さて、7月17日に広島市立基町高校に伺って、生徒さんに「素粒子物理学と宇宙」というお話をしました。今回は、クリッカーを本格的に使った、初めての講演でした。クリッカーというのは、聞いている方に質問をして、その場で集計、画面に表示する装置です。「クイズミリオネア」や、「わらっていいとも」で観客のアンケートをとるときに使っているやつ、と言えばわかるでしょうか。3月頃に、サイエンスカフェで使って(といっても私は話し手ではなくてそう操作係)とても評判がよかったのです。そのあと、別の機会に小中学生のみなさんにお話した時に使ったのですが、その時は聴衆5人、、クリッカーの本領発揮ということにはなりませんでした。(それでも、十分効果はありました)。今回は、生徒さん28名に聞いてもらえるということで、楽しみにしていました。
まず手始めに、好きな科目は?(理系クラスなので、数学と理科について)
数学がダントツという理系クラスならではの結果をです。
では、聞いたことがある言葉は?(これは複数回答可です。これも質問を作る時に指定できます)
へ〜ニュートリノが一番。それよりも、LHCを知っている人より、ILCを知っている人の方が多い(まあ、2名と3名ですけど、、)これはびっくり。KEKの知名度が高いのは理由があります。このクラス、修学旅行でKEKに行くのです。
こんなことを気軽に聞きながら話を進めることができるのは、とてもいいですね。
話は、ヒッグス粒子を中心に宇宙の始まりとの関わりへと進んでいきます。
ここで、昨年からの定番問題。ヒッグス粒子(当時はらしい新粒子)の発表があった、昨年7月4日時点と同じ程度の統計で私がつくった模擬データをみせます。そのうち二つは、バックグランドだけ、残りの一つはアトラスグループが7月4日発表したデータと同じくらいのヒッグス粒子のシグナルが入っています。さて、シグナルがあるのはどれでしょう?
生徒さんの回答で一番多かったのは、2番。でも正解は3番なのです。むつかしいですね。
この手の問題、教室で「1と思う人」とか言って手をあげてもらっても、みなさん周りを見わたして、なかなか反応してもらえないのです。でもクリッカーだったら問題なし、皆回答してくれました。このグラフだけ%になっていますが、これも設定できます。
ちなみに、ちゃんとフィッティングという解析をやるとちゃんと3番だけシグナルがあるのがわかります。私も自分でやって改めて納得しました。
こんな感じで話をすすめて、最後は、
2番が多いのは納得かな。でも研究者になりたいと思っている生徒さんが3名もいる。頼もしいですね。今から10年後(もう少しあとかな)彼らが、若手研究者として(願わくばILCで)活躍していることを願っています。
授業のあと、校長先生といろいろとお話しました。校長先生は物理が専門的ということでした。物理のこと理科の教育のこととても話があってついつい話し込んでしまいました。とても有意義なひとときでした。
次はどこでつかえるかな。楽しみにです。
とこで、このクリッカー、パワーポイントに組み込んで使うソフトがついているのですが、これが使っていると時々クラッシュします。今回も2回くらいあったかな。致命的とは言いませんが、もう少し安定性のあるソフトがの開発が待たれます。
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