先日,出張で羽田空港に行ったら,カウンターに行列ができていた。どこかのフライトがキャンセルかな,,と思ってみていたのだが,どうも787の高松空港への緊急着陸の影響だったようだ。
緊急着陸そのものは大きなけが人もなく,まずは良かった。日頃から訓練を受けているとはいえ,実際に何か起こったとき冷静に対処できる,乗員の皆さんには本当に感心する。
私はマニアというほどではないが結構乗り物好が好き。787は国内線,国際線とも搭乗していて,スーツケースには787就航記念のステッカーも貼っていたりする。初めて乗ったときは写真をぱちぱちとったり,用もないのに窓の電子ブラインドを操作したり,トイレ(!)に行ってみたり。。。今回のことは一航空ファンとしても気になる話だ。
航空機に限らず,新しいものには初期の不都合がでる。787も就航して1年が過ぎ,その時期かなと思っていたのだが,ちょっと問題が大きいかもしれない。原因が同じかどうかは分からないが,少し前にあったJALの787も今回も,バッテリーが問題だったらしい。787の大きな特徴は,Fly by Wire, つまり以前は油圧で動かしていた部分を,ほぼ全部電気信号で動かしているということだ。
電気で制御ってなんのことかピンと来なかったのだが,2年くらいまえに車を変えたときに実感した。車のシフト,前の車は,レバーをガチャッと動かして何かを切り替えている,という感触がよく分かったのだが,今の車は小さなノブをちょっと動かすだけ,ノブ自体が何かを切り替えているという感覚は全く無く、完全なスイッチという感じ。規模は違うけど,Fly by Wireもそんなものかな。
787の問題は,全体が電気仕掛けになったので使う電気量が大幅に増えたことらしい。バッテリーの容量も増えたので,リチウム・イオン電池を採用したとこのこと。リチウム・イオン電池はエネルギー密度,つまり単位重量当たりに貯えることができるエネルギーが大きい,ことが売り物だが,反面制御をうまくしないと発熱する可能性も高い。物理的に考えると,沢山エネルギーを貯えることができるので,発熱する可能性も高いという,まことにもっともらしい特徴だ。
今回の問題がどこにあるのかまだ分かっていない。リチウム電池そのものを改良する必要があるのか,それとも電池を充電するときや放電させるときの、制御の改良または不具合の修復ですむのか。就航前にも時間をかけてテストされているし,就航後1年程度大きな問題は起こしてないのだから,完全なものを造るというのは本当に難しい。
787の3割は日本製で,準国産とも言われている。運行停止が長引くと,ローンチカスタマーのANAやJALへの影響はもちろん,製造に関わる企業への影響も懸念される。安全確保は第一であることは言うまでも無いが,早い復航を願うばかりだ。
がんばれ787
0 件のコメント:
コメントを投稿