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; color: #343541; display: flex; flex-direction: column; font-family: Söhne, ui-sans-serif, system-ui, -apple-system, "Segoe UI", Roboto, Ubuntu, Cantarell, "Noto Sans", sans-serif, "Helvetica Neue", Arial, "Apple Color Emoji", "Segoe UI Emoji", "Segoe UI Symbol", "Noto Color Emoji"; font-size: 16px; gap: 1rem; min-height: 20px; overflow-wrap: break-word; white-space: pre-wrap;"><h3 style="--tw-border-spacing-x: 0; --tw-border-spacing-y: 0; --tw-ring-color: rgba(59,130,246,0.5); --tw-ring-offset-color: #fff; --tw-ring-offset-shadow: 0 0 transparent; --tw-ring-offset-width: 0px; --tw-ring-shadow: 0 0 transparent; --tw-rotate: 0; --tw-scale-x: 1; --tw-scale-y: 1; --tw-scroll-snap-strictness: proximity; --tw-shadow-colored: 0 0 transparent; --tw-shadow: 0 0 transparent; --tw-skew-x: 0; --tw-skew-y: 0; --tw-translate-x: 0; --tw-translate-y: 0; background-color: #f7f7f8; border: 0px solid rgb(217, 217, 227); box-sizing: border-box; color: var(--tw-prose-headings); font-size: 1.25em; line-height: 1.6; margin: 1rem 0px 0.5rem;"><br /></h3></div></div></div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-6456811554466543812022-12-13T18:52:00.001+09:002022-12-14T15:25:51.182+09:00ベルの不等式と量子もつれ<p>
1935年にアインシュタイン,ポドルスキー,ローゼンは後にEPRパラドックスと呼ばれる課題を提起し,量子力学の不完全性を主張した。
もとの論文は運動量と位置の測定に関する議論だが,今ではそれと等価な物理系としてスピン(または光子の偏極)を用いた議論が一般的である。
<br />
<br />
(実は等価ではない。位置と運動量の交換関係は$\left[ \hat{x},{{{\hat{p}}}_{x}} \right]=i\hbar $で定数,スピンは
$\left[ {{{\hat{s}}}_{x}},{{{\hat{s}}}_{y}} \right]=i\hbar {{\hat{s}}_{z}}$
なので不確定債関係が異なる。これは後で述べる不確定性関係の議論に大きく影響する。)
<br />
<br />
スピン1/2の同種粒子2つが合成スピン0の状態
$\left| \varphi \right\rangle$
にあったとする。この状態がスピン1/2の粒子崩壊したとき2つの粒子の状態は
$$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( {{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}-{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)$$
となる。
${{\left| \pm 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| \mp 1 \right\rangle }_{2}}$
は1番目,2番目の粒子のスピン上向き,下向きの状態を表す。以後1番目,2番目を表す符号は省略する。この状態で1番目のスピンを測定して上向き(下向き)の場合,
2番目の粒子は必ず下向き(上向き)となり,一方の粒子のスピンの方向を測定すると他方のスピンの方向を知ることができる。このような状態を量子もつれ状態(entangled state)と言う。
</p>
<p>
今量子化軸を$z$軸にとったとする。
1番目の粒子のスピンに関する測定は2番目の粒子に何の影響も及ぼしていない。それにも関わらす2番目のスピンが確定している。
アインシュタインはこれは2番目のスピンは観測にかかわらず確定している,すなわち実在していると主張した。
さらに1番目の粒子の測定が2番目の粒子に直ぐ(光速を超えて情報が伝わって直ち)には影響しない局所性を仮定する。
光速を超えて情報が伝わると因果律を破るので局所性は物理の基本的要請である。このように局所性をもった実在論を局所実在論という。
ところで$\left| \varphi \right\rangle$
はスピン0の状態だったので回転対称であり,同じことを90°ずれた$x$軸方向議論しても同じことになるはずである。
つまり$x$軸方向においても2番目の粒子のスピンは1番目の粒子の測定に影響されず確定している。すなわち実在している。
すると,
<b>2番目の粒子では$z$軸方向と$x$軸方向のスピンが同時に確定していることになり,これは不確定性原理に反する。よって量子力学は不完全な議論である。</b>
これがEPRパラドックスと呼ばれるものである。この問題提起は量子力学に対して大きな課題をつきつけ,それが解決したといえるのは1980年代になってからである。
2022年のノーベル物理学賞はこれに寄与した研究に対して授与された。
</p>
<p>
<br />
<b>スピン相関</b>
<br />
まず問題の設定を行う。量子科学では2つ(2カ所)での観測者をアリス($A$ ),ボブ($B$)という名称を用いる習慣がある。
アリスはスピンを任意の方向角$\theta$で測定する。$\theta=0$は$z$軸方向$\theta=\pi /2$は$x$軸方向と考えるとよい。
これを$A(\theta)$と表そう。ボブ側も同様に角度$\phi$の測定を$B(\phi)$と表す。
量子力学では測定は演算子で表される。
これを表すときは$\hat A(\theta)$, $\hat B(\phi)$ とかく。
状態$\left| \varphi \right\rangle$に対して,アリス,ボブの測定はそれぞれ
\begin{align}
& \hat{A}(\theta )\left| \varphi \right\rangle \nonumber \\
& \hat{B}(\varphi )\left| \varphi \right\rangle \nonumber \\
\end{align}
ボブとアリスの連続測定は
$$\hat{A}(\theta )\hat{B}(\varphi )\left| \varphi \right\rangle $$
である。
</p>
<p>
<br />
<b>古典的な角度相関</b>
<br />
量子論では,物理量は確率的にしか分からない。
それに対する古典論(実在論)の記述を考える。実在論では,物理量は定まっているのだから,それが測定毎にばらつく現象は確率的な変動と考える。
観測者の知らない変数$\lambda$(隠れた変数:hidden variable)
が存在し観測量はそれに依存すると考える。
このときアリスの測定量は角度$\theta$と変数$\lambda$に依存して$a(\theta,\phi)$ と書くことができるだろう。
スピンの上向き,下向きに対応して, $-1\le a(\theta ,\lambda )\le 1$である
($a(\theta ,\lambda )=\pm 1$をより一般化した状況を考えている)。
このとき$\lambda$に依存する確率密度関数を$P(\lambda$)とすると,アリス側で観測されるスピンの平均は
$$\left\langle A(\theta ) \right\rangle =\int{P(\lambda )a(\theta ,\lambda )d\lambda }$$
同様に,ボブ側,連続測定の平均値は
\begin{align}
& \left\langle B(\phi ) \right\rangle =\int{P(\lambda )b(\phi ,\lambda )d\lambda } \nonumber \\
& \left\langle A(\theta )B(\phi ) \right\rangle =\int{P(\lambda )a(\theta ,\lambda )b(\phi ,\lambda )d\lambda } \nonumber
\end{align}
である。
局所実在論を仮定すると一般的にこのように表現することができる。
</p>
<p>
<br />
<b>ベルの不等式</b>
<br />
連続測定(または相関という)$\left\langle A(\theta )B(\phi ) \right\rangle =\int{P(\lambda )a(\theta ,\lambda )b(\phi ,\lambda )d\lambda }$
を考えると$\theta, \phi$という二つの角度あるので,その組み合わせとして4通り,
$\left\langle A(\theta )B(\phi ) \right\rangle ,\ \left\langle A({\theta }')B(\phi ) \right\rangle ,\ \left\langle A(\theta )B({\phi }') \right\rangle ,\ \left\langle A({\theta }')B({\phi }') \right\rangle$
が考えられる。この組み合わせをつかって
$$C=\left\langle A(\theta )B(\phi ) \right\rangle +\ \left\langle A({\theta }')B(\phi ) \right\rangle -\left\langle A(\theta )B({\phi }') \right\rangle +\left\langle A({\theta }')B({\phi }') \right\rangle $$
を定義する。証明は省略するが(たとえば,清水明,新版粒子論の基礎8章)$-2\le C\le 2$を示すことができる。これがベルの不等式の一つCHSH不等式である。
</p>
<p>
<br />
<b>ベルの不等式の量子論による考察</b>
<br />
</p>
<p>
<br />
<b>演算子のスペクトル分解</b>
<br />
ベルの不等式を量子論によって考察するが,その前に演算子について準備する。
$\hat A$ をエルミート演算子し,その固有ベクトルを$\left| a \right\rangle $とすると
$\hat{A}=\sum\limits_{a}{\left| a \right\rangle \left\langle a \right|\hat{A}\left| a \right\rangle \left\langle a \right|}=\sum\limits_{a}{\left\langle a \right|\hat{A}\left| a \right\rangle \left| a \right\rangle \left\langle a \right|}=a\left| a \right\rangle \left\langle a \right|$
($\because \sum\limits_{a}{\left| a \right\rangle \left\langle a \right|}=1$)
と表すことができる。これを演算子のスペクトル分解という。
</p>
<p>
<br />
<b>スピン測定演算子の具体的表現</b>
<br />
アリスがスピンを$\theta$ 方向で測る演算子$\hat A(\theta)$ のスペクトル分解を求めるため,まずアリスの任意の状態を考察する。
$\theta =0$のときは,$\left| 1,b \right\rangle =\left| 1 \right\rangle \left| b \right\rangle$
($b=\pm 1$:ボブ側のスピンの方向)または,$\left| -1,b \right\rangle =\left| -1 \right\rangle \left| b \right\rangle$ である。
これを$y$軸のまわりに$\theta$回転する。
\begin{align}
& {{e}^{\frac{i}{\hbar }\theta {{{\hat{J}}}_{y}}}}=I+\frac{i}{\hbar }\theta {{{\hat{J}}}_{y}}+\frac{1}{2}{{\left( \frac{i}{\hbar }\theta {{{\hat{J}}}_{y}} \right)}^{2}}+,,,+\frac{1}{n!}{{\left( \frac{i}{\hbar }\theta {{{\hat{J}}}_{y}} \right)}^{n}}+,,, \nonumber \\
& =\left( \cos \frac{\theta }{2}I+i\sin \frac{\theta }{2}\left( \begin{matrix}
0 & -i \\
i & 0 \\
\end{matrix} \right) \right)=\left( \begin{matrix}
\cos \frac{\theta }{2} & \sin \frac{\theta }{2} \\
-\sin \frac{\theta }{2} & \cos \frac{\theta }{2} \\
\end{matrix} \right) \nonumber
\end{align}
を使って,
\begin{align}
& \left( \begin{matrix}
\left| +\theta ,b \right\rangle \\
\left| -\theta ,b \right\rangle \\
\end{matrix} \right)={{e}^{\frac{i}{\hbar }\theta {{{\hat{J}}}_{y}}}}\left( \begin{matrix}
\left| +1,b \right\rangle \\
\left| -1,b \right\rangle \\
\end{matrix} \right)=\left( \cos \frac{\theta }{2}I+i\sin \frac{\theta }{2}\left( \begin{matrix}
0 & -i \\
i & 0 \\
\end{matrix} \right) \right)\left( \begin{matrix}
\left| +1,b \right\rangle \\
\left| -1,b \right\rangle \\
\end{matrix} \right) \nonumber \\
& =\left( \begin{matrix}
\cos \frac{\theta }{2} & \sin \frac{\theta }{2} \\
-\sin \frac{\theta }{2} & \cos \frac{\theta }{2} \\
\end{matrix} \right)\left( \begin{matrix}
\left| +1,b \right\rangle \\
\left| -1,b \right\rangle \\
\end{matrix} \right) \nonumber
\end{align}
よって,
\begin{align}
& \left| +\theta ,b \right\rangle =\cos \frac{\theta }{2}\left| +1,b \right\rangle +\sin \frac{\theta }{2}\left| -1,b \right\rangle \nonumber \\
& \left| -\theta ,b \right\rangle =-\sin \frac{\theta }{2}\left| +1,b \right\rangle +\cos \frac{\theta }{2}\left| -1,b \right\rangle \nonumber \\
\end{align}
アリスがスピンを$\theta$方向で測る演算子$\hat A(\theta)$ はこれを使って
\begin{align}
& \hat{A}(\theta )=\sum\limits_{b}{\left( \left| +\theta ,b \right\rangle \left\langle +\theta ,b \right|-\left| -\theta ,b \right\rangle \left\langle -\theta ,b \right| \right)} \nonumber \\
& =\cos \theta \sum\limits_{b}{\left( \left| 1,b \right\rangle \left\langle 1,b \right|-\left| -1,b \right\rangle \left\langle -1,b \right| \right)}+\sin \theta \sum\limits_{b}{\left( \left| 1,b \right\rangle \left\langle -1,b \right|+\left| -1,b \right\rangle \left\langle 1,b \right| \right)}
\end{align}
と表すことができる。
行列で表すと$\left| \varphi \right\rangle$ の基底は
$\left( \begin{matrix}
\left| 1,1 \right\rangle \\
\ \,\left| 1,-1 \right\rangle \\
\,\ \left| -1,1 \right\rangle \\
\left| -1,-1 \right\rangle \\
\end{matrix} \right)$
と書くことができる。
この表示で演算子は
$$\left( \begin{matrix}
\left| 1,1 \right\rangle \left\langle 1,1 \right| & \left| 1,1 \right\rangle \left\langle 1,-1 \right| & \left| 1,1 \right\rangle \left\langle -1,1 \right| & \left| 1,1 \right\rangle \left\langle -1,-1 \right| \\
\left| 1,-1 \right\rangle \left\langle 1,1 \right| & \left| 1,-1 \right\rangle \left\langle 1,-1 \right| & \left| 1,-1 \right\rangle \left\langle -1,1 \right| & \left| 1,-1 \right\rangle \left\langle -1,-1 \right| \\
\left| -1,1 \right\rangle \left\langle 1,1 \right| & \left| -1,1 \right\rangle \left\langle 1,-1 \right| & \left| -1,1 \right\rangle \left\langle -1,1 \right| & \left| -1,1 \right\rangle \left\langle -1,-1 \right| \\
\left| -1,-1 \right\rangle \left\langle 1,1 \right| & \left| -1,-1 \right\rangle \left\langle 1,-1 \right| & \left| -1,-1 \right\rangle \left\langle -1,1 \right| & \left| -1,-1 \right\rangle \left\langle -1,-1 \right| \\
\end{matrix} \right)$$
なので,
$$\hat{A}(\theta )=\left( \begin{matrix}
\cos \theta & 0 & \sin \theta & 0 \\
0 & \cos \theta & 0 & \sin \theta \\
\sin \theta & 0 & -\cos \theta & 0 \\
0 & \sin \theta & 0 & -\cos \theta \\
\end{matrix} \right)$$
である。実際の計算はこれを使う方が便利である。
</p>
<p>
同様にボブがスピンを$\phi$ 方向で測る演算子$\hat B(\phi)$ は
\begin{align}
& \left| a,+\phi \right\rangle =\cos \frac{\phi }{2}\left| a,+1 \right\rangle +\sin \frac{\phi }{2}\left| a,-1 \right\rangle \nonumber \\
& \left| a,-\phi \right\rangle =-\sin \frac{\phi }{2}\left| a,+1 \right\rangle +\cos \frac{\phi }{2}\left| a,+1 \right\rangle \nonumber \\
\end{align}
\begin{align}
& \hat{B}(\phi )=\sum\limits_{a}{\left( \left| a,+\phi \right\rangle \left\langle a,+\phi \right|-\left| a,-\phi \right\rangle \left\langle a,-\phi \right| \right)} \nonumber \\
& =\cos \phi \sum\limits_{a}{\left( \left| a,1 \right\rangle \left\langle a,1 \right|-\left| a,-1 \right\rangle \left\langle a,-1 \right| \right)}+\sin \phi \sum\limits_{a}{\left( \left| a,1 \right\rangle \left\langle a,-1 \right|+\left| a,-1 \right\rangle \left\langle a,1 \right| \right)} \nonumber
\end{align}
$$\hat{B}(\phi )=\left( \begin{matrix}
\cos \phi & \sin \phi & 0 & 0 \\
\sin \phi & -\cos \phi & 0 & 0 \\
0 & 0 & \cos \phi & \sin \phi \\
0 & 0 & \sin \phi & -\cos \phi \\
\end{matrix} \right)$$
となる。
</p>
<p>
<br />
<b>ベルの不等式の量子論による計算</b>
<br />
ボブが$\phi$方向,アリスが$\theta$方向を測る演算子を$\hat C(\theta,\phi)$とすると
\[\begin{align}
& \hat{C}(\theta ,\phi )=\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ) \nonumber \\
& =\left( \begin{matrix}
\cos \theta & 0 & \sin \theta & 0 \\
0 & \cos \theta & 0 & \sin \theta \\
\sin \theta & 0 & -\cos \theta & 0 \\
0 & \sin \theta & 0 & -\cos \theta \\
\end{matrix} \right)\left( \begin{matrix}
\cos \phi & \sin \phi & 0 & 0 \\
\sin \phi & -\cos \phi & 0 & 0 \\
0 & 0 & \cos \phi & \sin \phi \\
0 & 0 & \sin \phi & -\cos \phi \\
\end{matrix} \right) \nonumber \\
& =\left( \begin{matrix}
\cos \theta \cos \phi & \cos \theta \sin \phi & \cos \phi \sin \theta & \sin \theta \sin \phi \\
\cos \theta \sin \phi & -\cos \theta \cos \phi & \sin \theta \sin \phi & -\cos \phi \sin \theta \\
\cos \phi \sin \theta & \sin \theta \sin \phi & -\cos \theta \cos \phi & -\cos \phi \sin \phi \\
\sin \theta \sin \phi & -\cos \phi \sin \theta & -\cos \phi \sin \phi & \cos \theta \cos \phi \\
\end{matrix} \right) \nonumber
\end{align}\]
である。これを状態$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \left| 1,-1 \right\rangle -\left| -1,1 \right\rangle \right)$に作用させる。
\begin{align}
& \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle =\left( \begin{matrix}
\cos \theta \cos \phi & \cos \theta \sin \phi & \cos \phi \sin \theta & \sin \theta \sin \phi \\
\cos \theta \sin \phi & -\cos \theta \cos \phi & \sin \theta \sin \phi & -\cos \phi \sin \theta \\
\cos \phi \sin \theta & \sin \theta \sin \phi & -\cos \theta \cos \phi & -\cos \phi \sin \phi \\
\sin \theta \sin \phi & -\cos \phi \sin \theta & -\cos \phi \sin \phi & \cos \theta \cos \phi \\
\end{matrix} \right)\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \begin{matrix}
0 \\
1 \\
-1 \\
0 \\
\end{matrix} \right) \nonumber \\
& =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \begin{matrix}
-\sin (\theta -\phi ) \\
-\cos (\theta -\phi ) \\
\cos (\theta -\phi ) \\
-\sin (\theta -\phi ) \\
\end{matrix} \right) \nonumber
\end{align}
となる。$\theta - \phi = 0$つまり月と地球で同じ方向の測定を行う場合$\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle =-\left| \varphi \right\rangle $
である。このとき$\left| \varphi \right\rangle $は$\left| \varphi \right\rangle $
の固有関数であり固有値は$-1$ 。これはボブがスピンを測定すればアリス側では必ず反対方向のスピンが観測されることを意味する。
一般の場合のボブ,アリスのスピン連続測定(相関)の平均値は
\begin{align}
& \left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( 0,1,-1,0 \right)\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \begin{matrix}
-\sin (\theta -\phi ) \\
-\cos (\theta -\phi ) \\
\cos (\theta -\phi ) \\
-\sin (\theta -\phi ) \\
\end{matrix} \right) \nonumber \\
& =-\cos \theta \cos \phi -\sin \theta \sin \phi =-\cos (\theta -\phi ) \nonumber
\end{align}
結果はアリスとボブの角度差だけに依存している。このことはスピン0の状態の回転対称性を反映している。
$\left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle =-\cos (\theta -\phi )$
を用いてベルの不等式を表すと
\begin{align}
& {{C}_{Quantum}}=\left\langle A(\theta )B(\phi ) \right\rangle +\left\langle A({\theta }')B(\phi ) \right\rangle -\left\langle A(\theta )B({\phi }') \right\rangle +\left\langle A({\theta }')B({\phi }') \right\rangle \\
& =\left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle +\left\langle \varphi \right|\hat{A}({\theta }')\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle -\left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}({\phi }')\left| \varphi \right\rangle +\left\langle \varphi \right|\hat{A}({\theta }')\hat{B}({\phi }')\left| \varphi \right\rangle \\
& =-\cos (\theta -\phi )-\cos ({\theta }'-\phi )+\cos (\theta -{\phi }')-\cos ({\theta }'-{\phi }')
\end{align}
たとえば$\theta =\frac{3\pi }{4},\ \phi =\frac{\pi }{2},\ {\theta }'=\frac{\pi }{4},\ {\varphi }'=0$のとき,${{C}_{Quantum}}=-2\sqrt{2}$
であり,古典論(隠れた変数の理論)の帰結である$-2\le C\le 2$を破っている。
古典論との違いは$\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )$の非対項($\sin \theta ,\ \sin \phi$ の項)すなわち干渉項の有無である。
干渉項を除いた場合のベルの不等式に対応するものは
${{C}_{Classical}}=-\cos \theta \cos \phi -\cos {\theta }'\cos \phi +\cos \theta \cos {\phi }'-\cos {\theta }'\cos {\phi }'$
これは$\left| {{C}_{Classical}}\le 2 \right|$となりベルの不等式を破らない。
</p>
<p>
干渉項は$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \left| 1,-1 \right\rangle -\left| -1,1 \right\rangle \right)$
の第1項と第2項の間の遷移である。パウリ行列の$x$成分は
${{\sigma }_{x}}=\left( \begin{matrix}
0 & 1 \\
1 & 0 \\
\end{matrix} \right)$
なので$x$軸方向のスピンの測定演算子
${{\hat{s}}_{x}}=\frac{1}{2}\hbar {{\sigma }_{x}}$
はスピンの$z$成分を入れ替える。これが干渉項が生じる由来であり古典的取り扱いでは出てこない。
</p>
<p>
<br />
<b>不確定性関係の考察</b>
<br />
連続測定$\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )$の不確定性関係に関するロバートソンの不等式は,
$$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}d{{\left( A({\theta }')B({\phi }') \right)}^{2}}\ge \frac{{{\left| \left\langle \varphi \right|\left[ \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ),\hat{A}({\theta }')\hat{B}({\phi }') \right]\left| \varphi \right\rangle \right|}^{2}}}{4}$$
である。右辺の交換関係を計算すると
$\left[ \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ),\hat{A}({\theta }')\hat{B}({\phi }') \right] \ne 0 $だが,
$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( \left| 1,-1 \right\rangle -\left| -1,1 \right\rangle \right)$
について,
$\left\langle \varphi \right|\left[ \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ),\hat{A}({\theta }')\hat{B}({\phi }') \right]\left| \varphi \right\rangle =0$
を示すことができる。
したがって$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}=0$
$d{{\left( A({\theta }')B({\phi }') \right)}^{2}}=0$
を同時に満たしても量子論には反しないことが分かる。
すなわち異なる角度の組み合わせ(たとえば$z$軸方向$\left( \theta ,\phi \right)=(0,0)$と$x$軸方向
$\left( {\theta }',{\phi }' \right)=(\pi /2,\pi /2)$ )
で同時にアインシュタインの言う実在性があっても不確定性原理には反していない。
これは不確定性関係との無矛盾性から量子論と実在論の比較はできないことも意味している。
</p>
<p>
(このことが位置と運動量の場合と異なる,位置と運動量の交換関係は定数なので位置と運動量の連続測定の交換関係の状態による平均は$0$とならない。)
</p>
<p>
$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}$の具体的な形を求める。
\begin{align}
& d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}=\left\langle \varphi \right|{{\left( \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )-\left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle \right)}^{2}}\left| \varphi \right\rangle \nonumber \\
& =\left\langle \varphi \right|{{\left( \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ) \right)}^{2}}\left| \varphi \right\rangle -{{\left| \left\langle \varphi \right|\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\left| \varphi \right\rangle \right|}^{2}} \nonumber
\end{align}
(分散=2乗平均―平均の2乗)
<br />
${{\left( \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ) \right)}^{2}}=\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )\hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi )=I$
となるので,第1項は$\left\langle \varphi \right|{{\left( \hat{A}(\theta )\hat{B}(\phi ) \right)}^{2}}\left| \varphi \right\rangle =1$
したがって
$$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}=1-{{(-\cos (\theta -\phi ))}^{2}}={{\sin }^{2}}(\theta -\phi )$$
これから$\theta - \phi = 0$,すなわちアリスとボブで同じ方向を測るときは$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}=0$
となり,ボブ(アリス)がスピンの方向を測るとアリス(ボブ)のスピンの方向は確定する。
$\theta - \phi ~ \phi/2$ すなわち直交方向のとき$d{{\left( A(\theta )B(\phi ) \right)}^{2}}=1$
ボブ側で上(下)であっても,アリス側では左右が同じ確率で測定され不確定性は最大となる。
</p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-54609953420616085262022-11-29T16:41:00.005+09:002022-12-09T17:45:20.831+09:00EPR(アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン)のパラドックスの話<p> ちょっと(かなり?)専門的な話です。</p><p><br /></p><p>2022年のノーベル物理学賞は量子論の発展に大きな寄与をしたクラウザー,アスペ,ザイリンガーの3氏が受賞した。クラウザーとアスペ氏の受賞はいわゆるEPRパラドックスに対する回答としてベルの不等式の破れを示したことだ。ベルの不等式の話はいろいろなところで見らるが,その発端となったEPRパラドックスの量子論的な解釈はあまりみない。</p><p>いわゆるEPRパラドックスの論文はPhys.Rev.47, 777(1935)に掲載された。そのなかでアインシュタイン,ポドルスキー,ローゼンは量子もつれ状態を例にして量子論が不完全であると主張している。</p><p><b>EPRパラドックスとは</b></p><p>まず,EPRパラドックスの復習。ここはアインシュタイン21世紀の物理学(日本物理学会編)第7章の清水明氏の解説を引用する。</p><p>二つの粒子1,2の状態</p>
\begin{align}
& \varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ik({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk}
\end{align}<div>を考える。この状態に対して,粒子1の波数を測定して$k_o$だったとする。運動量は,$p_1=\hbar k_0$である。
波数の重ね合わせ状態から$k_o$が選ばれたので,測定後の波動関数は,
$$
{{\varphi }_{{{k}_{0}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}})={{e}^{i{{k}_{0}}{{x}_{1}}}}{{e}^{-i{{k}_{0}}({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}
$$
となる。この状態でこの状態で粒子2の運動量を測定する。${{\hat{p}}_{2}}=-i\hbar \frac{\partial }{\partial x}$より
$$-i\hbar \frac{\partial }{\partial x}{{\varphi }_{{{k}_{0}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}})=-i\hbar \frac{\partial }{\partial x}{{e}^{i{{k}_{0}}{{x}_{1}}}}{{e}^{-i{{k}_{0}}({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}=-\hbar {{k}_{0}}{{\varphi }_{{{k}_{0}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}})$$
したがって,$\varphi_{k_0} ({{x}_{1}},{{x}_{2}})$は${{\hat{p}}_{2}}$の固有状態であり,運動量は$p_2=-\hbar k_0$に確定している。
つまり,粒子1のつまり粒子1の運動量を測定することによって,粒子2に影響を及ぼすことなくその運動量が確定した。アインシュタインの定義によるとこれは粒子2の運動量が実在している。
次に$\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})$の位置測定を考える。
$\delta (x)=\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ikx}}dk}$とデルタ関数の公式$\delta (a-b)=\int{\delta (x-a)\delta (x-b)dx}$より,
\begin{align}
& \varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ik({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}})}}dk}=\delta ({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}}) \nonumber \\
& =\int{\delta ({{x}_{2}}-(x+{{x}_{0}}))\delta ({{x}_{1}}-x)dx}
\end{align}
ここで,粒子1の位置測定をおこなって$x_m$だったとすると測定後の波動関数は,
$${{\varphi }_{{{x}_{m}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\delta ({{x}_{2}}-({{x}_{m}}+{{x}_{0}}))\delta ({{x}_{1}}-{{x}_{m}})$$
この波動関数の粒子2の位置を測定すると
\begin{align}
& {{{\hat{x}}}_{2}}{{\varphi }_{{{x}_{m}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}}) \nonumber \\
& ={{x}_{2}}{{\varphi }_{{{x}_{m}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}}) \nonumber \\
& =({{x}_{m}}+{{x}_{0}})\delta ({{x}_{2}}-({{x}_{m}}+{{x}_{0}}))\delta ({{x}_{1}}-{{x}_{m}})\ \quad \because x\delta (x-{x}')={x}'\delta (x-{x}')
\end{align}
となる。$\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})$は${{\hat{x}}_{2}}$ の固有状態であり,固有値は$x_m+x_0$。したがって粒子2の位置も,粒子1の位置測定することによって確定した。すなわち粒子2の位置も実在している。
これからこの状態では,粒子2の位置も運動量も確定しており,これは不確定性原理に反するというのがアインシュタインの主張である。
<br />
<br />
<div><b>量子論からみたEPR論文の問題点</b></div>
<br />
EPR論文では粒子1の測定後の波動関数(状態)を
$${{\varphi }_{{{k}_{0}}}}({{x}_{1}},{{x}_{2}})={{e}^{i{{k}_{0}}{{x}_{1}}}}{{e}^{-i{{k}_{0}}({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}$$
として,その状態に対して粒子2の運動量の測定を行っている。
分かりやくするため,これをスピン0の量子もつれ状態
$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( {{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}-{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)$
で考える。量子論におけるこの状態の粒子1に対する 方向のスピンの測定は
\begin{align}
& s_{z}^{1}\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( s_{z}^{1}{{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}-s_{z}^{1}{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)
\nonumber \\
& =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( {{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}+{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)
\end{align}
である。しかしEPR論文の記述は粒子1の測定によって2つの項のうちどちらかを選択していることに対応する。第1項を選んだとすると,
$${{\left| \varphi \right\rangle }_{1}}={{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}$$
それに対して粒子2のスピンを測定を行うと,
$$s_{z}^{2}{{\left| \varphi \right\rangle }_{1}}=s_{z}^{2}{{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}=-{{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}$$
量子論を正しく適用すると粒子1の測定後に粒子2を測定することは
\begin{align}
& s_{z}^{2}s_{z}^{1}\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}s_{z}^{2}\left( s_{z}^{1}{{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}-s_{z}^{1}{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)=\frac{1}{\sqrt{2}}s_{z}^{2}\left( {{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}+{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right) \nonumber \\
& =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( -{{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}+{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right) \\
& =-\left| \varphi \right\rangle
\end{align}
である。量子もつれ状態$\left| \varphi \right\rangle$は連続測定演算子$s_{z}^{2}s_{z}^{1}$の固有状態であり,粒子1,2の連続測定によって粒子2のスピンは確定した値をとる。量子論の計算には
${{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}$と${{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}}$の干渉項が含まれるのに対して,EPRは粒子1の測定によってもつれ状態(コヒーレンス)を壊しているのでそれが含まれない。ただし,量子論でも干渉項が測定に寄与するのは粒子1と粒子2について任意の異なる方向でスピンを測定した場合である。双方で 同じ方向の測定した場合や90°ずらした場合は量子論と古典論の違いは現れない。これを考慮して,量子論と古典論の違いを評価したのがベルの不等式である。
<div><br /></div>
EPR論文のスピンモデルでは,粒子1の測定によって粒子1の観測者における状態は
${{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}$または${{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}}$となる。これは間違いではない。一方で粒子2の観測者が粒子2を独立に観測すると,そこでも
${{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}$または${{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}}$が選択される。
量子論の主張は粒子1と粒子2の観測は独立(光速でも情報伝達ができず因果律を破らない)で,それぞれが2つのうちどちらかの状態を得るが,それらの測定結果を付き合わせた結果は
$s_{z}^{2}s_{z}^{1}\left| \varphi \right\rangle \ \left( =s_{z}^{1}s_{z}^{2}\left| \varphi \right\rangle \right)$
と無矛盾になっていることである。
<!--<br />
EPR論文における粒子1の選択的観測の結果生じた状態に対して粒子2の測定を行うことは,粒子1と粒子2の測定が独立ではない。粒子1の測定が粒子2の測定に影響を与えていないという局所実在性の仮定に反していると考えることもできる。-->
<br />
<br />
<div><b> 連続測定と不確定性原理</b></div>
<br />
2粒子の波動関数の位置と運動量の測定の不確定性関係を,状態に対する連続測定,すなわち
${{\hat{p}}_{1}}{{\hat{p}}_{2}}\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})$と${{\hat{x}}_{1}}{{\hat{x}}_{2}}\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})$で議論する。
<br />
2粒子系のもつれ状態を$\left| \varphi \right\rangle$とし,この状態について,粒子1,2に対する位置と運動量の演算子をそれぞれ,
${{\hat{x}}_{1}},\ {{\hat{x}}_{2}},\ {{\hat{p}}_{1}},\ {{\hat{p}}_{2}}$とする。粒子1,2の測定によって粒子2の位置が確定することは,
$\left| \varphi \right\rangle$が連続測定の演算子${{\hat{x}}_{2}}\ {{\hat{x}}_{1}}$の固有状態
$$
{{\hat{x}}_{2}}{{\hat{x}}_{1}}\left| \varphi \right\rangle ={{x}_{2}}({{x}_{1}})\left| \varphi \right\rangle
$$
を意味する。$x_2(x_1)$は粒子1の位置の測定の関数としての粒子2の位置を表す。 (一般に$\left| \varphi \right\rangle$は${{\hat{x}}_{1}},\ {{\hat{x}}_{2}}$
の固有状態ではない。)
<br />
運動量も同様に
$$
{{\hat{p}}_{2}}{{\hat{p}}_{1}}\left| \varphi \right\rangle ={{p}_{2}}({{p}_{1}})\left| \varphi \right\rangle
$$
である。$\left| \varphi \right\rangle$は位置,運動量の連続測定演算子の固有状態なので,
$$\delta ({{x}_{1}}{{x}_{2}})=\delta ({{p}_{1}}{{p}_{2}})=0$$
したがって ロバートソンの不確定性関係
$$
{{(\delta {{x}_{1}}{{x}_{2}})}^{2}}{{(\delta {{p}_{1}}{{p}_{2}})}^{2}}\ge \frac{{{\left| \left\langle \varphi \right|\left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]\left| \varphi \right\rangle \right|}^{2}}}{4}
$$
の右辺は
\begin{align}
& \left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]\left| \varphi \right\rangle ={{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}\left| \varphi \right\rangle -{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}\left| \varphi \right\rangle \nonumber \\
& ={{x}_{2}}({{x}_{1}}){{p}_{2}}({{p}_{1}})\left| \varphi \right\rangle -{{p}_{2}}({{p}_{1}}){{x}_{2}}({{x}_{1}})\left| \varphi \right\rangle \\
& =0
\end{align}
となるはずである。しかし,交換関係を計算すると,
[\begin{align}
& \left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]={{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}-{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}} \nonumber \\
& ={{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}-{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{2}} \nonumber \\
& ={{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}-({{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}-i\hbar )({{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}-i\hbar ) \nonumber \\
& ={{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{2}}-{{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}_{2}+i\hbar {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}+i\hbar {{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}+{{\hbar }^{2}} \\
& =i\hbar {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{1}}+i\hbar {{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{2}}+{{\hbar }^{2}}
\end{align}
これから,
$$
\left\langle \varphi \right|\left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]\left| \varphi \right\rangle =i\hbar \left\langle \varphi \right|{{\hat{x}}_{1}}{{\hat{p}}_{1}}\left| \varphi \right\rangle +i\hbar \left\langle \varphi \right|{{\hat{x}}_{2}}{{\hat{p}}_{2}}\left| \varphi \right\rangle +{{\hbar }^{2}}\left\langle \varphi \right.\left| \varphi \right\rangle
$$
第3項は$\left\langle \varphi \right|{{\hbar }^{2}}\left| \varphi \right\rangle ={{\hbar }^{2}}$
第1,第2項は状態によるっていろいろな値ととるが,一般に
$$
\left\langle \varphi \right|\left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]\left| \varphi \right\rangle \ne 0
$$
は言える。位置と,運動量のもつれ状態は不確定性原理と矛盾する。
<br />
<br />
<div><b>連続測定の観点からのEPR論文の考察</b></div>
<br />
EPR論文で考察された波動関数は
\begin{align}
& \varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ik({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =\frac{1}{2\pi }\int{{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk}
\end{align}
これに対して粒子1,2連続測定の運動量演算子を作用させると
\begin{align}
& {{{\hat{p}}}_{2}}{{{\hat{p}}}_{1}}\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\frac{1}{2\pi }(-i\hbar ){{{\hat{p}}}_{2}}\frac{\partial }{\partial {{x}_{1}}}\int{{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =\frac{1}{2\pi }(-i\hbar ){{{\hat{p}}}_{2}}\int{\frac{\partial }{\partial {{x}_{1}}}{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =\frac{1}{2\pi }(-i\hbar ){{{\hat{p}}}_{2}}\int{ik{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk}=\frac{1}{2\pi }\hbar {{{\hat{p}}}_{2}}\int{k{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =\frac{1}{2\pi }\hbar (-i\hbar )\frac{\partial }{\partial {{x}_{2}}}\int{-i{{k}^{2}}{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& =-\frac{{{\hbar }^{2}}}{2\pi }\int{{{k}^{2}}{{e}^{ik{{x}_{1}}}}{{e}^{-ik({{x}_{2}}-{{x}_{0}})}}dk}
\end{align}
となり$\varphi$は${{\hat{p}}_{2}}{{\hat{p}}_{1}}$の固有状態にはならない。すなわち粒子1,2の連続測定によって粒子2の運動量は確定した値を得ない。
<br />
同様の計算を位置の演算子${{\hat{x}}_{2}}{{\hat{x}}_{1}}$に対して行う。
\[\begin{align}
& {{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{1}}\varphi ({{x}_{1}},{{x}_{2}})=\frac{1}{2\pi }{{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{1}}\int{{{e}^{ik({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}})}}dk} \nonumber \\
& ={{{\hat{x}}}_{2}}{{{\hat{x}}}_{1}}\delta ({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}}) \nonumber \\
& ={{x}_{2}}{{x}_{1}}\delta ({{x}_{1}}-{{x}_{2}}+{{x}_{0}})
\end{align}\]
$x_2x_1$は変数なので$\varphi$は${{\hat{p}}_{2}}{{\hat{p}}_{1}}$は$\varphi$は${{\hat{p}}_{2}}{{\hat{p}}_{1}}$の固有状態ではない。
したがって,量子論の立場からはEPR論文の議論は成り立たない。
<br />
<br />
<div><b>まとめ</b></div>
<br />
量子論とEPRの考察のどちらが正しいかは実験で決めるべきこと。量子論が正しいという見地からEPR論文の問題点は以下の2つ。
</div><div><ol style="text-align: left;"><li><span style="text-indent: -18pt;">粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">1</span><span style="text-indent: -18pt;">の位置(や運動量やスピンの</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">z</span><span style="text-indent: -18pt;">成分)を行うことによって,複数の状態の重ね合わせから特定の位置(や運動量やスピンの</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">z</span><span style="text-indent: -18pt;">成分)を選び出し,それに対して粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">2</span><span style="text-indent: -18pt;">の測定を行っている。これは粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">1</span><span style="text-indent: -18pt;">と粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">2</span><span style="text-indent: -18pt;">の測定が独立ではなく局所実在性の仮定に反している。量子論の場合,演算子を複数の状態に作用させたと考え,特定の状態を選び出してはいない。</span></li><li><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">EPR</span><span style="text-indent: -18pt;">論文で議論されている波動関数は位置や運動量の連続測定の固有状態ではない。したがって量子論による量子もつれ粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">1</span><span style="text-indent: -18pt;">の測定による粒子</span><span lang="EN-US" style="text-indent: -18pt;">2</span><span style="text-indent: -18pt;">の測定値の決定という議論は成り立たない。</span></li></ol>
上記に加えて位置と運動量の連続測定の交換関係から
$\left\langle \varphi \right|\left[ {{{\hat{x}}}_{1}}{{{\hat{x}}}_{2}},{{{\hat{p}}}_{1}}{{{\hat{p}}}_{2}} \right]\left| \varphi \right\rangle \ne 0$
この理由は,$\left[ {{{\hat{x}}}},\hat{p} \right]=i\hbar$すなわち交換関係が定数であることに帰着される。
スピンの場合は$\left[ {{{\hat{s}}}_{z}},{{{\hat{s}}}_{x}} \right]=i\hbar {{\hat{s}}_{y}}$なので,交換関係の平均値が$0$になることがあり得る。
実際にスピンの連続測定を$\left| \varphi \right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left( {{\left| 1 \right\rangle }_{1}}{{\left| -1 \right\rangle }_{2}}-{{\left| -1 \right\rangle }_{1}}{{\left| 1 \right\rangle }_{2}} \right)$
について計算すると,
$$\left\langle \varphi \right|\left[ \hat{s}_{z}^{2}\hat{s}_{z}^{1},\hat{s}_{x}^{2}\hat{s}_{x}^{1} \right]\left| \varphi \right\rangle =0$$
となる。
<br /><br />
では粒子1が上向き,粒子2が下向きという状態になる(いわゆる波束の収束)が起こる)のはいつの時点か?この考察では答えを与えていない。粒子1と粒子2はそれぞれ独立に測定を行い,それぞれの観測者は選択的観測を行っている。その独立した測定の結果の整合性を調べると量子論に基づいた連続測定が正しい答え(実験と一致)を与えるということである。
</div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-4978424252029853112022-08-08T18:55:00.002+09:002022-11-07T12:39:44.664+09:00ウクライナ侵攻と抑止力の話<p> ロシアのウクライナ侵攻から半年になろうとしている。いまだに停戦に向けた進捗がみられないのは,残念な限りだ。</p><p>ロシアの侵攻開始から現在の状況について,まるでそれを予言したような論考を見つけた。海幹校戦略研究2015年12月号に<a href="https://www.mod.go.jp/msdf/navcol/assets/pdf/ssg2015_12_02.pdf">「抑止概念の変遷 多層化と再定義」</a>という論考がある。そのなかで,冷戦期の北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構(WTO)の関係の考察が今のウクライナとロシアの関係に非常によく当てはまる。</p><p>それによると;</p><p>1983年にミアシャインマーという人が「通常戦力と抑止」を出版している。(John Mearsheimer, Conventional Deterrence, Cornell University Press, 1983.)</p><p>冷戦期WTOはNATOより通常戦力ににおいて圧倒しており,開戦となるとWTOが電撃的勝利と収める公算が高いとされていた。ミアシャインマーの考察はそれに対する反論であり,以下のような話だ。</p><p></p><ul style="text-align: left;"><li>NATOの通常戦力は劣勢であっても有効な展開によってWTOが電撃的に勝利することはできない。</li><li>WTOは限定的勝利をしたのち,それを防御する方に回らざるを得えず,それ以降消耗戦となる。</li></ul><div>ミアシャインマーは以上のことからNATOの戦力は劣っていても抑止力として機能すると述べている。さらにNATOは精密誘導兵器によって状況をさらに好転できる。つまり抑止力はさらに強化されると期待している。</div><div><br /></div><div>この話を読んで,ロシアのウクライナ侵攻の状況と比較したくなるのは私だけではないだろう。今のウクライナの状況はこれが抑止力とならなかった場合を端的に表している。</div><div>ウクライナで起こったことは,</div><div><ul style="text-align: left;"><li>ロシアは当初キーウを2週間程度で電撃的に制圧すると考えて侵攻したが失敗した。</li><li>その後東部を侵攻したがウクライナの抵抗にあって膠着状態が続いている。</li><li>HIMARSに代表される精密誘導兵器によってロシアは兵站を中心に大きな打撃を受けており,苦戦していると言われている。</li></ul><div>ミアシャインマーの論説から抑止力を除くと今のウクライナの状況はまさに想定通りだ。</div></div><div>なぜロシアは侵攻したのか。ロシアは何を見誤ったのか。西側諸国が最初からウクライナに対する今のような軍事支援を明示すれば,ロシアは侵攻しなかったのか?</div><div>歴史にたらればは通用しないが。。</div><div><br /></div><div>武力の行使の抑止には武力による抑止力の強化しかないというのが現実なのか。これはこれで,悲しい現実だ。</div><p></p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-91214203504155239772022-03-29T14:59:00.007+09:002022-06-14T17:09:57.690+09:00戦争を考えてみた<p> 戦争や平和といった社会科学は専門ではないが,授業で平和科目を担当していることもあり,このことについて考える機会がある。2018年9月の小文でそれについて書いていた。戦争によって命が失われている今,そもそも戦争とはなどという論考をしている意味も疑問に思えるが,あえて今ブログに掲載してみようと思う。</p><p>小文の後半の段落「<b>なぜ暴力なのか</b>」「<b>だから?</b>」のところで,人間の集団(国家)間の軋轢を解決する手段としての暴力(戦争),それをを防ぐメカニズムついて書いている。今ウクライナで起こっていることは,軋轢を解決する手段として暴力は厳然として存在し,世界規模につながった経済活動も戦争を防ぐ抑止力とはなっていないことを示している。</p><p><br /></p><p><b><span style="font-size: large;">なぜ人は戦うのか</span></b></p><p style="text-align: right;">2018年9月14日</p><p style="text-align: right;">2022年3月30日改訂</p><div><p style="text-align: justify;"> この小文は文末に挙げた文献の私なりの解釈をまとめたものに近い。特に3),5)による部分は多いが,文献の理解や考察等,文責は筆者にある。</p><p style="text-align: justify;"><b>戦争とはなにか</b></p><p style="text-align: justify;">戦争について話すまえに,まず戦争とは何かを考えておきたい。ここでは戦争とは人の集団と集団の間におこるいろいろな軋轢を暴力によって解決することを戦争と定義する。このような考え方は有名なクラウゼビッツの戦争論7)で議論されている。言い換えれば外交交渉の手法として暴力が使われるときである。したがってどのような形であれ,交渉が終結すればその戦争は終わる。</p><p style="text-align: justify;"><b>戦争の始まり</b></p><p style="text-align: justify;"><span style="font-size: medium;"></span></p><p style="text-align: justify;"> 人類(ホモ・サピエンス)の本能として戦争はあるのだろうか? どの動物も餌を得るためや子孫を繁栄させるために戦う。狩猟時代の人類にも小規模な集団同士の戦いは存在した。しかし戦争と言えるような大きな集団による戦闘は,狩猟時代には少数の例外を除いて無かったと考えられている。戦争が人間の本能ではない証拠ということである 1)。</p><p style="text-align: justify;">戦争の始まりは農耕の開始と時期を同じくする。約一万年前だ 1)。それ以前の狩猟時代,集団は獲物を求めて常に移動していた。集団同士が出会ったとしても,その間に相互作用が生じる必然性はなく,すれ違うだけだったと考えられる。一方,農耕には土地が必要であり,集団は土地に定着する。それによって隣接する集団との間に相互作用,即ち外交関係が生じる 2)。農業には不作や豊作がつきものだが,狩猟時代のように容易に新たな場所を求めて移動することはできない。ある集団が不作にみまわれたとき,隣接する集団から略奪することによってそれを補うことがある。戦争の始まりである。</p><p style="text-align: justify;"> 農業は多人数による共同作業だ。多人数の集団内には階層が生じ,集団は支配階級と被支配階級に分かれる。不作は集団内に不満を作りだす。支配階級は他の集団から作物を略奪することによって被支配階級に利益をもたらし,それによって自分の地位を保つこともあるだろう。しかし,戦争が人間の本能ではないとしたら,集団間の話し合いによる解決の可能性はないだろうか。もちろん飢えていない集団からみると,供与の対価が無いとしたら,結果として生じるのは不満だけだろう。供与する側の支配者にそれを甘受する理由は無い。だが,戦闘は双方に被害をもたらす。戦いによる悲劇は当時の人類も同じだ。集団間の外交が戦闘に至ることがあったとしても,長期的には平和的な共存に収束する可能性があるのではないか。</p><p style="text-align: justify;"> 平和的な共存は歴史が明確に否定している。戦争が歴史に登場した一万年前以降,人類の歴史から戦争が絶えたことはない。戦争は人類の歴史そのものであり,戦争の指導者として名を残した英雄は,カエサル,ジャンヌ・ダルク,始皇帝,諸葛孔明,平清盛,源頼朝,足利尊氏,織田信長,豊臣秀吉,徳川家康,西郷隆盛,などなど枚挙に遑がない。英雄即ち戦勝者といっても過言ではない。この事実の前には,平和主義という考え方は無意味とさえ思えてくる。そしてこれは,人が戦う理由が単に物的な利害関係だけではないこと示唆している。</p><p style="text-align: justify;"> 英雄は,戦争の別の側面も表す。集団内に不満が生じたとき,支配階級が戦争を起こし被支配階級の不満を抑制すると述べた。戦争は支配階級によって発動され,被支配階級はその恩恵または被害を蒙るという構図にみえる。しかし,英雄を崇拝するのは被支配階級もおなじである。戦争は支配階級が発動し,被支配階級は常に強制や抑圧を受けるとは限らない。例えば日露戦争の時,提灯行列で戦勝が祝われたのは知られている。真珠湾攻撃の際もその国民の多くが歓喜に沸いた。</p><p style="text-align: justify;"> 戦争は支配階級のみによって発動されるのではない。被支配者層も有形無形の利益を得ることによって戦争を支える。1)ではこれを,支配者層と被支配者層の間の利益交換と評している。</p><p style="text-align: justify;"><span style="font-size: medium;"><b>実態のないもの</b></span></p><p style="text-align: justify;">3)によると,人類(ホモ・サピエンス)は約7万年前に起きた認知革命(cognitive revolution)により,抽象的な概念を共有できるようになった。死者を弔う埋葬という行為はその端的な例だ。抽象的な概念に実態はない。フィクションである。人類は神話,宗教, 国家と言ったフィクションを共有し,それによって直接面識のない何千,何万,何億もの個が集団として行動するようになった。実態がない概念であるからこそ面識の無い多数の個が共有できる。これは他の動物にはみられない,現代の人類に大きな繁栄をもたらした要因であり,人類が人類たる所以とも言える。人類以外の類人猿にも集団行動は見られるが,血縁関係を中心とした小規模な集団に留まる。人類とおなじ人属のネアンデルタール人にこの能力はなかった。人類とネアンデルタール人との大きな違いであり,前者が絶滅した要因との説がある。</p><p style="text-align: justify;"> フィクションは,集団における利益も創り出す。当初,集団やその構成員が戦争によって得る利益は物的なものだけだった。しかし,フィクションはそれらに単なる物以上の価値を与える。希少価値のあるものには「貴重な」,また集団の支配者から得たものには「拝領の」というような意味が加わる。さらに集団の中での地位や名誉など,フィクションそのものが構成員にとって利益となる。集団のために犠牲になるという行為はそれを如実に表している。前述の支配者と被支配者の利益交換を通じた協調による戦争の発動は,双方が共通のフィクションによって繋がっているからできることだ。</p><p style="text-align: justify;"> 集団は地上を2次元的に覆うだけではない。言葉の発展は歴史を記録することを可能とし,そのつながりは時間軸にも広がった4)。「先祖代々の」,「伝統的な」という言葉は,これが集団をつなぐ最も重要なフィクションということをも感じさせる。フィクションを元にした集団は時間・空間を覆い,非常に強固かつ大きく発展した。</p><p style="text-align: justify;"> フィクションによるつながりは,農耕が始まる以前の狩猟時代に始まっていた。しかし,狩猟時代は大集団を支えるほどの食料の安定な供給がなく,また常に移動していたため,集団はそれほど大きく成長することはなかった。前述のように土着していない集団同士では外交も限られたものだった。農耕が始まることによって集団は土着し,大きくなる。すでに狩猟時代からそれぞれの集団はその元となる固有のフィクション(理念や宗教)を共有している。異なるフィクション(端的には宗教だろう)によって形成された集団間の外交は単なる物的な利害を超えた複雑なものになり,時に武力衝突となる。近年の戦争は,物的利害より実態の無いフィクションの軋轢が要因になる事も多い。個々の武力衝突の原因は多様で複雑だが,農耕の発展とともに始まったフィクションによる集団の形成,それに伴う複雑な外交関係が戦争の根本的な原因であり,その意味で,戦争も外交交渉の一形態である。</p></div><div style="text-align: justify;"><div><span style="font-size: medium;"><b>なぜ暴力なのか</b></span></div><div> 集団間の衝突の根本的な原因はフィクションの共有による集団の形成という,人類が今日に至る発展を遂げた理由そのものに帰着する。本能ではないにしても性(さが)だろう。 だが,集団間の衝突が人類の性(さが)だとしても,それが暴力に発展する必然はないとも考えられる。個や集団の間に軋轢が生じたとき,その解決を暴力に頼るのは,人類にかぎらず動物一般にみられる行為である。</div><div> 暴力以外で軋轢を解消するためには言語が必要となる。言語の発祥時期の特定は困難だが,複数の材料を組み合わせた道具が約10万前ころからみられ,そのような複雑な技術の伝承には高度な言語が必要と考えられている。即ち10万年前ころには言語が見られたと考えられる。しかし,集団間の紛争を解決できるような複雑な交渉に堪える言語の発達があっただろうか。複雑な交渉には文字による記録が必要と考えると,それが可能になってから高々数千年の歴史しかない。それ以前は暴力以外に軋轢の回避の方法は無かっただろう。集団間の軋轢には限らない,個同士の戦いも暴力が唯一の方法だったと考えられる。</div><div> 言語や文字が十分に発達したのちも,軋轢の解消はまず暴力だった。戦争そのものを規制するまたは違法化するというプランはサン・ピエールの永久平和論(1713)でようやく見ることができる。国際条約として戦争の違法化という動きは,第1次世界大戦以降である。つい20世紀まで前半まで軋轢を解消する方法はまず暴力だった。</div><div> 進化の歴史を考えると,対話による紛争・軋轢の解決は,非常に新しい特殊な手法であり,戦いイコール暴力というのが,人類に限らず動物が共通に持つ性質ではないだろうか。戦争は,フィクションによる集団の衝突という人類の性(さが)と,軋轢を暴力によって解決するという動物の本能が相まって起きる現象と言えるのかもしれない。</div><div><br /></div><div><div><span style="font-size: medium;"><b>戦争はなくせるのか</b> </span></div><div> 戦争が人類の本能ではないにしても,性(さが)であれば,戦争を止めるためにはなにがしかのメカニズム,抑止力,が必要だろう。人類を滅亡させる能力を持つ核による抑止は,その最たるものであろう。戦争の個々の原因を分析し,それを元に戦争をなくすような議論は多く行われている 。しかし「人類がフィクションのもとによって大きな集団として行動する能力」が戦争の根原ならば,個々の戦争の原因追求は根本的な解決にはつながらない。</div><div><br /></div><div> 日本史を振り返ると,江戸時代は約260年にわたって大規模な戦闘が無い状態が続いていた。これは諸藩に対する徳川幕府の強大な軍事力,すなわち徳川幕府に対して攻撃を仕掛けても無駄であるという拒否的抑止力による無戦争状態とも考えられる。実際,幕府の力が弱まり拒否的抑止力が失われると内乱が生じた。だがその内乱の規模は限定的だった。外国からの侵略圧力に対抗するため,国内を一つにまとめる必要が生じ,「日本国」というフィクションによる統合が行われたからだ。現在の日本で内乱は考えられない。しかし,明治維新からまだ150年である。徳川幕府260年より100年以上も短い。なぜ日本が再分割することを想像できないのか? それは,諸外国との外交関係によって日本というフィクションが強固に確立しているからではないだろうか。</div><div><br /></div><div> ならば地球全体が一つの社会として再構成されれば,地球上の戦闘はなくなるかもしれない。歴史をみると,人類全体は大きな集団へと統合つづけていると考えることはできる 3)。それが地球全体を覆うことはあるだろうか。近年,英国のEU離脱,米大統領の言動,フランス国民連合の興隆にみられるナショナリズムは,地球市民の実現には逆行している。明治維新の類推では,宇宙人の侵略があれば,地球人と言うフィクションによる統合があり得るかもしれないが,現実離れしている。</div></div><div><br /></div><div><div><span style="font-size: medium;"><b>フィクション再び</b></span></div><div> 5)は,フィクションを2つに分類している。一つは宗教(religion),もう一つをスピリチュアル(spiritual)としている。</div><div>* 宗教は,教義(法律)を定めそれを信じる(従う)ものとされる。キリスト教やイスラム教など一般的な宗教もあれば,社会主義(国家),民主主義(国家),資本主義なども物理的な存在では無いと言う意味でフィクションであり,それを信じて活動しているものにとっては宗教である。</div><div>* スピリチュアルは,何かを追い求めるフィクションという定義である。我々とは何か?存在とは何か?などの哲学,自然の真理を探究する科学もこの範疇だ。(精神も規則や法則を作ってそれを守る(信じる)ということになれば宗教となる。)</div><div> </div><div> 現代社会で,世界を支配しているフィクションは宗教である。戦争は宗教間(国である事が多い)の戦いだ。それに対し,スピリチュアルは宗教と直交しそれらを貫くフィクションとなり得る。自然科学の探究という名のもとに,国や(狭い意味での)宗教を超えて人々が協力する理由をここに見ることができる。しかし残念なことにスピリチュアルというフィクションは世界を覆って戦争を無くすほど大きく強固なものにはなっていない。ここに宗教とスピリチュアルの大きな違いがある。スピリチュアルは何かを探究し解を追い求めるフィクションである。一方宗教は教義を定め,これに従えば現世だけでなく後世においても幸せになる,という答えを授けるフィクションだ。人は,答えを,言い換えれば救いを授けてくれるものに集まる。科学のようなスピリチュアルが世界を覆うことは想像しがたい。</div><div><br /></div><div><div>現在でも宗教によらずほぼすべての人類が共有しているフィクションは存在する。貨幣である。どの国家の住民も,米国を敵視するテロリストさえも米ドルを信じている。貨幣の価値を信じてそれを追求する活動,経済は世界共通のフィクションとして抑止力となりうるだろうか。</div><div> さらに現代では,一万年の間戦争の大きな要因となった土地の意味が薄れている。現在でも石油など化石燃料は土地に固有の大きな財産だが,他方で知的財産(これもフィクションだ)が人類の財産の大きな部分を占めている。知的財産は土地とは無関係だ。アメリカのシリコンバレーは情報技術の世界的中心だが,シリコンバレーという土地に価値はない。フィクションが戦争の要因自体を変える時代が近づいているのかもしれない。</div></div><div><br /></div><div><div><span style="font-size: medium;"><b>だから?</b></span></div><div> 一万年に及ぶ不断の戦争の歴史が教えることは,戦争を防ぐにはそのためのメカニズムを作らなければならないと言う事だ。 核兵器による抑止力か? それに代わる何らかの抑止力か? 地球市民を創り出す新たなフィクションか? 経済がそれを担うことができるのか?</div><div> 近年のナショナリズムは,地球市民の実現には逆行している。米大統領の保護貿易主義による自国の利益の囲い込みは、戦前のブロック経済をも連想させる危険な行為だ。地球人というフィクションによる一つの世界の実現が当面期待できないならば,外交戦略によって戦争抑止のメカニズムを構築する必要がある。しかし,その具体は難しく混沌としている事は,中東や朝鮮半島の状況が示している。</div><div> 一方でインターネットやAIの発展,それと相まった経済による世界の緊密な繋がり7,知的財産の拡大による土地と財産の関係の変化は,人類社会を大きく変革しようとしている。その速さと大きさは過去一万年の変化以上かもしれない。これらが核も戦争もない世界を創り出す新たなフィクションへと繋がっていく可能性はあるのだろうか。</div><div> </div><div>付記</div><div> 短い文章だが,付記を残しておきたい。この小論では,核兵器の存在や戦争の原因を議論するように努めた。議論は抽象的になり具体性は薄れる。その結果,戦争や核兵器のもう一つの本質である,その行使が作り出す現実が隠れる。外交戦略や核による戦争の抑止の議論に個々の人の姿は見えない。原爆が投下された下では何が起こったのか,戦争の最前線では何が起きているのか。戦争の悲惨さは実際に戦争を体験した方々にとって最も重要な事柄であり,戦争抑止の原動力だ。しかしそれは,戦争を抑止するための必要条件であっても十分条件ではない。一万年の戦争の歴史が示す事実である。この相反する側面をどの様に融合して,戦争の無い世界に向かうことができるのか,筆者は答を持っていない。</div></div><div><br /></div><div><div>参考文献</div><div>1)人はなぜ戦うのか~考古学からみた戦争~<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>松木武彦</div><div>2)新・戦争論<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>伊藤憲一</div><div>3)Sapiens: A Brief History of Humankind<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>Yuval Noah Harari</div><div>4) 暴力はどこからきたか<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>山極寿一</div><div>5)Homo Deus: A Brief History of Tomorrow<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>Yuval Noah Harari</div><div>6)More On War<span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span><span> </span>Martin van Creveld</div></div><div>7)戦争論(まんがで読破) クラウゼビッツ,バラエティ・アートワークス</div><div> </div><div><br /></div><div> </div></div></div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-33193130943308946432022-02-26T19:44:00.006+09:002022-03-03T16:12:15.263+09:00人権とか民主主義とか<p> なぜ人権を尊重するのか。客観的な理由はない。人間の作る社会集団の規模がとても大きくなっている。数十億の人が経済的、政治的に強く繋がった共同体をつくっている。そのような非常に大きな共同体が持続的に繁栄していくための基盤として人権の尊重、民主主義を共有する。現在の世界はこの思想を共有する集団が多数派となっている。</p><p> 人権主義や民主主義はそれが正しいと理由で多数派なのではなく、歴史の中で勝者となったから多数派を構成している。私は構成員の1人としてこの考え方を支持している。人権主義や民主主義という宗教の信者と言うこともできる。</p><p>ここ数ヶ月世界で起こっている事は、人権主義や民主主義が歴史的な勝者と言うのは時期尚早と言う事なのだろう。。</p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-78300713375507941042022-02-24T18:14:00.000+09:002022-02-24T18:14:05.373+09:00冬のスポーツの物理7:スケートはなぜ滑る?<p> 冬のスポートの物理についていくつか調べていて,スケートやスキーが滑る理由はどうなっているのだろう。よく分かっていないという話を聞いた記憶があるけど。。</p><p>少し調べたのだが,これは,,,禁断のネタだった。。。とても難しく,今でも解決しているのかどうか分からない。</p><p>以前はこんな説があった。</p><p>1)圧力融解説。</p><p>圧力をかけると氷がとけてスケートの刃と氷の間の水が潤滑剤になるという説。しかし人がかける圧力は小さすぎとか,この説では説明できない低温でも氷の上は滑るなど。現在では否定されている。</p><p>2)摩擦融解説</p><p>スケートの刃と氷の間の摩擦で氷がとけて滑るというせつ。しかし,滑りやすいと摩擦は小さくなって氷が溶けにくくなるという矛盾がある。</p><p>少し調べてみると2021年にこのことについての論文が2本見つかった。どちらもPhysical Review Xという有名な論文誌に掲載されているのだが,この2つ違うことを言っているように見える。ちょっと紹介してみよう。</p><p><br /></p><p>1つはNanoreollogy of Interfacial Water during Ice Gliding(氷滑走における表面水のなのレオロジー)*</p><p>レオロジーというのは日本語で流動学。物体の変形や流れの研究分野。</p><p>この論文は氷と物体との間にある水(Interfacial Water)の特性を調べている。その結果,氷の物体の水は普通の水とは性質が大きく違う粘性を持っていると結論している。つまり油のような性質をもっているということだ。氷が滑るのは氷と物体の間に油があるような状況ということのようだ。この粘性は温度とともに代わり,もっとも滑りやすいのは-10℃くらいと言っている。</p><p><br /></p><p>もう1つはFriction on Ice: How Temperature, Pressure, and Speed Control the Slipperness of Ice (氷上の摩擦:温度,圧力,速度がどのように氷の滑りやすさに関係するか)**</p><p>この論文は氷の摩擦係数を温度,圧力,スピードを変えたいろいろな条件で調べて,それと分子運動学の計算を比較している。その結果から,</p><p>「氷の内部は分子同士がしっかり結合した結晶だが,表面には動きやすい水分子が存在する。そのおかげで氷は滑りやすい。」</p><p>という説だ。この効果は氷の温度が低いと小さくなり高いと大きくなる。なので温度は高い方が良いのだが,温度が融解点(0℃)に近づくと氷の表面が削れら足りして変形しやすくなって,摩擦は大きくなる。彼らの研究では-6℃くらいが最も滑りやすいとなっている。</p><p><br /></p><p>実際のスピードスケートで使われる-5℃くらいの氷温の摩擦はどちらの論文も同程度の結果のようだ。一方は摩擦に関与する潤滑水の性質を直接調べたもの,一方は摩擦の測定と計算の比較なので違う手法なのだが,2つは同じことを言っているのだろうか?</p><p>同じことを違う側面から見ているような気もするが,専門外の論文なのでよくワカライ。。。</p><p>* Physical Review X 11, 011025(2021)</p><p>**Physical Review X 9, 041025 (2019)</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-18413501104528938482022-02-21T18:50:00.010+09:002022-02-22T17:46:20.381+09:00冬のスポーツの物理6:スラップスケート<p> スピードスケートのトラックはダブルトラックが使われる。これはインコースまたはアウトコースからスタートして,トラックを半周したところでインとアウトが入れ替わる方式だ。 500mのような短距離のレースの場合,インスタートアウトスタートでタイムに差があるではないかと言うことが問題になる。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjiZPrUkzX0U8xWZ-BTE0YyXK651R_3RecaeDlUNjaNOXlvYV7pJgJjAe1rTl4mYwo4pz6D0pXVGOPtfEszCzL_hSeRWDUFMGPBgJP1m0gHuhfR59QXeGMQB9BS7-XDr7R0ecAZp9DPn3G1Xf1konWMfrcLVByQGsq9FicX3oMTo3RrgtdNx0QQtnHp3A=s964" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="464" data-original-width="964" height="154" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjiZPrUkzX0U8xWZ-BTE0YyXK651R_3RecaeDlUNjaNOXlvYV7pJgJjAe1rTl4mYwo4pz6D0pXVGOPtfEszCzL_hSeRWDUFMGPBgJP1m0gHuhfR59QXeGMQB9BS7-XDr7R0ecAZp9DPn3G1Xf1konWMfrcLVByQGsq9FicX3oMTo3RrgtdNx0QQtnHp3A=s320" width="320" /></a></div><p> トラックを一周するとき。後半のカーブの方がスピードが上がっている。なので後半を半径の大きなアウトコースを走る。つまりインスタートの方が有利ではないかということだ。実際,<a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/2g.html">スピードスケートと横G</a>でやった計算を使うと,時速約60kmでカーブに入ったとき,インとアウトコースでは横方向の加速度が15%ほど違う(インコースの方が大きい)。そのため1998年の長野オリンピックの頃はインスタートとアウトスタートの2回走って,その合計タイムで順位を争っていた。</p><p>しかし最近の 500mは1回のレースで順位を決めている。技術や用具の発達でインスタートアウトスタートにそれほど差がないと考えられるようになったからということだ。</p><p> 用具の発達の一つにスラップスケートというのがある。これを考えてみよう。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjwwCbLvjnCBdMLiLSfAVVcRoW2OC9IDVkW47_TblpA2va3KZ-Le4xKB8hcRAXkQJGIgok_zrZbHlpokjdRPBTb9iY8Z2jp657MkKmnp_-dDQWVE90rIhc1EwJ4Mc1Oc0jTjoKAlT1sif86UdaNPJc2wqEyVmAsfkhV00Rmu4c5gVxSQFC7nG81rhHqPA=s1857" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="441" data-original-width="1857" height="95" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjwwCbLvjnCBdMLiLSfAVVcRoW2OC9IDVkW47_TblpA2va3KZ-Le4xKB8hcRAXkQJGIgok_zrZbHlpokjdRPBTb9iY8Z2jp657MkKmnp_-dDQWVE90rIhc1EwJ4Mc1Oc0jTjoKAlT1sif86UdaNPJc2wqEyVmAsfkhV00Rmu4c5gVxSQFC7nG81rhHqPA=w400-h95" width="400" /></a></div><p>スラップスケートというのはスケート靴の踵と刃(ブレード)が離れる機構をもった靴のことだ。図の左はスラップスケートで滑走している様子を表している。後方(スケートの場合まっすぐ前にはキックできないので斜め後方だが)に強く蹴り出して前進するためには,踵をあげて大きく前傾した方がよい。スラップスケートの場合,踵をあげてもブレードは氷のから離れずに氷を蹴ることができる。</p><p>真ん中は踵とブレードが一緒に持ち上がるときの様子。踵をあげるとブレードの前側だけが氷をける。すると氷に対する圧力が大きくなって氷を削ってしまうだろう。そうなると氷とブレードの摩擦が大きくなってスピードが落ちてしまう。</p><p>スラップスケートでないときにブレードが氷から離れないようにするにはどうすればよいだろうか。右の絵がその様子だ。ブレードを氷の上に残すためには踵を上げることができず,その結果蹴り足を十分に伸ばすことができない。結局氷に力を伝える時間が短くなっている。力学の言葉では力×時間を力積と言い物体の運動量の変化になる。今の場合は速度の変化(増加)と考えることができる。</p><p> スラップスケートは氷を蹴る力を効率よく選手速度の増加に変えることができる。もちろん従来のスケート靴とは滑る技術も違のでそれに適応するための練習時間が必要だ。1998年の長野オリンピックはスラップスケートが使われ始めた頃だった。スラップスケートの効果についての科学的な解析はすぐになされたようだ。それを踏まえて長野オリンピックにどう対応したのか,<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/24/2/24_KJ00000972649/_article/-char/ja/">選手,科学者,開発メーカーも含めた興味深い研究記録が残っている。</a></p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-70680385279790860732022-02-19T13:04:00.004+09:002022-02-19T18:16:35.837+09:00冬のスポーツの物理5:スノーボードクロス バンピング<p> スノーボードクロスやスキークロスの技術にバンピングというのがある。コース上のウェーブという波打ったところで加速する技術だ。ウェーブはコースが波打っているが全体では緩斜面になっている。原理的にはコースに傾斜がなくても加速できる。この仕組みを考えてみよう。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEgBogmLFaJrnoJWbrFhkEHWnTe6NIrnJamBt_bFasR6M694FL4uLMA6wVmax8bZnGLtgu2JEbLYlmu01uXo7eAoi4An7K565FPTAbFiGUomzU_9kB7ManPCPKbjxnw6Zn3EMZe4i7n0H7SmtL3SH-P5e9028zLpwvGKuJ9o1naZ7WOnr_ZA6BMBa2EbfQ=s1763" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="313" data-original-width="1763" height="71" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEgBogmLFaJrnoJWbrFhkEHWnTe6NIrnJamBt_bFasR6M694FL4uLMA6wVmax8bZnGLtgu2JEbLYlmu01uXo7eAoi4An7K565FPTAbFiGUomzU_9kB7ManPCPKbjxnw6Zn3EMZe4i7n0H7SmtL3SH-P5e9028zLpwvGKuJ9o1naZ7WOnr_ZA6BMBa2EbfQ=w400-h71" width="400" /></a></div><br /><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br /></div><p>原理は<a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/1.html">フィギュアスケートのスピン</a>と同じだ。スピンでは腕をたたんだが,スノボクロスでは代わりにウエーブの底で立ち上がることによって加速している。スピンのところで話した角運動量保存保存則より,<a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/3.html">続回転速度を速くするには</a>で計算した<span style="background-color: white;"><span style="color: #800180;">遠</span><span style="color: #ff00fe;">心力に逆らってした仕事が速度に転嫁された</span></span>,という方が直感にあっているかもしれない。とにもかくにも,速度が大きいウエーブの底で立ち上がるのがコツだ。その後ウエーブを上ると速度が落ちるがウェーブの底で加速したぶんだけ速度がましている。2番目の頂点では素早くしゃがみ込む。すると,次のそこでもう一度立ち上がって加速することができる。後述するようにウェーブの頂点でしゃがみ込むときに速度は変化しない。選手はこれを繰り返して加速しているのだ。いくらでも加速できるわけではない。頂点での速度が速すぎると板が浮いて(ジャンプして)しまい,次のウェーブでの加速にうまくつながらない。</p><p><br /></p><p>計算してみよう。(高校3年生レベルの物理かな)</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEgB_iXVKvnOrBEtzl6JJcgecFDLqNTUl7WEWhr9G0h749NLEvcOuJe1PcBhHqOyRuTcGe8sAihKf86anFz1vi6a2ypLxIlnNzDqM5IwtS7FQR5sg9Za6l_nLrVIE5tvRo692v7WsRV4D4nUPHYfgUllq7sgTPKKsNppz1BNyaVxy8qtqQWbqkTySACZng=s1252" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="411" data-original-width="1252" height="131" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEgB_iXVKvnOrBEtzl6JJcgecFDLqNTUl7WEWhr9G0h749NLEvcOuJe1PcBhHqOyRuTcGe8sAihKf86anFz1vi6a2ypLxIlnNzDqM5IwtS7FQR5sg9Za6l_nLrVIE5tvRo692v7WsRV4D4nUPHYfgUllq7sgTPKKsNppz1BNyaVxy8qtqQWbqkTySACZng=w400-h131" width="400" /></a></div><p>コースのモデルとして図のような半径$R$の円弧が組み合わさったものを考えよう。ウェーブの頂点と谷の高さの差$H$とする。最初の頂点で選手は止まっていたする。選手の体重(質量)を$m$,重力加速度を$g$とすると,滑りおりた底での速度$v_1$は力学的エネルギー保存則から</p><p>$\frac{1}{2}mv_1^2=mgH$</p><p>$v_1=\sqrt{2gH}$ </p><p>となる。ウェーブの底で立ち上がることによって,選手の重心が$h$だけ高くなったとする。これは選手の回転の半径が<span>$R$から$R-h$に変化したことになる。立ち上がった後の速度を$v_h$と書くと,</span><a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/3.html">続回転速度を速くするには</a>の(1)式で$v_{R_0}$を$v_1$,$R_0$を$R$,$R_1$を$R-h$に置き換えれば求まる。</p><p>$v_h=\frac{R}{R-h}v_1=\frac{R}{R-h}\sqrt{2gH}$</p><p>次のウェーブの頂点での速度を$v_2$として力学的エネルギー保存則を考えると</p><p>$\frac{1}{2}mv_2^2=\frac{1}{2}mv_h^2-mgH$</p><p>$v_2^2=v_h^2-2gH=\frac{R^2}{(R-h)^2}2gH-2gH=2(\frac{R^2}{(R-h)^2}-1)gH$</p><p>$v_2$が正になるのはすぐにわかるだろう($1<\frac{R}{R-h}$)。2番目の頂点では速度が増えたわけだ。</p><p> 次に2番目の頂点でしゃがみ込むのだが,これは重心が重力中で落下しているだけなので滑走速度は変わらない*。逆に重心の落下より速くしゃがんでしまうと足が雪面から浮いてしまう。</p><p>ウェーブの頂点で選手を下向きに引っ張っている力は重力$mg$だ。ウェーブの頂点で斜面にそって滑っている選手は半径$R$の円運動をしている。このとき選手が感じる遠心力は$m\frac{v_2^2}{R}$になる。これが重力より大きくなると,選手は雪面から離れてしまい,頂点でジャンプしてしまい次のウェーブでうまく加速できない。選手はこれを調整しながらこバンピングしているわけだ。</p><p>具体的な数値はどれくらいなのだろう。コース設計の情報はわからないが,</p><p>$H=1.5m$ 人の背丈より少し低いくらい。</p><p>$R=5m$ 動画を見た感じ?</p><p>$h=0.5m$ しゃがんだ姿勢と立った姿勢で人の重心の位置がこれくらい変わる?</p><p>これらを使って計算すると</p><p>$v_1 \approx 5.4 m/s$</p><p>$v_h \approx 6.0 m/s$</p><p>$v_2 \approx 2.6 m/s$</p><p>1回バンピングすると,速度が$2.6m/s$増えるという結果になった。それらしい数字だろうか?またこの割合でバンピングを繰り返すと3回目には足が雪面を離れてしまうので,調整しなければならないという結果になった。それらしい??</p><p>*もし選手の足が雪面から離れないような工夫をして(たとえばレールの上に足を固定して滑るとか)力を使って落下速度より速くしゃがめば加速できるが,,,</p><p><br /></p><p>おまけ</p><p> バンピンングと同じ原理は他の競技や遊具にも使われている。</p><p>ブランコの立ち漕ぎはバンピンングの原理そのままだ。ブランコを前後に振ったところでしゃがみ込み、最下点で立ち上がる。座り漕ぎの場合はあまり目立たないが原理は同じだ。後に振ったところで足を曲げ、最下点から前に振り上げるあたりで足を伸ばす。これによって重心の位置を上げている。さらに体全体を後ろに反ることによってより重心を高くしている。立ち漕ぎの場合も屈伸をする代わりに、最下点を通って前方へ振り出すところで後ろに反るようにして足を前に出す動作で漕ぐこともできる。</p><p>もう一つの例は、鉄棒の大車輪。鉄棒の上から体を振り下ろすときは、体を後ろに反り気味にしておいて、最下点から前に振り上げる時に足を前に出して体を曲げる。この動作で重心を持ち上げている。大車輪の映像を見るとこの時回転の速度が上がっているのがわかる。この動作は体操用語で「あふり」と言うそうだ。原理はバンピンングやブランコと同じだ。</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-78820376127889139502022-02-17T15:37:00.021+09:002022-02-17T17:51:31.169+09:00冬のスポーツの物理4:スキージャンプ<p> スキーのジャンプ競技は空力との戦い。複雑すぎて定量的な話はとても無理。</p><p>まず,<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/42/3/42_159/_pdf">参考文献</a>。スパコンも動員してジャンプの空力を研究した話だ。このお話は参考文献の私なりの解釈です。</p><p>よく知られているように,スキージャンプはジャンプといっても斜面に沿って落下しているようなものだ。踏切では体を大きく前に投げ出して,ほとんど水平に近い形になる。しかし、そもそも飛んでいく方向が下向きなので,進行方向と体の角度,いわゆる仰角はとても大きくなる。これがジャンプの特徴だ。図はその様子を表している。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEixWjlOuXuP88AeW2s_rCTxiyY5ks3cu3x-O-eALSpUdUjY48fecjlMzmckUkuu1P3WxUG6_xx9E9pLPo-AIeLt-8yuArU93I9GDZ-ejMRQ7aCOdOxdMsMMnNIq4wsCNSKbaXr9HTx156o5pxK2HMMDjDb1u7w0spyx2KDEcdtJNjNcLynQq7HFJ_ganQ=s1170" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="494" data-original-width="1170" height="135" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEixWjlOuXuP88AeW2s_rCTxiyY5ks3cu3x-O-eALSpUdUjY48fecjlMzmckUkuu1P3WxUG6_xx9E9pLPo-AIeLt-8yuArU93I9GDZ-ejMRQ7aCOdOxdMsMMnNIq4wsCNSKbaXr9HTx156o5pxK2HMMDjDb1u7w0spyx2KDEcdtJNjNcLynQq7HFJ_ganQ=s320" width="320" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br /></div><p> ジャンプの空力特性は飛行機の翼と同じように考えることができる。進行方向に向かって仰角をとることによって翼(体)の下側の空気が曲げられ,下から押される力が働く。忘れてはいけないのは翼(体)の上を通る気流も体に沿って曲がるということだ。これをコアンダ効果という。これによって翼(体)には上に引っ張り上げられる力もはたらく。飛行のときにはこれらが合わさって,気流から進行方向と反対向けに受ける抵抗「効力」と,上に持ち上げる力「揚力」が発生する。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEj448qrgrFmeS5ZmNX4Ia7bjr4wEWdW-Y8pNGzL6vfN46G8uHVu8SHskyeoJ_7WLB6fg-Ux6L9BiCysvxzd7nPwAnlNkJc37OSwgT5y58FQQxIiJ53RhuMpTcMschOht2EqWO4KROZPhd38kxwFJ9J1X7BsI0vOUqOyWyM1HZS58rGYdmgNw_Bzb7pzTw=s1057" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="561" data-original-width="1057" height="170" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEj448qrgrFmeS5ZmNX4Ia7bjr4wEWdW-Y8pNGzL6vfN46G8uHVu8SHskyeoJ_7WLB6fg-Ux6L9BiCysvxzd7nPwAnlNkJc37OSwgT5y58FQQxIiJ53RhuMpTcMschOht2EqWO4KROZPhd38kxwFJ9J1X7BsI0vOUqOyWyM1HZS58rGYdmgNw_Bzb7pzTw=s320" width="320" /></a></div> 参考文献をもとに筆者作成<p> 飛行機の飛行とスキーのジャンプは仰角に大きな違いがある。飛行機はエンジンを使って前向きの推力を得ている。なので仰角が小さくても充分な揚力を超えることができる。この状況で仰角が大きすぎると,効力、すなわち進行方向に対する抵抗が大きくなるので得策ではない。</p><p> スキーのジャンプはエンジンのような推力をもたない。それに代わるものは重力だけだ。その結果飛行機と比べると大きな仰角をとって揚力を得ている。飛行機が水平飛行しているとの仰角は3°から5°くらい。離陸のときは大きな仰角をとって揚力をえるがそれでも15°程度のようだ。スキーのジャンプの仰角は最大で40°近くになる*。仰角が大きくなればなるほど揚力も大きくなるのだがどこまでも大きくすればよいというものではない。仰角が大きすぎるとコアンダ効果が働かなくなり,体の上側の空気が体にそって流れなくなる。これは飛行機の翼でも起こりうることでいわゆる失速状態だ。こうなってしまうと安定した飛行ができなくなり落下してしまう。ジャンプで遠くに飛ぶコツはいかにしてこの安定した飛行体勢を続けるか。適切な抗力と揚力をえる仰角を維持するかだ。適切な仰角は時々刻々と変化していることを忘れてはいけない。</p><p> スキージャンプのもう一つの大きなポイントは踏み切り(サッツ)。選手は時速90キロ近くで踏み切って飛行体勢に移る。そのときいかに早く安定した飛行体勢をとることができるかが勝負のポイントになる。それだけではない。ジャンプ台を滑り降りている姿勢から飛行体勢になるときには,体の形状が大きく変わる。そのときは体の後ろ側の気流も大きく乱れるだろう。理想的な翼の形とはかけ離れている状態だ。いかにして気流をを乱すことなく素早く安定した飛行体勢に移るか。とても難しそうだ。</p><p> 助走から踏み切りで安定した飛行体勢に移る。その飛行体勢を長く安定に維持する。これがジャンプの主要なポイントのようだ。適切な飛行体勢,例えば仰角は時事刻々と変わっている。風も吹いている。風の状況がジャンプの結果に大きく影響するのはテレビ中継を見ていてもよくわかる。</p><p>ところでいいジャンプの条件は調べるとある程度分かる。だが選手はそれを実現するためにどういう動作をすれば良いのだろう?どのようなトレーニングをすれば良いのだろう?</p><p>滑走から飛行体勢への大きな変化。飛行中も風の変化。一流のジャンパーはこの状況を的確に把握して対応し遠くに飛ぶ技術を身につけている。どうやっているのだろう。ビデオ,最近では流体力学のシミュレーション,それらを見ながら試行錯誤して理想的な飛び方を体得して行くしかないのだろうか。小林陵侑選手に代表される一流選手と他の選手は何が違うのかなあ。。。</p><p><span style="color: #ff00fe;">「風をつかむ能力に秀でている?それは一体何?」</span></p><p><br /></p><p>*仰角は飛行中に大きく変化する。踏み切りのとき選手は下向きに飛び出すので仰角は負になる。そのあとすぐ正の角度になる。着地直前には40°近くになるようだ。</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-27832708096630892272022-02-17T12:07:00.006+09:002022-02-19T10:43:25.044+09:00冬のスポーツの物理3:続回転速度を速くするには<p> これは,<a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/1.html">冬のスポーツと物理1:フィギュアスケートのスピン</a>の続き。</p><p>計算ばかりなので,興味ない方はスキップしてください。(^^;)</p><p>前回の後半で,角運動量保存則を利用してスピンを早くすると,回転のエネルギーは増えることを言いました。実際に計算してみよう。内容は大学初年程度の物理になります。</p><p><br /></p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEhxXQ14sb69iavGI_y-yjbaDkEkBsplFzFD-ILpJ8tasVxSOVf0MhfnXC-nAv9s-ffL7R8TeAlrsAy7txOdC96gHeotrPbkRTCDdXV6BZ9O0pJQCX3WtshPQxOosmLrI46jrMrmHmI__BE325NCVRodH2P1WbGnKfG5ic9Ttwalj7f1GEMYBtKJDcN0nA=s762" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="299" data-original-width="762" height="158" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEhxXQ14sb69iavGI_y-yjbaDkEkBsplFzFD-ILpJ8tasVxSOVf0MhfnXC-nAv9s-ffL7R8TeAlrsAy7txOdC96gHeotrPbkRTCDdXV6BZ9O0pJQCX3WtshPQxOosmLrI46jrMrmHmI__BE325NCVRodH2P1WbGnKfG5ic9Ttwalj7f1GEMYBtKJDcN0nA=w400-h158" width="400" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br /></div><p>まず,質量$m$の質点が半径$R_0$で回転しているとします。質点の速度を$v_{R_0}$としましょう。このとき角運動量は$運動量×回転半径$となります。なので角運動量$h$は</p><p>$h=mR_0v_{R_0}$</p><p>運動エネルギーを$E_{R_0}$と書くと</p><p>$E_{R_0} = \frac{1}{2}mv_{R_0}^2$</p><p>です。</p><p>次にこの質点の回転半径が$R_1(<R_0)$になって,速度も$v_{R_1}$なったとします。角運動量が保存していると,</p><p>$mR_1v_{R_1} = mR_0v_{R_0}$</p><p>なので,</p><p>$v_{R_1} = \frac{R_0}{R_1}v_{R_0}$ (1)</p><p>となります。このとき,運動エネルギーを$E_{R_1}$と書くと</p><p>$E_{R_1} = \frac{1}{2}mv_{R_1}^2=\frac{1}{2}m\frac{R_0^2}{R_1^2}v_{R_0}^2$ (2)</p><p>$R_1<R_0$なので運動エネルギーは$\left(\frac{R_0}{R_1}\right)^2$倍になっています。</p><p>運動エネルギーの差は</p><p>$E_{R_1}-E_{R_0}=\frac{1}{2}m(\frac{R_0^2}{R_1^2}-1)v_{R_0}^2$ (3)</p><p><br /></p><p>次に質点に働く力から質点の回転半径を変化させるために必要なエネルギーを計算しましょう。</p><p>半径$r$ ($R_1 < r < R_0$)のときの質点の速度$v(r)$は(1)から</p><p>$v(r) = \frac{R_0}{r}v_{R_0}$</p><p>このとき,質点を回転させるために必要な力(向心力と言います,遠心力と反対向きで大きさは同じ)は</p><p>$F(r) = -m\frac{v(r)^2}{r} = - m\frac{R_0^2}{r^3}v_{R_0}^2$</p><p>です。負号は回転中心方向に引っ張る力という意味を表しています(このあたりをちゃんとやるには極座標の知識が必要になります)。</p><p>この力が働いているとき,質点の回転半径を$R_0$から$R_1$まで変化させる(質点を引っ張ることになります)ために必要な仕事を計算します。</p><p>$ W = \int_{R_0}^{R_1} F(r) dr = -mR_0^2v_{R_0}^2\int_{R_0}^{R_1} \frac{1}{r^3} dr = -\frac{1}{2}mR_0^2v_{R_0}^2\left[-\frac{1}{r^2}\right]_{R_0}^{R_1}$</p><p>$= \frac{1}{2}mR_0^2v_{R_0}^2\left[\frac{1}{R_1^2}-\frac{1}{R_0^2}\right]=\frac{1}{2}mv_{R_0}^2\left[\frac{R_0^2}{R_1^2}-1\right]$</p><p>予想通り(3)と同じ結果になりました。</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-58369063409621337872022-02-16T17:09:00.003+09:002022-02-17T13:37:23.032+09:00冬のスポーツの物理2:スピードスケートと横G男子の500mの選手は後半のカーブを時速60km程度で走る。先日の北京オリンピック,銅メダルを獲得した森重選手は時速58㎞くらいだった。<div><div><br /></div><div> $ v = 50km/h \approx 16.1 m/s $</div><div><br /></div><div>スピードスケートのトラックのカーブは図のようになっている。</div><div><br /></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEicr35SSUOxrJ2m1qTid5Vl2qMpVEeQkc0bStXNQz56vzBEFasBb07bXxblCgqOPxHHDkkLtcEN0E39hyUEfCPNjCYf8yYhBWRvlwLklYFGGseINUErDo0eo_rdBNXbgK570l5uZuTgshYplUdlkuu9NrHNJ8U9OOjnaWnMXWvgHooJljGIh-1CwZNZ-g=s964" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="379" data-original-width="964" height="158" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEicr35SSUOxrJ2m1qTid5Vl2qMpVEeQkc0bStXNQz56vzBEFasBb07bXxblCgqOPxHHDkkLtcEN0E39hyUEfCPNjCYf8yYhBWRvlwLklYFGGseINUErDo0eo_rdBNXbgK570l5uZuTgshYplUdlkuu9NrHNJ8U9OOjnaWnMXWvgHooJljGIh-1CwZNZ-g=w400-h158" width="400" /></a></div><div><br /></div>森重選手は内側のレーンの真ん中位を走っていた。そのときのカーブの半径を約$r\approx28m$と考えよう。したがって森重選手がうける遠心力は<div><br /></div><div>$\frac{v^2}{r}=\frac{16.1^2}{28}\approx 9.3 m/s^2$</div><div><br /></div><div>重力の加速度は約$9.8m/s^2$なのでほとんどそれに近い数字だ。つまり自分の体重に匹敵する力に対抗してカーブを曲がっているのだ。少しのミスで外側にコースアウトしてしまうのも納得できる気がする。</div>ところで自動車のタイヤの摩擦係数は乾いたアスファルト上で0.8くらいらしい。すると車が耐えられる(曲がることができる限界の)横gは0.8gと考えることができる。<div><br /></div><div>スピードスケートの選手は,乾いたアスファルト上のでの自動車の限界を超えた急カーブを氷の上で切っていることになる。<br /><div><br /></div></div></div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-46865599666117459802022-02-16T16:35:00.008+09:002022-02-17T12:08:28.089+09:00冬のスポーツと物理1:フィギュアスケートのスピン<p>北京冬季オリンピックも後半に入った。オリンピック競技と物理の関係を書いてみる。</p><p>その第1弾。</p><p>「フィギュアスケートのスピンで,始め腕を大きく広げてスピンをして,そのあと腕を体の方に畳むと回転が速くなるのは角運動量保存則の結果」というのは物理の授業あるあるとして(一部では?)有名な話。</p><p>角運動量というのは</p><p>角運動量=慣性モーメント×回転の速度</p><p>で定義される量だ。</p><p>回転の速度は1秒間に何回転と考えて差し支えない(物理業界では1秒間の回転数×2πだが気にしないことにする)。</p><p>慣性モーメントは物体の回転のしやすさ/しにくさを表す量。これが大きいと回転しにくい(回転しているものはとまりにくい)。質量が同じでも回転半径が大きいと大きくなる。例えば質量が同じ輪(円環)でも半径の大きな輪の方が回転を与えにくく,逆に回っている輪はとまりにくい。</p><p>この角運動量が運動中変わらないというのが運動量保存則だ。フィギュアスケートのスピンではこればほぼ成り立っている。例えば腕をひろげた状態と畳んだ状態で慣性モーメントが2倍違うと回転の速度も2倍違うことになる。</p><p>実際はどうなのだろう。人の体型はとても複雑なので簡単なモデルで考えてみる。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjeRJXIKS47ZOWg0U6dJ9VTG_hG-KR4Xm9aPUo20pzVHke56Emj8XvPRsRmgXKSCJsAlfl9rJrkDhVTT4qIXeDJq8HsF6Lx9fdNYA1ow7wOlSIKn7GoMVrsecD8pn0DDMBTss739RkvzYV_KU6_duUYP9Yufe3vixYJuCLX-NDFlUL5xw8mQ0iEI_9Wyw=s1284" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="816" data-original-width="1284" height="203" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjeRJXIKS47ZOWg0U6dJ9VTG_hG-KR4Xm9aPUo20pzVHke56Emj8XvPRsRmgXKSCJsAlfl9rJrkDhVTT4qIXeDJq8HsF6Lx9fdNYA1ow7wOlSIKn7GoMVrsecD8pn0DDMBTss739RkvzYV_KU6_duUYP9Yufe3vixYJuCLX-NDFlUL5xw8mQ0iEI_9Wyw=s320" width="320" /></a></div><p>図のように,人を体重(腕も合わせて)60kg,体の形は半径20cmの円筒とする。この円筒から長さ60cmの円筒形の腕がでている(円筒の中心から測ると80cm)。腕の重さはそれぞれ3kgとしよう(腕の重さは上腕,下腕,手を合わせて体重の5%くらいだそうだ)。腕を畳んだ状態では半径20cmの円筒形になる。</p><p> この形で腕を伸ばした状態の慣性モーメントを計算してみると約1.2[kg m^2]となった。腕を畳んだ状態では約2.8[kg m^2]。つまり腕を伸ばした状態とたたんだ状態で慣性モーメントは2.3倍違う。角運動量保存則を当てはめると腕を伸ばしたときと畳んだときで回転のスピードが2.3倍!になるという結果だ。</p><p> ところで角運動量は変わらないが,回転のエネルギーは腕を広げたときよりも畳んで早く回転しているときの方が大きくなってる。腕は遠心力で広がろうとするのでそれに逆らって畳んむために力を使って腕を引っ張りこまなければならない。そのとき腕の力を使って行った仕事(エネルギー)が回転のエネルギーに転嫁したと考えることができる(エネルギー保存則!)この部分,<a href="https://muchu.huhep.org/2022/02/3.html">こちらで大真面目?に計算してみました。</a></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-51854638542969064352022-01-19T17:40:00.003+09:002022-01-19T17:40:33.133+09:00科学とは?宗教とは?科学とは何か,宗教とは何か,書いておこう <div><br /></div><div>科学
</div><div> 身の回りの現象を客観的な言葉で記述すること。どのような言葉を使うかは記述する対象による。 </div><div>人間のもつ最も客観的記述に適した言語は数学である。物理学の場合,自然現象を数学という言葉で記述する。歴史的には自然現象を記述するためにその言語である数学の発展を促したこともある。力学を記述するために微分積分学が発展したのは典型的な例。 </div><div>客観的ということが重要。個人の思いである主観による主張は科学とは言わない。 科学とは現象を記述することであり,その社会的影響などの倫理的な側面について科学自体は何も語らない。 </div><div><br /></div><div>宗教
</div><div> 人間がつくりあげた物語。客観性は求められない。多くの場合虚構(フィクション)であり,それを(間主観)を共有することによって集団を形成する。 </div><div>この観点では,国家,資本主義,社会主義など人類の集団はほぼすべて宗教と考えることができるが,通常は人が生きていくときの持つ不安(例えば死に関すること)
を和らげるたり救済する物語が宗教と呼ばれる。</div><div>人の行動はほぼすべてなにがしかの主観的な思想すなわち広い意味での宗教によって起こされる。 また前述の科学の社会的意義や倫理も宗教である。</div>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-64170194785362426142021-05-08T22:02:00.002+09:002021-05-08T22:02:40.035+09:00耳の様子<p>4月23日の 手術後、左耳の聴力の改善を実感できていなかった、退院前(4月28日)の聴力検査でもあまり改善していなかった。(耳に綿が入っているが)</p><p>低音は多少の改善が見られるが、中高音は改善していない。</p><p>その後もひだり耳は痺れた感じや、ものが詰まった(自然に溶ける綿が入っている)感じが続いていた。</p><p>今日(2021/05/08)も痺れた詰まった感じは残っているが、突然左耳から高い音が入るようになった。試しに右耳を塞ぐと左から高めの音が聞こえる。聴力改善の兆しだろうか?</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-33293085689478381742021-04-30T10:59:00.006+09:002021-04-30T11:09:45.472+09:00退院<p> 4月28日</p><p>病棟内は動けるが,一階のコンビニには行けない。11時頃コンビニが出張してくるので洗剤を購入。</p><p>午後外来で診察と聴力検査。病棟外へ歩いて行く許可はでていないので,看護師さんが車椅子で連れて行ってくれた。</p><p>聴力検査の結果は今ひとつ。</p><p> 骨伝導は異常なし。</p><p> 鼓膜を通した検査では,低周波数側は改善がみられるが,中高音域は以前とと同じ。といってもまだ耳に詰め物をしているので,その状態で以前と同じというのは改善しているということでもある。ただ医師はもう少しよい結果を期待していたようだ。安定するまで数週間から数ヶ月ということなので,様子をみるしかない。</p><p>低い音はよく聞こえているので,人工あぶみ骨が動いていることは間違いない。</p><p>骨伝導も正常なので,聴覚神経も正常。中高音がよくなることを期待したいな。。</p><p>その後,看護師さんが洗髪してくれた。左耳に水が入らないように慎重にカバーして。。一週間ぶりの洗髪,ちょっとすっきり。</p><p>夕刻2度目の診察で29日退院決定</p><p>4月29日</p><p> 退院。</p><p> 1週間うでについていた点滴を外してもらう。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://1.bp.blogspot.com/-x2W6pNcE_Cw/YItlm8K398I/AAAAAAAA9gI/WDzBVJDTt8QL599_vb9aXotTj4VYy2SlACLcBGAsYHQ/s4000/HORIZON_0001_BURST20210428094046350_COVER.JPG" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="4000" data-original-width="2250" height="320" src="https://1.bp.blogspot.com/-x2W6pNcE_Cw/YItlm8K398I/AAAAAAAA9gI/WDzBVJDTt8QL599_vb9aXotTj4VYy2SlACLcBGAsYHQ/s320/HORIZON_0001_BURST20210428094046350_COVER.JPG" /></a><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhGMMrYo7VeRGTiRaYoruJZT-N5Nb1JChk_GhuiV41dXqQ1-iO0yxELZiuWd4pFsTHj3qeTCfd4CP4hyIRU6HBtNAIjTN38pOhlh8vS03zq1DD_cP9zH8mxQwHrYgvKeeKjktBAwtQMZiuy/s4000/HORIZON_0001_BURST20210429074133833_COVER.JPG" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="4000" data-original-width="2250" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhGMMrYo7VeRGTiRaYoruJZT-N5Nb1JChk_GhuiV41dXqQ1-iO0yxELZiuWd4pFsTHj3qeTCfd4CP4hyIRU6HBtNAIjTN38pOhlh8vS03zq1DD_cP9zH8mxQwHrYgvKeeKjktBAwtQMZiuy/s320/HORIZON_0001_BURST20210429074133833_COVER.JPG" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br /></div><p>荷物をまとめて,宅配で送付。休日だったので支払いは後日となった。</p><p> 家人に迎えにきてもらって退院。紙屋町のスタバで休憩。その後お昼ご飯をたべて帰宅。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiMOURDdWkrjEB04Wo_fQYl7ky9VYT2A-Bzsw-sSzjo_jUVuuEPkeaYlu7tKwFtODWCkIDPydSQ405eF4rvk6iC10ibKxSMv7ab0Fg5qErVHFmB5lebruoyO6Z1RWOVe7s40n02O7hZB2nc/s4000/DSC_0046.JPG" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="2250" data-original-width="4000" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiMOURDdWkrjEB04Wo_fQYl7ky9VYT2A-Bzsw-sSzjo_jUVuuEPkeaYlu7tKwFtODWCkIDPydSQ405eF4rvk6iC10ibKxSMv7ab0Fg5qErVHFmB5lebruoyO6Z1RWOVe7s40n02O7hZB2nc/s320/DSC_0046.JPG" width="320" /></a></div><br /><p><br /></p><p>次は5月12日に診察よてい。</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-86443186006561113222021-04-27T15:08:00.008+09:002021-04-30T10:48:01.110+09:00手術後のようす<p> 4月23日(金)手術。4月27日(火)ベッドのそとにでることができた。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhewXZSS-aam0d2L0_C9iAEC0sz9w-TorU9ozSzWF9ecqMHBMX9RX69iMGw2rcOQWrcf7G7eFt0V7SGY_PaqTq2_-Ebwa7y_E2NTGmZ_ikdLSlv6Cx8DE6y1VmjfHpTj_MGjZW3rLx4vwSw/s4000/InkedDSC_0031_LI.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="2250" data-original-width="4000" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhewXZSS-aam0d2L0_C9iAEC0sz9w-TorU9ozSzWF9ecqMHBMX9RX69iMGw2rcOQWrcf7G7eFt0V7SGY_PaqTq2_-Ebwa7y_E2NTGmZ_ikdLSlv6Cx8DE6y1VmjfHpTj_MGjZW3rLx4vwSw/s320/InkedDSC_0031_LI.jpg" width="320" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br /></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">これまの経過報告。。。。</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><br /></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><div data-en-clipboard="true" data-pm-slice="1 1 []">4月23日(金)</div><div>8時30分 普通の寝間着のまま歩いて手術室へ</div><div>手術室内の待合室に5人程度待ってる。名前を呼ばれてベッド上。</div><div>点滴、心電図など装着。点滴から麻酔薬。数秒で麻酔</div><div>13時ころ目覚める。直前は夢をみていたようだ。そのまま病棟へ</div><div>手術の詳細は後日だが、ワイヤーのアブミコツを入れたとのこと。</div><div>ベッド上安静。別途は30度まで。これがきつい</div><div>床ずれ予防のための柔らかいマットレスなのだが,これ,腰はよいのだが,背中に</div><div>重みがかかる。</div><div><br /></div><div>4月24日(土)</div><div>めまい、頭痛、耳鳴りなどなし</div><div>朝食は流動食。食欲はなく,ほとんど食べず</div><div>10時ころ?当番医の診察</div><div>ベッドは30度までOK。少しはましになったが,まだきつい</div><div>夕刻 担当医来る。</div><div>めまいなどの症状軽そうなので予定より早く進める事を考えているとのこと,</div><div>期待使用。 </div><div>明日90度までOK。</div><div><br /></div><div>4月25日(日)</div><div>ベッド90度</div><div>食事はおかず1/2かゆ1/4くらい</div><div><br /></div><div>4月26日(月)</div><div>朝担当医くる。 ベッド上自由(支えなしで座ってよいという意味)</div><div>チクピロジン再開</div><div>夕刻担当医来る。 尿道カテーテル外して立って良いことにしたが看護士が夜勤のみになるので翌朝まで延期(これは残念だった。。。。。)</div><div>夕食 おかず全部、かゆ1/3</div><div><br /></div><div>4月27日(火)</div><div>朝食 パン、牛乳。ゆでたまご</div><div>たまご以外食べる</div><div>10時ころ尿道カテーテル外す。これで動ける。でも行ってよいのはまだ病室の入り口中のトイレまで。。。</div><div>1330 コンタクトレンズ入れてみた。調子は良さそう。これでパソコンの画面もみえるぞ。</div><div>というわけで今ここ。。。</div><div>夕刻,担当医の診察で病棟内は動いてよいことになった。</div></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><br /></div><br /><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-6918592422480425552021-04-22T15:55:00.003+09:002021-04-22T15:55:40.254+09:00いよいよ入院<p> 耳硬化症の手術のため,2021年4月22日広島市民病院に入院。</p><p>朝9時に病院にいってPCR検査をうける50分くらいで結果がでて,陰性。無事に入院手続き。</p><p>早速うでにID表をまく。これ水に濡れてもいいのかな??</p><p>その後耳鼻科で診察だったのだた,主治医曰く。</p><p>中耳にはつち骨,きぬた骨,あぶみ骨のみっつがあって,今回あぶみ骨を人工骨に取り替えることにしている。まれに(ここ5年以上起きていないが)手術中につち骨ときぬた骨ところが外れることがある。その場合は,つち骨から直接内耳につなぐようにするのだが,そのためにはすこち長い人工骨が必要。今日それをチェックしたら,その人工骨の期限が切れていることが分かった。その場合,つち骨ときぬた骨を接着剤でつけることもできるが,少し弱くなる。手配が間に合わなかった場合手術を延期するか,接着剤つかうか決めてほしい。</p><p>「なんだそれ」と思ったが,不完全な手術をするつもりはなく,手配できなかったら明日はやらないと答える。その場合5月中に延期という提案。まあいいかなと答えたが,考え直すべきかな,。。。</p><p>と思っていたら,手配ができたらしく,予定通りの手術となった。人騒がせなことだ。</p><p>というわけで,病院食のお昼ご飯</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgC7dPNdTiheMWhEOZGU7uCapOa-z1vDKxxMbpeOUqVnOVrHDCHLoWP46StawcPLMGoN65RLM13IB313LeM87QKCGRzZohBTBp_Y9EhS4kQyqA6ZrDBQzMfh1Bbzo2k27XupsjhOHgvQTYa/s4000/InkedDSC_0012_LI.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="2250" data-original-width="4000" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgC7dPNdTiheMWhEOZGU7uCapOa-z1vDKxxMbpeOUqVnOVrHDCHLoWP46StawcPLMGoN65RLM13IB313LeM87QKCGRzZohBTBp_Y9EhS4kQyqA6ZrDBQzMfh1Bbzo2k27XupsjhOHgvQTYa/s320/InkedDSC_0012_LI.jpg" width="320" /></a></div><br /><p><br /></p><p>その後,麻酔の説明,薬剤師の説明,術後の説明など。思ったより時間がかかるかな。。。</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjI5s5etTUSOnHIDO-LMtyHk5tOyF5UVYZOj1djRv3SZCmWDPV8ZVeczoKRuYAWWTbgP4R5lxpXhuHJ4ZhG3ifnAvi9a7a0KlXWZbKd1mvA5H1dVFlv91fmlzBgBl9hQOrbwokdn4tDwzau/s1920/InkedDSC_0014_LI.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1080" data-original-width="1920" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjI5s5etTUSOnHIDO-LMtyHk5tOyF5UVYZOj1djRv3SZCmWDPV8ZVeczoKRuYAWWTbgP4R5lxpXhuHJ4ZhG3ifnAvi9a7a0KlXWZbKd1mvA5H1dVFlv91fmlzBgBl9hQOrbwokdn4tDwzau/s320/InkedDSC_0014_LI.jpg" width="320" /></a></div><br /><p><br /></p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-125170630947407472021-04-19T16:56:00.002+09:002021-04-19T16:56:28.481+09:00入院の準備(ネットワーク編)<p> <a href="https://muchu.huhep.org/2021/04/blog-post_19.html" target="_blank">ここ</a>に書いたが耳の手術をすることになった。</p><p>1週間くらい入院するのだが,その間音信不通ではちょっと問題かな。。</p><p>で,wifiルータを持ち込むつもりだったのだが,病棟はwifiは禁止とのこと(携帯はOK)</p><p>機器に影響がでるとか。。(wifi OKの病院もあるようだが,,)</p><p>さてどうしようと思ったのだが,実は昨今のwifiルータは有線接続もできるのだ。</p><p>そこで,レンタルでAterm MR04LNを入手。</p><p>先ほど,wifiを切って有線でpcに接続できることを確認。</p><p>これで準備OKかな。。。</p><p>ちょっと心配しているのは,私が病室でネットつないでいるのをみた看護師さんから何か言われないかということ。これはwifiではなく有線ですよって言って通じるかな。(じつは先日有線接続ならばOKと聞いたけど,全く話しが伝わらなかった。。。~)</p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-64148681708665834612021-04-19T16:42:00.001+09:002021-04-19T16:47:22.475+09:00たぶん耳硬化症<p> 十年以上になると思うが,左耳が中程度の難聴。右が正常なので日常生活のそれほどの支障はないのだが。。</p><p>原因は多分耳硬化症だと言われている(本当の理由は手術して直接見ないと分からない)。これは手術すると改善する可能性が高いのだが,耳の手術をするとしばらく(1ヶ月くらい)は気圧の変化はだめ。つまり飛行機に乗れない。</p><p>昨今遠隔会議がふえて,特に自宅からやる場合はイヤホンを使う。Youtubeにもいろいろ面白い動画が充実しているがその視聴も基本はイヤホン。すると,片方の耳が聞こえにくいというのは結構影響が大きい。ところが,遠隔会議が増えたのと同じ理由でここ1年ほとんど出張がない。つまり飛行機に乗っていないのだ。たぶんこの状況はしばらく続く。ならばこの機会に耳の手当をしようか。。と思い立った。</p><p>2月15日</p><p> 近所の耳鼻科を訪問。聴力検査の結果はいつものとおり。</p><p> 鼓膜を通した聴力は60dB程度だが,骨伝導はほぼ正常。</p><p> 鼓膜の動きをみる検査も異常なし。耳硬化症の疑い高し。</p><p>ということで広島市民病院に紹介状を書いてもらう。</p><p>3月1日</p><p> 広島市民病院で検査。 </p><p> 改めて聴力検査と,初めてCTを受けた。被ばくに関する同意書に吸収線量が書いてあったので,それから換算すると実効線量で4 mSvくらいの被ばくか。</p><p> 医師から説明を受けたのだが,あいている手術日が6月までないという話。諦めかけたのだが,4月にキャンセルがあっていまらそこでできる。ということで仮予約をして最終決断は4月の自分のスケジュールなどをみてから返事をすることにした。</p><p>3月18日</p><p> 広島市民病院に行って,手術する旨をつたえる。15年ほど前に心筋梗塞をやっているので,心電図と超音波診断をうけて循環器科に回る。そちらも問題ないだろうということで,</p><p>決定。</p><p>3月19日</p><p> 手術前の検査医。また聴力検査。味覚の検査もあった。顔の神経が手術部位の近くをはしっているので,そこになにかあると味覚に問題がおこるらしい。そこで事前にしらべるんだと。。</p><p>3月25日</p><p> 医療支援センターで入院に関する説明いろいろ。</p><p> 寝間着とかタオル何枚とか,洗面セットとかこまごまあるのよね。。</p><p>3月31日</p><p> 手術が全身麻酔になるので,事前に歯科医で歯の検査とクリーニング。</p><p> 虫歯は無し。久しぶりに歯石をとってもらって,歯がす~す~。。</p><p>4月13日</p><p> 手術日が決定。4月23日</p><p> 入院は4月22日から退院はいまのところ30日。</p><p>コロナのため,見舞い面会は不可です。</p><p>長くなったので準備の続きはこのあと。。</p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-14692642533837507252021-04-16T18:10:00.003+09:002021-04-30T11:10:05.152+09:00授業動画がプチっとバズった?<p> 昨年度,コロナウイルスのため授業のほぼすべてが遠隔になった時期,大学の授業をYoutubeで配信しようという事業が学長の肝いりで始まった。名付けて「<a href="https://www.hiroshima-u.ac.jp/nyugaku/enhance_knowledge" target="_blank">知を鍛える 広大名講義100選</a>」なんともすごいネーミングだが,私も1コマ録画した。授業といっても研究内容を一般向け話したもの。録画したのは昨年6月だったが,著作権処理などに時間がかかったようで,今年の2月中旬にようやく公開された。「宇宙創成の謎に挑む 素粒子物理学」。素粒子物理学なのだが,webサイトでは宇宙の中に入っている。まあそうだろうな。。果敢にも英語版も作ったのだ。。まあそんなに視聴者いないだろうと思っていたのだが,先日反響が大きいので今年も動画を作りたいという連絡が来た。あれっと思ってYoutubeをみると,今日(2021年4月16日)現在で30万を超える視聴数。2ヶ月で30万はなかなかのものではないかな。。。ちょっとびっくりだ。。これがつづけばユーチューバーになれるのか??</p><p>というわけで,私の動画はこちら</p><p></p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://youtu.be/9KZT2hjx_Z4" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img alt="" data-original-height="610" data-original-width="1155" height="169" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOy-cAV86AZQwbFR3XTxS870k_YJtHnWZHLrKh-XnWjuRYd54rUZhPq7iK-9YhN5k0OG51YtkdHq5v6hMcx7MV0LlRlXmpHv23cSk5vJ0B0j3h6TQqwKTtKOLWSZplsw3d3do1VODjmqzJ/" width="320" /></a></div><br /><br /><p></p><p>ちなみに英語版の視聴数は666回(2021年4月16日)(それでも,英語のサイトに掲載されている中では一番多いのだ。。。。)</p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-9072497633818738135.post-38151181511509211352020-12-31T22:29:00.003+09:002020-12-31T22:33:53.847+09:002020年<p> 今年はどんな年だったか。やはりコロナの年。自分にとってはリモートの1年だった。ブログもその事について書いたものが多めだ。</p><p>年明け早々、まだコロナが大変な事になる直前。研究者中間と<a href="https://ilc-symposium.jp/" target="_blank">シンポジウム</a>を開催した。これはコロナとは関係なく、東京の主会場と東北、広島、福岡を繋いだ、ネットの得意な高エネルギー物理屋ならではのシンポジウム。今から思えば対面の講演会開催にはギリギリのタイミングだった。</p><p>そのすぐ後には、4月からの授業の対面開催が心配になってきた。対応を考えなければならないのに大学の動きが見えずジリジリしていた。結局4月からの授業はリモートになった。多くの教員にとっては大変だっただろう。私もできるサポートはしたつもり。と、他人事のように書いているのは、自分とってリモート授業は何年も前からやっていて新しいものではなく、ほとんど苦労していないからだ。</p><p>その代わりと言ってはなんだが、大学で「何々講演会、今年はどうしましょう(無理かな?)」と言う話が出た時に、つい「リモート開催すればどうですか」などと余計な?事を口に出してしまう。悪い癖だ。言ったからにはやらねばならず、<a href="https://sites.google.com/huhep.org/rigakusympo2020/home" target="_blank">中学生・高校生科学シンポジウム</a>、<a href="https://www.hiroshima-u.ac.jp/rigakuyugo/news/60918" target="_blank">ノーベル賞解説講演会</a> (<a href="https://muchu.huhep.org/2020/12/blog-post_12.html" target="_blank">ブログはこちら</a>)のオンライン開催、配信関連をほぼ全部請け負った。完璧とはいかないがまずまずのできと言うところか。そう言えばM先生の九大向けリモート授業もお役に立てたかな。</p><p>私的なところでは、4月に大学に入学した娘が全部リモート授業。4月からいなくなる予定が9月まで自宅に居た。おかげで?他大学のリモート授業の様子をちかいま見る事ができたが、、</p><p>さて来年は、</p><p>まずコロナが収束して、対面でやるべきものは対面でできるようになる事を願いたい。その上で、リモートの良いところを取り込んで、これまでより充実した授業やシンポジウムをできるようにしたいものだ</p><p><br /></p><p><br /></p>高橋 徹http://www.blogger.com/profile/05399208517088585633noreply@blogger.com0