2022年2月16日水曜日

冬のスポーツの物理2:スピードスケートと横G

男子の500mの選手は後半のカーブを時速60km程度で走る。先日の北京オリンピック,銅メダルを獲得した森重選手は時速58㎞くらいだった。

 $ v = 50km/h \approx 16.1 m/s $

スピードスケートのトラックのカーブは図のようになっている。


森重選手は内側のレーンの真ん中位を走っていた。そのときのカーブの半径を約$r\approx28m$と考えよう。したがって森重選手がうける遠心力は

$\frac{v^2}{r}=\frac{16.1^2}{28}\approx 9.3 m/s^2$

重力の加速度は約$9.8m/s^2$なのでほとんどそれに近い数字だ。つまり自分の体重に匹敵する力に対抗してカーブを曲がっているのだ。少しのミスで外側にコースアウトしてしまうのも納得できる気がする。
ところで自動車のタイヤの摩擦係数は乾いたアスファルト上で0.8くらいらしい。すると車が耐えられる(曲がることができる限界の)横gは0.8gと考えることができる。

スピードスケートの選手は,乾いたアスファルト上のでの自動車の限界を超えた急カーブを氷の上で切っていることになる。

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