2013年11月2日土曜日

大学入試が変わる?

 先日、つくばに向かうため秋葉原からつくばエクスプレスを利用した。夜の11時近くだが車内は満席。半数は女性、高校生らしき乗客もいる。列車は当然のように定刻に到着し、乗客はコンビニに立ち寄って、当然のように夜道を帰っていく。見慣れた光景だが、世界で同じようなことをみかける国がいくつあるだろう。昼間でも、女性どころか男性でも安心して列車に乗れない国も少なくない。
これまで10指に余る数の国を訪問した。できるだけ安心して行ける場所を選んでいる。その経験からも、 日本が世界有数の暮らしやすい国であることに間違いはない。そうなることができた理由の大きなところは、教育だろう。物事に完璧はない。我が国もいろいろな課題を抱えている。教育もまた然りだ。だが、これまでの教育システム大きな欠陥があったとしたら今の日本があるだろうか。

  教育再生実行会議が大学入試の抜本的改革を提言した。大学入試センター試験を廃止して複数回受験可能な「到達度」試験になり,多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換を図るらしい。提言によると,大学入試センター試験は「知識偏重の1点刻みの選抜」を助長するとある。本当か? 試験なので点数はつく。しかしセンター試験を合否にどのように使うかは,大学毎に異なる。各大学ともその大学にふさわしい学生が来るように,工夫を重ねている。それに,センター試験そのものは,良問が多くレベルの高い試験だ。AO入試も、そのあり方に改善点があることを否定はしないが,多様な学生に対応できるように,改善の努力を続けた結果だ。

 私はセンター試験試験の前身の共通一次試験の世代だ。それから30年以上経ったことになる。その間、共通1次がセンター試験になり、ここ10年ではAO入試が大きく導入された。今回の入試改革はこの現在の入試の方法の反省がもととなっているのだろう。だが、忘れてならないは、センター試験以前の体制で教育を受けた世代が、戦後の高度成長をなしとげ、現在の社会を作り上げてきたと言うこと,そして,センター試験の世代は今働き盛りの年代として日本を支えている。

今回の提言は,「変える」と言うこと自体が目的となっている印象を受ける。社会は変革を続けている。グローバル化の流れが顕著なのは,私も感じている。それに対応するだけでなく,より明るい未来を築くために,たゆまぬ改善は教育のあり方にも重要だ。しかし,その目的は,我が国(いや,世界と言うべきだろう)の未来を担う人材の育成だ。そのために必要なのは,現在の教育の欠点ばかりをあげてそれを強調するのではなく,世界有数の経済発展と安全を同時に成し遂げた我が国の教育システムの長所をみいだし,それを伸ばすことではないだろうか。






0 件のコメント:

コメントを投稿